女性は子どもを産む機械?!−柳澤厚生労働大臣の辞任を求めて議長声明
漢人あきこ(東京都小金井市議会議員)
1月27日、柳澤厚生労働大臣は松江市内の自民県議の決起集会で、女性について「産む機械、装置の数は決まっているから、あとは一人頭で頑張ってもらうしかない」などと発言しました。よりにもよって厚生労働大臣です。当然のことながら辞任を求める声がわき上がりました。そして、わが小金井市議会の鈴木ひろこ議長はこれに対して「柳澤厚生労働大臣の辞任を求める議長声明」を2月1日に発表しました。
小金井市は1996年に全国で初の「男女平等都市宣言」を制定した自冶体であり、「女性は子どもを産む機械」発言はあまりにも時代認識のない女性蔑視発言で看過できない。女性は多様な生き方をしており、子どもを産むか産まないかは本人が決めること。大臣の人間的資質が問われる。柳澤大臣の辞任と安倍総理の英断を求める。という毅然とした内容です。
今回の声明は議長個人が発したものですが、小金井市議会は女性議員9人、全国トップレベルの37.5%という女性比率で、女性議長も2期4年間続いている(前期は共産党、現在は公明党の方です)という背景があります。
小金井市では、そもそも婦人会や公民館など地域での女性の活動が活発で、保育園・学童保育など女性を支える制度が早くから充実していたことなどの基盤に加えて、1981年の「市長の女性同伴出張事件」による市長不信任−議会解散、次の市長も任期途中で辞任、さらにマドンナブームという具合に特に女性が市政に注目せざるを得ないようなことが続きました。その頃、選挙の度に女性議員が増え、女性の立候補や女性のいる議会が一気に定着、その後も着実に増えて現在に至っています。
委員会などどんな会議にも複数の女性がいるのはもちろんのこと、代表者会議的な場面では女性の方が多いということもしばしば。今回も、柳澤発言直後に別件で開かれた会派幹事長会議の顔ぶれは8人中5人が女性で、開会前には柳澤発言への怒りで盛り上がりました。
小金井市議会は統一地方選挙と改選時期がずれています。2年前の改選では女性議員数は9名と同じですが、顔ぶれは市長派の自民・公明・保守系が2人→5人、非市長支持の共産・市民派は7人→4人と大きく変わりました(民主は0人のまま)。いっしょに活動してきた議員が落選するなど政治的には残念な結果でしたが、この2年、議会多数派それも保守系の中に一定数の女性議員がいることによる影響の大きさを実感しています。鈴木議長は公明党のベテランで男女平等政策には積極的に取り組んできたこともあり、今回の議長声明に関しても議会内での軋轢はほとんどなかったようです。
とにかく議会に女性がいて、その存在や発言が正当に受けとめられる環境をつくっていくことが必要です。統一選では、ぜひ、それぞれの立場から女性議員を増やしていきましょう。
最後に、さらに「子どもを2人以上持ちたいという極めて健全な状況」と失言を重ねながらいまだに居座ったままの柳澤大臣に対して、3月議会ではぜひ、議会としての辞任を求める意見書を提出したいと準備しています。
<議長声明原文>
柳澤厚生労働大臣の辞任を求める議長声明
小金井市は平成8年、全国で初めて「男女平等都市宣言」を制定した自冶体であり、今、世界の有知識者は「21世紀は女性の時代」と位置づけています。
この度の柳澤厚生労働大臣の「女性は子どもを産む機械」との発言は、あまりにも時代認識のない女性蔑視発言であり、看過できません。
21世紀の女性は多様な生き方をしており、子どもを産むか産まないかは本人が決めることであり、国の政策で決まるものでもなく、ましては第三者が口を挟めるものではありません。時代の価値観の変化を認識することも出来ずに発言する大臣の人間的資質が問われます。
日本の最重要課題でもある少子化問題の解決は、こうした誤認識を改めることが最も重要な基本であり、意識変革なくしては問題の解決方法はありません。長い間の男尊女卑の時代は終わりました。そして男女平等社会の実現に向けて前進している時です。
担当大臣である柳澤厚生労働大臣の発言は、時代を逆戻りさせるものであり、立場的にも大変に重大な責任を伴う発言であります。柳澤厚生労働大臣の自らの潔い辞任を求めるとともに、戦後生まれの始めての総理である安倍総理大臣の英断を求めます。
平成19年2月1日
小金井市議会議長 鈴 木 洋 子
内閣総理大臣 安 倍 晋 三 様
厚生労働大臣 柳 澤 伯 夫 様