月の詩 

2005年12月02日(金) 21時39分
それでも私は貴方を忘れないから
ただひとつ 唄が
お星さまに届くように 祈った あの唄が
微かにでも 貴方に聞こえますように

「僕は消えやしないさ。ただ、あの月に手を伸ばすだけだよ」
満天の星
見上げて ふたりで唄った 小さな ちいさな
拙い詩
月夜の詩
見上げると 箒星が 流れて消えた

「そうだね、それはとても長い道程だ。解っているさ。構いやしない。僕は、あの星になるんだ」
空を指さす
煌めく月 流れ星
握り締める拳 遥かな月
私の手の届かない遠くへ 消えてしまいそうで
「帰ってくるよね」
「帰ってくるさ」
星の砂を君に持ってくるからね
彼は笑った

袖に落ちる雫

ねぇ 腕を精一杯伸ばしても 何にも触れないんだよ
抱くのは冷たい風ばかりなんだ
届かないの
どこにもいないの

星の夜に
月の丘に 拙い詩ひとつ携えて登る
ひとり
「ほら、今も変わらず瞬いているよ」
貴方に語りかける
「ねぇ……何処にいるの?」
物言わぬ月
煌めく星
あぁ そこにいたんだね
やっと見つけた
ほら 唄いましょう
あの時のように
ふたりで
いつだって一緒だから
この詩を
貴方と
私と

「ほら、駄目だよ。顔を上げて。泣かないで。泣かないで。ね」
大丈夫だよ
ずっと一緒なんだから
この詩と 貴方の星と

掠れ 巡る 

2005年12月15日(木) 2時56分
一月

いつも二つだった影が一つになって 傍にあった暖かさを感じられなくなって
長く忘れていた寂しさが また胸に
それでも 忘れないから 一緒だから
呼び掛け 綴る
変わらず輝く 祈りのような 貴方の砂


二月

応える人のいないまま 過ぎ去る月日
独り唄う歌は ただ空虚で 空虚で
届かないことを思い出させる
「ごめんね もう泣かないで」
幻のように響く声が 月のような 終のような ただひとつの希望
微かに輝く 星の砂


三月

ただ虚しく響く声を 虚ろな祈りを
独りの空虚を埋める涙 綴る
貴方は今もそこにいるんだね
手を振ってくれるんだね
声は冷たく 頬を撫でる
ただ微かに煌めく 星の欠片


四月

ひたすらに あの言葉を 繰り返す
言い聞かせる 自分に 幾度も 幾度も
私は 貴方のことを忘れない
忘れないから
この空虚を繕うように 呟いて 唱えて
失うことが怖くて ただ 繰り返す
それは ふらふらと私の耳だけに
私だけに
彩り薄れる 小さな欠片


五月

唄って 唱えて 囁いて 呟いて
でも 聞こえなくて 消え去りそうで 潰えそうで
もう 呑み込まれる


六月

唄も 星も
消えた
潰えた
もう届かない
光らない


七月

聞こえない
知らない


八月



九月



十月

でも

それでも


十一月

砂の光も 涙も 涸れない
駄目だった 消えない 忘れない
だから


十二月

聞こえなくても 響かなくても
私はずっと唄い続けるから
二人の影を抱いた 月の詩を
涸れない涙を湛える 星の唄を

届かないなら
届くまで いつまでも ずっと
ただ 貴方に

籠の中の鳥 

2006年01月16日(月) 1時51分
ならば此も虚言の海の一節なのですね。
彼女は問う。
ええ、此処に於ける全てのものは、私の妄言に因るのですから。
彼は答える。
あぁ。
ならば。
今夜からあの蒼い夢に苛まれる事も無くなるでしょう。
例えそれが、それこそが、虚言の一部なのだとしても。




空を夢見ていた。
此処にある唯一の窓から、唯一見えるもの。
それは空のように青く。
空のように遠い。
届かないと知りながら、手を伸ばす。
それは、遙かな世界だった。

翼を望んだ。
そこに、辿り着けるように。

月に、
願った。

幾度語り掛けたのか。
いつしか、そこにいた。
果てしなく青い、青い、その場所に。
望んだ世界に。
それはまるで、夢のようで。
虚言のようで。
心が、躍った。

広く青いその世界を、ひたすらに翔けた。
どこまでも。
ここが、自分の場所なのだと。
羽ばたく翼に、涙がこぼれた。


それは、自由だったのか。
解放だったのか。
疲れ果て、振り向いた時。
そこにはただ青が広がっているだけだった。
辿るべき足跡など存在しない。
羽を休めることも叶わない。
永遠のような、
空。
果たして此処は、こんなにも寒いところだっただろうか。

この身を凍えさせた、
その名は、
きっと、
絶望と言っただろう。

帰る所も行く宛も、翼を休める所も等しく存在しない。
ただ、青があるだけだった。

涙の雫は、果てなく落ちてゆく。
望んだものは一体何だったのか。
行きたかったところは一体何処だったのか。
あの月を想いながら、ひとり、目を閉じた。


忘想録 

2006年02月07日(火) 6時11分
硝子玉が おっこちて割れた
誰も来ない部屋で独り なにかを ずっと待ってるような幻視
あぁ 何なんだろうね此は 酷く体の無い 無益な言葉で
綴って綴って綴って泣いて
そうだ
これこそが 真の意味での虚言なのかもしれない
足元がじわじわと崩れていく感覚
気付けば やっぱり独りで 全ては虚構
どうしようもなく
寒く
眠い
硝子玉が
硝子玉が
硝子玉が
割れ

まぁその通りだと思うよ
意味なんて無い
無いんだ
これはただの自己満足
後で読み返してうんざりする為だけにある詩だ

詩ですらないか
そうだね ただの言葉の塊だろう
意味も無ければ
意志も
無いのだろう



夜と朝の境
日溜まり


嫌気

いつまでも此処にいるよ
ずっと
ずっと
二人で唄った
あの に

空虚

この行為に 如何程の 意味があるというのか

意味がいるというのか


うん 辛い 苦しいよ
独りの寒さはもう厭だから
誰か
誰か


砕け散った



そろそろ眠ることにするよ
これが今の精一杯の言葉だから
次の君に届くように

翼を

祈ろう

破片を集めて


唄に

白い詩 

2006年02月25日(土) 5時39分
見上げれば 一面に唄う雪
降り積もる 覆い隠す 花の歌
微か 揺れる湖面に その手を握って 笑む
終の一時 震える寒空に響く
ずっといっしょにいるよ てをつないで いつまでも
舞い散る
溶ける
波紋
綴る月の詩のように 寒い この場所で

あの日重ねた手の温もりから 全てが間違っていた事に気付いた
今はもう 遙か遠く
崩れない 悔やんで 揺れる雪
白い 白い 終わりの証
もう帰れないんだね
久遠に感じた 一雫
ねぇ どうして 一緒にいられないの
何も 聞こえないよ
静けさに消える 涙の声が
余りにも冷たくて
ここにいるのに とても寒い
寒いよ
どうしようもなくて 堪えることもしないで
最後に 強く 温かく 手を繋いだ


音も無く降り続く花
受け止めて 涙する鏡
ここが 扉だから
二人の為の


何故なの
ただ 一緒になりたかったのに
そこに居たかっただけなのに
辛い
とても 白い 白いの


雪の鏡に足を浸す
ほら 震えることなんてないよ
これからずっと 一緒に居られるんだ
だから 手を繋ごう
雪に溶けても 見失わないように
永遠に


鏡面に二つの輪
雪空に奏でる唄
もう響くことのない唄
P R
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