出産その7(退院したら突然)

September 27 [Mon], 2010, 9:27
おチビは結局、退院の前日まで保育器の中にいた。
入院中、たくさんの人がお見舞いに来てくれたけれど、おチビのことは新生児室のガラス越しにしか見てもらえなくて残念がられたし、私も病院の廊下を赤ちゃんを抱きながら歩いている女の人たちを見て、羨ましく思った。

私自身、出血量が多かったことで点滴がずっと抜けなかったし、貧血がひどくなってしまったこともあって体力がかなり落ちて、私の体調が良くないことも考慮されておチビは無事保育器を出た後も新生児室で過ごさなくてはいけなかった。

だからおチビが病室に来た時は、嬉しくて嬉しくて若旦那と二人、ゆりかごの中で眠っているおチビを覗き込みながら長い時間を過ごした。
ミルクを飲んでいる時以外は、ずっと眠っているし、たまに泣いても小さな声で、こんなに可愛い息子が来てくれたんだねって、ずっと話していた。

退院の日は、私は予定通りで大丈夫という診断をもらったけど、おチビは当日の朝、小児科の先生に診てもらってから決めるって言われて、おチビを家に連れて帰れるのか、心配でたまらなかった。
退院の朝、無事に退院の許可が出た時は、本当にうれしかった。
お昼頃、眠っているおチビをおくるみに入れて、大事に大事に抱えながら3人で家に帰った。

自宅について、おチビを用意していた布団に寝せて、また二人でしばらくおチビを眺めてから、若旦那が買い物に行くことになった。

「すぐ戻るからおチビのことよろしくね」

若旦那が出て行くと、家の中には私とおチビの二人っきりになってしまった。
平日の昼下がり、窓の外を見ても歩いている人は見当たらなくて、全ての窓を閉め切った家の中には、なんの音も入ってこない。

なんだかすごくさみしい気持ちになった。
そして不安な気持ち。
これから一生こうして、おチビと二人っきりで音のない部屋の中で過ごすのかな。

なんだか閉鎖された空間に閉じ込められたみたい。
息苦しくて落ち着いていられなくなって、慌てて若旦那に電話をした。

「早く帰ってきて。さみしくなっちゃった・・・」

そう言いながら涙がぼろぼろ出た。
電話口で若旦那も驚いている。
私自身も。

これからどうすればいいんだろう。
ミルクもちゃんと作れるかわからない。
おむつ替えもまだ自信がない。
お着替えだって上手にできないし、沐浴だって教わっただけでしたことがない。

さっきまでの幸せな気持ちが嘘みたいに全て不安に変わって、あっという間にどうしていいかわからなくなってしまった。
マタニティブルーとの戦いが始まった。
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末っ子。
江戸っ子。

我侭な独身女をやめて
身を固めてみたけれど
やっぱり我侭。
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