こしょう卸について説明&紹介

December 17 [Mon], 2012, 2:13
ただ、その両者の才能を一人で兼ね備えている人物が、古今東西を通じて、そうたくさんは出ていないのをみても、これはなかなかおいそれと誰にでもできることではありますまい。まあゆっくりあなたの将来に期待することにします。
 ところで、そういうあなたが、俳優及び戯曲作家としての修業の第一歩で、既に「絶望にちかい障碍」にぶつかったと言われる、その障碍とは、現代の日本語であったというお話を聴いて、僕も実は、愕然としました。
 現代日本語の混乱とか、不合理性とか、言葉としての機能の貧しさ、とかいうことは、しばしばいろいろの方面から指摘されていますが、なるほど、今日まで、演劇に於けるセリフとしての現代日本語の問題は、専門家の間でも取り立てて論議されたことはないようです。
 なるほど、あなたの言われるとおり、日常の対話語がまったく生彩を失い、誰もそのことに気づかぬような時代に、演劇のセリフばかりが美しく、力強いものになる筈はないでしょう。序に、現代の詩の問題も話題にのぼりました。あなたは、それについても、現代の詩人の不幸は、母国語の生命の稀薄さに在りと断言された。僕もその点は同感ですが、また一方、言葉に新しい生命を吹きこむことこそ、詩人の畢生の仕事なのですから、まだまだ、それだけのことで希望をすててはいません。従って、当面の演劇のセリフについても、対話という形式に盛りこまれる現代日本語の性格の弱点を吟味したうえで、作家も俳優も、これに応じた才能ぎりぎりの工夫と努力とをしてみたらどうか、と考えます。

 僕はずいぶん前に、「フランス語の歴史」という書物のなかで、十六世紀のフランス語と十七世紀になってからのフランス語とを、ただ国策としての「言葉の純化」という立場からだけでなく、時代精神の推移に伴う著しい心理表現の変化として、幾多の例が挙げられているのを見ました。
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