SEEDER - プロローグ

December 30 [Sun], 2007, 1:36
人間ってのはいつの時代も愚かなもんだ。

残念ながら、この時代の人間も愚民どもである。
全ての人間が愚かかというと、そういうわけでもないが。
しかし大多数は愚かだ、そう断言できてしまう程、この都は荒んでしまった。


─ 西暦5999年、帝都:ヴェリカ ─

炭鉱で一躍有名になったこの都が栄華を極めていたのは、今は昔の話しである。
時の王、ルチア13世の悪政に頭を痛めているのは何も民達だけではない。
生きとし生ける命全てに被害は及んでいた。

家屋から剥き出しのごついパイプ、超高温の蒸気が無数に噴出す。
一家屋に最低一つのこのパイプ、街自体の温度を上げるのにも一役買っている。
大昔には温暖化なんてものが存在したらしいが、今のご時世、温暖化になってくれた方が
どれほどの民達が救われるだろうか。

ヴェリカに本日最初の機関車がやってきた。
いつもと変わらぬ夜明けだ。何も変わらない。

機関車が通り過ぎると、複数の足音が近づいてくる。
言わずとも知れた【E:lite】達である。

説明が遅れてしまったが、この帝都ヴェリカには大きく分けて以下の4つの階級が存在する。

@L≠iqid(皇族)
AE:lite (貴族)
BS;;eed(奴隷)
CMist(罪人)

見ればわかると思うが@→Cで位が下がる。
ついでに自己紹介もしておこう。
私はマロゥ。Mistのレベル5である。
Mistにもレベル1からレベル5まで存在する。レベルは極悪ランクみたいなもんだ。
S;;eedのレベル5よりMistのレベル1の方が良い暮らしが出来る。ここは、そういう街なのだ。

西暦5000年に行われたと言われる大世紀祭【解呪】の辺りから、
この国はおかしくなったと言われる。

その頃の王、ルチア1世の元に独りの術者が訪れた。
かの者の名はジル。今では知らぬ者はいない。E:lite達に神と違いないほど称えられている存在だ。

ジルがヴェリカにもたらした【改心】という秘術。
それは生まれて間もない赤子の胸を切り開き、心臓に拡張スロットを追加するという業だった。
この頃から鋼鉄の心臓を持つ者達の事をE:liteと呼ぶようになる。

この拡張スロットに、例えば智のカードを挿入しよう。
智のカードを挿入された赤子は、20歳になるまで恐ろしく早いスピードで智力が進化していく。

心臓の大きさにもよるが拡張スロットは4個まではつけられるだろう。
ただし4つ装着できるのはL≠iqidのみだ。法で定められている。
これは単に謀反や反乱を恐れたL≠iqidの政策と思ってもらっていいだろう。

E:lite達は大概1〜2つ装着している。
E:liteの中でも余程の富豪でなければ3つは無理だろう。

それ程、法外な額なのである。

そして、この【改心】を受けられぬ者が、S;;eedとなる。
S;;eedは当然E:liteから差別され、人の扱いを受けない。
その扱いは、もはや奴隷だろう。
残念な事なのだが、これが現状なのである。

裕福な家庭に生まれれば…S;;eed達は羨望の眼差しでE:lite達を見る。
E:liteはそんなS;;eed達を笑って蹴り飛ばす。
虫でも潰すかのようにS;;eedの顔を踏み潰す。

これが約1000年の間続いてきた、日常である。
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この小説はWizardの音源に付属している歌詞カードだけでは伝えきれない、カイトの脳内で繰り広げられている世界を文字におこした物です。
話しによっては、グロテスクな表現や不適切な表現、青少年の育成に対して不適切な表現を含む可能性があります。ご注意下さい。
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