ワガママ王子・3 

November 16 [Tue], 2010, 2:09
そんなこんなで、俺の鍋奉行?初体験は散々な結果に終わったのであった。
ま、元々分かりきった結果といえばそうなんだけど。
思い返してみれば、我が家で鍋といえば湯豆腐だけだし。
それ以外って、外食でも殆ど食べたこと無いんだよね。
だから、見たこと自体あまりなかったってことを、後々思い出したけど・・・もちろん後の祭り。
とりあえず、もしもこの先鍋を食べる機会があっても、俺は絶対に具材投入とかの役目は引き受けないと思う。
やっぱ美味しいものを食べたいんだよ、うん。
あ。肝心のカキ鍋の味なんだけど・・・
猫舌な俺は、最初の一口で舌を火傷しちゃって、あんまり味が分からなかったんだよね。
聡一と律也は2人して『カキが硬い』とか文句言いつつ、あっという間に完食してました。
多分、不味くは無かったんだと思う。
「てか、徹。いくらなんでも、料理の基本ぐらい覚えておけよ。さっきのサラダの取り分けも下手すぎ」
「えー・・・ほら、俺がやらなくても、誰かやるじゃん?な、律也」
「俺かよ!」
「そうやって律也が甘やかすからダメなんだろ。てか、お前、家で手伝いしねぇの?」
「ん?料理作ったりってこと??」
「おう」
「んー・・・お菓子作りはたまにするけど、ご飯は作らないかな・・・」
小学生の頃に、テレビ見ながらサーモンのムニエル?みたいなのを作ったのが最後じゃないんだろうか。
あ。さすがにご飯は炊けるけどね。
「そういえば、前に泊まりに行った時、徹がおばさんに作り方聞きながら卵焼き作っくれたよな」
「あ、そうだよな。あの時、卵焼き用のフライパンを一緒に買いに行ったんだよな!」
「じゃ、それ使えよ!」
「あれだってさ、律也が来るっていうから中華鍋で何回か練習したんだぞ?」
「おばさんが感動してたもんなぁ・・・あ、俺、その卵焼きデジカメで撮ったんだった」
「あれって、確かちょっと焦げちゃったんだよなぁ」
「まぁ、そこそこ美味しかったからいいんじゃないか?」
「もうちょっとトロトロ感があるようにしたかったんだけどさぁ・・・」
「て、待て!中華鍋で練習?普通フライパンだろ?」
聡一が素朴な疑問で、俺と律也の話を遮る。
確かに疑問だよな、普通。
「あ。うちね、無いんだよね、フライパン。だから、ホットケーキとかでも中華鍋で作られてたから」


「は?」


聡一の目が点になる。
そーだろうとも、そーだろうとも。
「え、ちょっと待て。え、野菜炒めとかは?」
「中華鍋かな」
「え、ステーキとか焼くときは?」
「え、中華鍋だよ」
「目玉焼き作るのは?!」
「もちろん中華鍋だって。ちなみに、お好み焼きも中華鍋で焼くからね、うちは」
「信じらんねぇぇぇ」
「だよな。俺も最初聞いたとき、信じられなかったけどさ」
俺が卵焼き用フライパンを買うと言ったときに、律也は我が家の台所のお道具事情を知ったわけなんですが。
聡一と同じように、完全に目が点になってましたよ。
「え、なんで?なんで、フライパンないの?」
そうなるよねぇ。
俺も昔、気になって母上様にきいたことがあるけれども。
答えは・・・
「焼けるし、別に困ってないから」
だ、そうだ。
「いやいやいや・・・やりにくいだろ?」
「さぁ?母さんは慣れてるみたいで、困ってないみたいだな。昔から、卵焼きも中華鍋で作ってくれてたし」
「ある意味、器用・・・」
「恐るべし、徹母」
「なんだよソレ」
感心する2人を、俺は笑った。
料理は決して下手ではない母さんだが、器用かといわれると…それはどうだろう。
どちらかというと、あの人はマイペースな天然さんだ。
「ていうか、徹。その卵焼き用のフライパンあるなら、明日から作れ!そして、料理をしろ。一ヵ月後までに、肉じゃが作れるようになれ!」
「ちょっと待て待てぇい!何でそうなるわけ?!」
また聡一が突拍子も無いことを言い出した。
「お前なぁ、せめて簡単な料理くらい作れないと困るだろ?」
「いや、困らないだろ?」
「嫁にいけねーぞ?」
「いかねーよ!!」
男の俺が嫁にいくことは、一生無いだろう。
いや、あっても困るわけなんだけど。
「まぁ、料理が出来て困ることはないんじゃないか?」
そういう律也は目下一人暮らし中。
しかも自炊派だ。
そして、凝り性の性格のおかげで、料理もそこそこ美味い。
「確かに困らないけど、うん。まぁ、多分、料理は嫌いじゃないと思うんだよな、お菓子作りはたまにするし」
「じゃ、問題ないじゃん。それじゃ、一ヵ月後には肉じゃが作れるようになるってことで」
「あー・・・まぁ、努力はするけど。聡一、何で肉じゃがなわけ?」
「俺が食いたいから」
笑顔で即答した聡一。
うん、そうだろうね。
知ってたよ、そういうワガママなヤツだって。
そして、絶対に忘れてるんだろ、一ヵ月後にはさ!
結構な割合で覚えてないんだよね。
特に、酒が入ってるときは、記憶力ガタ落ちだからなぁ。
だけどもしも覚えてたら、出来なかったとき面倒だからやるけどさ。
とりあえず、帰ったら母上にレシピ聞かないとだ。
頑張れ、俺!!
負けるな、俺!!

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