■大阪秋の陣
一昨日、投開票された大阪ダブル選挙(通称「大阪秋の陣」)が行われた。結果は、大阪市長選には橋下徹前知事が当選、大阪府知事選には維新の会幹事長の松井一郎前府議が当選した。大阪市長選の投票率は60・92%で、07年の前回市長選(43・61%)より17・31ポイント上昇した。大阪市の将来像を巡って現職市長と前知事の一騎打ちとなり、関心が高まったためだろう。
結果については、はっきり言って候補者が出揃った時点で分かっていた。むしろ注目はどのタイミングで当確が出るかだった。
開票の20時、私は丁度ニコニコ動画の大阪特番に生出演していたのだが、開票直後に当確が出るほどの圧勝の結果となった。
橋下氏と平松氏のマニフェストを読み比べたが、やはり根本は大阪都構想だよ。これはつまり府と市の二重行政から来るあらゆるムダ、非効率を排し、効率重視で強くて稼げる大阪を作ろうというもので、そのために市をつぶすというもの。例えて言うならば、大阪という重病の患者に対して、橋下氏は「手術しか治る方法がない」と言っているのに対して、平松氏は「対処療法-食事療法で治しましょう」と言っているようなもの。大阪は言わば末期の状態(経済の沈下等)で変化を求めているので、どうしても橋下氏が有利になる。その辺りは橋下氏は表現がうまいな。これに対して平松氏はその辺りが悪く言えば地味だった。もっともこの都構想は上山信一氏の持論で橋下氏がこれに乗っかっているんだ。
ところで実を言うとご存知のように、私にも出馬の打診があった。「関係者の理解と協力体制ができるなら出馬を検討する」と回答したのみなのだが、勝手に「出馬宣言」と報道されるやら、後になると勝手に「出馬断念」やら報道された。つまり自民党大阪府連の対立構造から倉田でいこうという連中と、倉田では到底勝てないから思い切って丸山でゆこうとする連中の内ゲバがあったんだ。そうしているうちに丸山でゆこうとした連中(主に国会議員)も、「丸山を出せば勝てるが、ここで勝ってしまうと、次の衆議院総選挙で大阪維新の会を敵に回してしまう可能性が高いからむしろ倉田で行って負けた方が自分にとって無難だ」という連中も現れるようになり、これらの動向が自分にも分かってきたもんで、これでは一肌脱いでやってやるだけの値打ちもないと思ってバカバカしくなってやめてしまった。
今回の選挙では橋下氏に既存政党が一丸となって立ちはだかったと言われているが、どの党も本気で動いてない、とりわけ自民党は平松氏が民主党だった経歴から、実際は全く動いていない。野中氏と柳本氏が(やや個人的義侠心から)独立して動いたくらいだろう。民主党にしても形だけの支援で本腰をいれてはいない。とくに大阪選出の国会議員は今の政権中枢にいながら気が入ってなかった。形だけの応援だよ、あれは。共産党にいたっては対立候補を出さなかっただけだ。
肝心の「手術」にあたる「都構想」だが、 「稼げる大阪を作る」ための手段で、こうすれば儲かる、ということを重視した政策だ。弱肉強食の世界の中で大阪が闘っていくためのもの。住民が幸せになれるかどうかは二の次で、都構想目的自体ではなく、それは区長の責任としている。これは大阪都構想立案者で橋下氏のブレーン上山信一氏もそう明言している。
正直言って、都構想に関しては、大阪市と大阪府が緊張感を持って喧々諤々の議論をしつつ進めていくべきだと思う。その意味だと、大阪府知事は松井氏のような傀儡ではなくて私のような橋下氏と堂々と渡り合える人間が緊張感を持ってやった方がよかったかもしれない。出馬しなかったわけだからそれ以上言っても話にはならないからこれで止めておくがね。
ところで、具体的に「大阪都」を実現するには法改正が必要になるのだが、橋下氏は大阪都構想の実現に向けた取り組みについて、「国に法改正を働きかけても動きそうもない場合には、年内にも国政選挙の候補者擁立の準備に入っていく。近畿一円で国政選挙での候補者擁立を考えている」と述べ、政府や主要政党の協力が得られない場合には、次の衆議院選挙で大阪維新の会の候補者の擁立を目指す考えを示した。
民主党は既に、世論を意識して、付和雷同的にこの考えに賛同する意向を示したようだ。
はっきり言って信念も何もあったもんじゃない。
未だ総理への野望を持っている石原都知事もあわよくばという一縷の夢を抱いて若い橋下氏を取り込もうとしているようだ。橋下は橋下で中央政界への足掛かりにこれを利用しようとしていると見える。まあこうして政界再編になるならそれも悪くない動きのひとつだ。しかし、再編したら全てよくなるというもんでもなくて、再編された政党が再び体たらくに終わる危機すらある。これは日本の政治自体の、或いはそんな政治を選択させている国民自身の責任だ。今回の大阪だって大胆な選択だが、本当の良い選択をするだけの力量が府民にあったとは思えない。つまり「何か大胆に変えて下さい」という選択をしただけで、その程度の民意だ。都構想にしろ、新自由主義的競争原理主義にしろ、世界の中の大阪の位置付けにしろ、どれだけ分かって投票したかとなると、ほとんど考えてないで投票しているに決まっている。
橋下は大阪都をやり次は国政に出ると思うよ。まあそのあたりから真価と真偽がもっと分かってくるだろう。いずれにせよ俺はおもしろく観察しながら彼と付き合ってゆくつもりだ。
■「大阪秋の陣」後の民主・自民・公明を批判する。
それにしても、既成政党があきあきされるのも感情的によくわかる。
A候補を掲げて負けると「はいさよなら」とばかり対立B候補(当選側)にすり寄る姿勢そのものに信のなさを見抜かれ、更に不信を強めていることすらわからないのだろうか。
それでも「恥」知らずというか、「いや民意が選挙で明らかになったから、今度はそれに従うのが当然だ」との屁理屈で変節するに到っては、プライドも何もあったものではない。日本の国全体を覆う暗雲はこの無秩序な漂流にこそあるのではないだろうか。
このような態度は、日本文化の柱のひとつであるいわゆる「武士道」に照らしても誠になげかわしい限りである。
一昨日、投開票された大阪ダブル選挙(通称「大阪秋の陣」)が行われた。結果は、大阪市長選には橋下徹前知事が当選、大阪府知事選には維新の会幹事長の松井一郎前府議が当選した。大阪市長選の投票率は60・92%で、07年の前回市長選(43・61%)より17・31ポイント上昇した。大阪市の将来像を巡って現職市長と前知事の一騎打ちとなり、関心が高まったためだろう。
結果については、はっきり言って候補者が出揃った時点で分かっていた。むしろ注目はどのタイミングで当確が出るかだった。
開票の20時、私は丁度ニコニコ動画の大阪特番に生出演していたのだが、開票直後に当確が出るほどの圧勝の結果となった。
橋下氏と平松氏のマニフェストを読み比べたが、やはり根本は大阪都構想だよ。これはつまり府と市の二重行政から来るあらゆるムダ、非効率を排し、効率重視で強くて稼げる大阪を作ろうというもので、そのために市をつぶすというもの。例えて言うならば、大阪という重病の患者に対して、橋下氏は「手術しか治る方法がない」と言っているのに対して、平松氏は「対処療法-食事療法で治しましょう」と言っているようなもの。大阪は言わば末期の状態(経済の沈下等)で変化を求めているので、どうしても橋下氏が有利になる。その辺りは橋下氏は表現がうまいな。これに対して平松氏はその辺りが悪く言えば地味だった。もっともこの都構想は上山信一氏の持論で橋下氏がこれに乗っかっているんだ。
ところで実を言うとご存知のように、私にも出馬の打診があった。「関係者の理解と協力体制ができるなら出馬を検討する」と回答したのみなのだが、勝手に「出馬宣言」と報道されるやら、後になると勝手に「出馬断念」やら報道された。つまり自民党大阪府連の対立構造から倉田でいこうという連中と、倉田では到底勝てないから思い切って丸山でゆこうとする連中の内ゲバがあったんだ。そうしているうちに丸山でゆこうとした連中(主に国会議員)も、「丸山を出せば勝てるが、ここで勝ってしまうと、次の衆議院総選挙で大阪維新の会を敵に回してしまう可能性が高いからむしろ倉田で行って負けた方が自分にとって無難だ」という連中も現れるようになり、これらの動向が自分にも分かってきたもんで、これでは一肌脱いでやってやるだけの値打ちもないと思ってバカバカしくなってやめてしまった。
今回の選挙では橋下氏に既存政党が一丸となって立ちはだかったと言われているが、どの党も本気で動いてない、とりわけ自民党は平松氏が民主党だった経歴から、実際は全く動いていない。野中氏と柳本氏が(やや個人的義侠心から)独立して動いたくらいだろう。民主党にしても形だけの支援で本腰をいれてはいない。とくに大阪選出の国会議員は今の政権中枢にいながら気が入ってなかった。形だけの応援だよ、あれは。共産党にいたっては対立候補を出さなかっただけだ。
肝心の「手術」にあたる「都構想」だが、 「稼げる大阪を作る」ための手段で、こうすれば儲かる、ということを重視した政策だ。弱肉強食の世界の中で大阪が闘っていくためのもの。住民が幸せになれるかどうかは二の次で、都構想目的自体ではなく、それは区長の責任としている。これは大阪都構想立案者で橋下氏のブレーン上山信一氏もそう明言している。
正直言って、都構想に関しては、大阪市と大阪府が緊張感を持って喧々諤々の議論をしつつ進めていくべきだと思う。その意味だと、大阪府知事は松井氏のような傀儡ではなくて私のような橋下氏と堂々と渡り合える人間が緊張感を持ってやった方がよかったかもしれない。出馬しなかったわけだからそれ以上言っても話にはならないからこれで止めておくがね。
ところで、具体的に「大阪都」を実現するには法改正が必要になるのだが、橋下氏は大阪都構想の実現に向けた取り組みについて、「国に法改正を働きかけても動きそうもない場合には、年内にも国政選挙の候補者擁立の準備に入っていく。近畿一円で国政選挙での候補者擁立を考えている」と述べ、政府や主要政党の協力が得られない場合には、次の衆議院選挙で大阪維新の会の候補者の擁立を目指す考えを示した。
民主党は既に、世論を意識して、付和雷同的にこの考えに賛同する意向を示したようだ。
はっきり言って信念も何もあったもんじゃない。
未だ総理への野望を持っている石原都知事もあわよくばという一縷の夢を抱いて若い橋下氏を取り込もうとしているようだ。橋下は橋下で中央政界への足掛かりにこれを利用しようとしていると見える。まあこうして政界再編になるならそれも悪くない動きのひとつだ。しかし、再編したら全てよくなるというもんでもなくて、再編された政党が再び体たらくに終わる危機すらある。これは日本の政治自体の、或いはそんな政治を選択させている国民自身の責任だ。今回の大阪だって大胆な選択だが、本当の良い選択をするだけの力量が府民にあったとは思えない。つまり「何か大胆に変えて下さい」という選択をしただけで、その程度の民意だ。都構想にしろ、新自由主義的競争原理主義にしろ、世界の中の大阪の位置付けにしろ、どれだけ分かって投票したかとなると、ほとんど考えてないで投票しているに決まっている。
橋下は大阪都をやり次は国政に出ると思うよ。まあそのあたりから真価と真偽がもっと分かってくるだろう。いずれにせよ俺はおもしろく観察しながら彼と付き合ってゆくつもりだ。
■「大阪秋の陣」後の民主・自民・公明を批判する。
それにしても、既成政党があきあきされるのも感情的によくわかる。
A候補を掲げて負けると「はいさよなら」とばかり対立B候補(当選側)にすり寄る姿勢そのものに信のなさを見抜かれ、更に不信を強めていることすらわからないのだろうか。
それでも「恥」知らずというか、「いや民意が選挙で明らかになったから、今度はそれに従うのが当然だ」との屁理屈で変節するに到っては、プライドも何もあったものではない。日本の国全体を覆う暗雲はこの無秩序な漂流にこそあるのではないだろうか。
このような態度は、日本文化の柱のひとつであるいわゆる「武士道」に照らしても誠になげかわしい限りである。






