蛎殻劇場 こいつだけは許せない 第2話 2−2 

January 02 [Sat], 2010, 16:18
2−2

下北沢 バー FUNKY SWING
カウンターでお酒を飲む操と慶子。
慶子はメロン・ダイキリ、操はドライ・マティーニを飲んでいる。
時計は夜の10時を過ぎていた。
店の頑丈そうなドアが開いた。公平が入ってきた。
「こっち」っと手招きをする慶子。
すぐに席に着いた公平。
バーテンダーが公平に注文を聞く「何にしましょうか?」
「ジントニック。」
「畏まりました。」
慶子が手のひらを操に向けて
「紹介するわ。っていうか久しぶりの再会ね。この計画のもう一人の
パートナーよ」
操、公平をまじまじとみている。
「久しぶりね、公平。覚えている?高野紀夫よ。今は操って名前よ。」
公平少し驚いた表情をして「紀夫?久しぶりだねー。中学以来か?」
「そうね。別々のクラスだったけど2年の時体育で一緒だったね。
高校から完全に別になったから。あたしこっち(東京)だったし。」
「そうだよね。立ち入った事聞くけど、紀夫、いや操はいつから女に?」
「20歳の時。成人式であたしをみかけなかったでしょ。その時、モロッコで。」
公平、不思議な感じがしたが、なんだか懐かしい気分になった。
「久しぶりの再会に乾杯しますか。」と公平。
そこに慶子が水を差す感じで
「今日はクラス会じゃないわよ。電話の件だけど、わかっていたよ。あんたの行動。新島のところで依頼したのもそれに今日会っていたことも。」
操、ハンドバックから数枚、写真を取り出した。
なんと、仕事を失った件で新島に依頼した時、修子と会っているとき、
ピッキングのアルバイトしている時、そして今日、新島に会っていたのも。
「操、お前、俺をつけていたのか。」と思わず操の胸座に手をかける公平。
慶子が援護する「悪く思わないで、私が彼女に依頼したのよ。あなたが修子にメールをした内容を傍受して会社に送りつけたこともね。」
公平、操の胸座からから手を放し、ジントニックを一気に飲み干す。
「俺、監視されていたのか?」
公平はやりきれない気持ちになった。
慶子が続ける「新島は計画には加えないわ。むしろあいつには
地獄に落ちてもらうわ。必ずね。」
そのとき公平はこの女が本当に恐ろしくなった。

深夜 慶子のマンション
合鍵を使って入室し、ソファーに座っている新島。
そこに慶子が帰ってきた。
「あら、来てたの。」と慶子。
新島が不敵な笑みを浮かべて「田舎教師の殺害計画の打ち合わせですか?
お酒を飲みながら。」
うっとうしい顔をする慶子「あんたには関係ない。」
新島、慶子に無理矢理キスをして「最近ご無沙汰だよね。もう3週間だよ。最近、冷たくない?僕たちはだれにも負けないパートナーだろ。僕と組めばいいことあるかもよ。慶子。」
慶子、新島を振り払い「馬鹿じゃないの。私の体しか興味のないあんたと何で私が組まなくちゃならないの。人のプライバシーに探りいれて都合のいい時だけ出てきて何なの。最低ね。」
その言葉が新島の逆鱗に触れた。慶子の顔を殴り、さらに平手打ちをして、
倒れたところを蹴り上げる新島。そして「誰のおかげでここに住めると思っているんだ、お前のような糞女、俺のさじ加減でどうにでもなるってことを教えてやるよ。この雌豚が。」
そう言ってソファーを蹴り、部屋を勢いよく出て行った新島。
散らかったリビング。殴られた勢いで唇を切り顔に血がついた慶子。
悔しさをにじませた表情で、天井を見つめ、新島への復讐も企てるのだった。

翌日朝、杉並西署
事故を起こした和田が殺害された件について調べているが、調べが進まない
状況に沢崎は苛立ちを感じていた。
「和田は何者かにあのカップルを殺害するように依頼され実行してそして
自らも殺された?いったい誰に。」
和田とかかわりのありそうな前科者リストを見ながらつぶやく沢崎。
過去の和田の調書を洗い直し、交友関係を調べているが何一つ手がかりがない。
和田は事件の直前まで新宿でホームレスをしており、ホームレス仲間に聞いても有力な情報がないのだ。
「いったい誰に頼まれたんだ。何のために。」
新宿中央公園 
沢崎は手掛かりを探しに和田が暮らしていた新宿中央公園周辺をもう一度
調べなおしに来た。

早速、聞き込みを開始した。
沢崎まず公園の入り口付近にいた中年のホームレスだ。
一昨日も聞き込みをした男だ。
「だんな、またですか?ですから、和田とは最近かかわりがないんで。」
沢崎は、質問を変えて見た。
「最近見かけないやつはいないか?」
「そういえば、最近シュウイチとかいう奴を見ないな。もしかしたら何か知っているかもよ。」
「どこら辺にいたやつだ。」
「あそこの売店の裏だよ。あの人は、夜にならないと来ない。最近多いんだけどわりと身なりがこ綺麗にしている奴でね。何年か前に会社をリストラされたらしくてそれから昼間はデパートの上とか本屋で立ち読みとかして過ごしたり
しているみたいだよ。」
沢崎手帳のメモに聴取内容を記載しながら「そのシュウイチってやつは
和田とかかわりがあるのか?」
「何回か話をしているのを見たことあるけど。そういえば本の話をしていたな
なんかパスポートの取得の本がどうたらこうたらとか。」
沢崎もう少し突っ込んで聞いてみた。「海外に行く予定だったのか?」
「そこまでは分かりませんよ。ダンナ。」
中年ホームレスの情報を基に周りのホームレスにシュウイチのことを聞きこんでいると偶然シュウイチが戻ってきた。
沢崎早速事情を聴くことにした。
「シュウイチさんってあんたか。」
シュウイチ、少し驚いた表情で答えた「はい、私ですが。」

新宿中央公園ベンチ
沢崎はシュウイチから和田のことで事情を聴いている
「和田とはどういう知り合いだ」
「和田さんとはこの生活になった時にいろいろ教えていただいた人です。
刑事さん和田さんがどうかしたのですか?」
「埼玉で死体で発見された。」
「えっ。」
修一は絶句した。涙を流すシュウイチ。
「なんでそんなことに、お互い頑張ろうって励ましあっていたのに
和田さんはなんかいい仕事を紹介されたそうで。その仕事の後海外に行くんだって行っていました。それでパスポートの取得の話になって昔、私も海外に行ったことがあったのでいろいろ教えてあげたんです。」
沢崎、シュウイチをまじまじと見て、
「あんたは、なんでここ数日姿を消したんだ?」
「和田さんの仕事が決まったころ、私も短期の建設現場の仕事に運良く就けることになって今まで地方の建築現場に行っていたんです。」
沢崎、新情報に色めきたったのと同時に和田の事件ではこいつはシロ
だと確信したが何か情報を持っていると思いもう少し突っ込んで聞くことにした。
「和田に仕事を紹介するっていったのは誰かわかるか?」
「詳しいことは分からないが、杉並の方で女に声を掛けられて
ちょっとした運転の仕事を引き受けることにしたっていってたなあ。なんかよくわからないけど。」
「女、どんな女か聞いてるか?」
「なんかすごく綺麗な若い女性って言ってたな。」
「確かレイコって言ってたかな?」
「レイコ?」
今まで、つかめなかった和田が事故を起こしそして変死体になって
見つかるまでのなかでカギを握る人物の存在がここで浮上した。
沢崎は事故に巻き込まれた若いカップルの周辺で恨みを持つ人物の洗い出しを急ぐことにした。

2−3へ


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