10月8日 天声人語

October 08 [Tue], 2013, 9:32



幸せな人を増やすためではなく、不幸な人を減らしたい…
平和のための機関は、そんな理念で動いてるんだよ。
と、日本赤十字に勤める友人が言っていたのを思い出しました。


【本日の天声人語】

ノーベル賞の時期になると脚光を浴びる「平和」の言葉。
戦争が無ければ、その概念は存在しないのかしら。
戦争が無くなれば、「平和賞」なんて、無くなるのかしら。

 「5千人以上が死亡というから、もはや大量殺戮(さつりく)だ」と小欄に書いたのは1年8カ月前だった。
アラブの春と呼ばれた民衆運動が弾圧され、泥沼になりかけていたシリアを憂えてのことだ。
いまや内戦と化し、死者は11万人を超す▼読むのもつらい記事が本紙特派員から届く。
200人の遺体が見つかった村々がある。体制派と反体制派に分かれて銃を向け合う家族がある。
殺し合いは次の殺し合いに理由を与え、何が正義で何が悪かの色分けは、もはや不可能に思われる▼
こうなった背景には、国連の機能不全も大きい。ここまで糸がもつれぬうちに打つ手はあった。
なのに時を逸した。ひとたび口をあけた沼は、のみ込む者を選ばない▼
国連の名事務総長だったハマーショルドを思い出す。52年前にノーベル平和賞を受けた信念の人は、
国連の仕事を、暴力の洪水をくい止めるためのダム建設に例えたそうだ。
国連を「人類を天国に連れて行くためではなく、地獄に落ちるのを防ぐために作られた」と
語っていたのを前に書いた▼考えてみれば、平和賞は栄誉ではあるが、悲痛と抱き合わせでもある。
戦乱がはげしく、虐げられた人々が多いほど、注目されて輝きを増す。祝福の陰に涙を宿す賞である▼
大国どうしの駆け引きは、シリアの化学兵器全廃という安保理決議をもたらした。
だが民衆の悲惨な現実は何一つ変わっていない。人間がつくった地獄は人間が消すしかないのに、
地上に戦火は止(や)まず、今年も平和賞の季節である。














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