迷走 

December 25 [Mon], 2006, 2:14
「ほっぽりだしてこっちに来たら許さないんだからね。」




電話先でその言葉を聞き、どうしようか、ただそれだけを悩んだ。

白血病と診断され、余命はわずか。

それを受けての彼女からの言葉。

時は高校三年の夏も終ろうというころ。

こっちは、1年かけてやってきた行事の集大成の時期。

たかが行事、されど行事。

全力を傾けてとりくむ「任務」なら、ほっぽりだしてくるな。

彼女はそう言ったのだ。


どっちを選択しても後悔する。

それだけは、すぐに分かった。

ならば、「ベスト」を尽くせばいい。

そう決めた・・・はずだった。





9月3日、その連絡を受けた翌日の僕は、C組に行くなり、こう言った。

言ってしまったというほうが正しいだろう。


「恋人が余命1ヶ月だ」と。

なんで言ってしまったかはわからない。

でも、何がなんだかわからなくて、言えば何かかわるんじゃないか

なんとなくそう思ってたのかもしれない。

事実として、言ってしまった言葉だけが残るのだが。



もちろん、聞いた人は、何を言ってるんだコイツ、といった表情でこっちを見ている。

恋人がいたことすら知らない。

そして、その恋人の「余命」ときた。

わけがわからないまま、ただ何か重い事態がおきたということは察してくれた。



話してしまい、しまった、と思う自分。

しまった、とすら思うことの出来ないほど余裕のない自分。

とかく混乱している。




混乱し・・・混乱し・・・・・




私の記憶は、その日、学校で途切れた。
P R
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