和製漢字(国字)に関するブログ。国字説のあるものの多くに誤りがあり、また多くの国字が漢和辞典に採用されていない現状があり、「和製漢字の辞典」というホームページを作ったが、かなり難しい内容でもあり、また5年以上改訂していないため、現時点での研究成果を素人の方にもわかりやすく説明したいと思い、ブログの形式をとることにした。 サーチエンジン最適化

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(12)国字に関して、最も優れた漢和辞典 / 2005年12月29日(木)
12回


いずれも一長一短であるが、『学研新漢和大字典』・『漢字源』そして『全訳漢辞海』・『新漢語林』であろうか。


『学研新漢和大字典』は、「和製漢辞の辞典」を参考にしていただいており、かつ100項目以上の改訂意見を出したが、『漢辞源』で正しかった判断を他社の漢和辞典同様の誤ったものに変えているなどの欠点がある。


『漢辞源』は、平均的にレベルが高く、多くの誤った国字説を訂正しているが、他の漢和辞典で訂正されつつあるものについても、誤った定説に固執しているものも少なくない。


『全訳漢辞海』は、中国の大型字典を参照して、従来の誤りを是正している点が少なくないが、徹底しておらず、かつ指摘しておいた初版の誤りを二版で見直していない。


『新漢語林』は、全体的に国字判断のレベルが低かった大修館の漢和辞典の最も改善されたバージョンであり、『漢辞源』などレベルの高いものですら誤っている判断を是正しているものが少なくない。


以上のいくつかを組み合わせて判断していただきたいが、国字でないとしているのが、常に正しいわけではない。中国での典拠を示せないにもかかわらず、国字でないとする誤りもある。


判断が難しいものについては、私の『日本語を読むための漢字辞典』などの掲示板で質問していただきたい。


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Posted at 10:16 / 辞典 / この記事のURL
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(11)字を作った中国人の名までわかっているのに、国字とされる字 / 2005年12月17日(土)
11回


今まで、他のブログでも取り上げてきたが、やはりこの字の話題を、このブログで落とすわけにいかないので、取り上げる。


知っている方も多いかもしれないが、「国構えに書」の字は、1925年に、中国人杜定友が、日本に図書館制度の調査に来たときに、当時の中国の表記に比べ、この字のほうが40画少なくなり便利であるとして作ったものである。


しかしながら、日本で作ったことからか、日本で雑誌名に使われるなどして、中国より日本でより使われたということもあり、当時は中国人の中にも日本人が作った字と思う人が大半であるという状態であった。


このため、杜定友自身が『図書館研究』(図書館の部分は、国構えに書)にこの字を作った経緯を書いて、誤解を解いている。それにもかかわらず、漢和辞典の中に、いまだに国字とするものがあるのは、残念である。


なお、この字から国構えの最終画をとった字も杜定友がこのときに作った「図書」の意の字である。


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Posted at 18:06 / 部首3画 / この記事のURL
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(10)寿命の短い国字もある / 2005年12月11日(日)
10回


作られたが、ほとんど使われることがなく、忘れられている国字も少なくないと思う。


その中で、近代になって作られたが、現代の漢和辞典に一種も載っていない字を取り上げる。


それは、「朱に式」という字である。


なんと読む字か、意味は何か、想像がつきにくいかもしれないが、答えを聞けば、なあんだと思うレベルの字である。


実は、この字「株式」の意の字である。


わかってみればどうということのない字であり、4画少なくなるメリットもあるが、字面からは、何を表す字かわかりにくい。


それで、現代では使われず、証券業界の人にも読めない字となっているのである。


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もうすぐの季節ですね。というか、北のほうでは、もう降っていますね。    

 
   
Posted at 03:37 / 部首4画 / この記事のURL
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(9)漢字より画数の多い国字作っても意味が無い / 2005年11月29日(火)
 9回目


「天橋立」という国字、他のブログに書きましたので、見られている方、一部ダブってしまいます。


「之繞に十」で「辻」ですが、この字も「之繞」までは同じです。


その上に3段に分けて書きます。


日日日

日日日

日日巾


実に「之繞+35画」で、3画の「之繞」でも、38画にもなります。


「天橋立」で25画ですから、13画も余分に必要な国字を作っても、何の役にも立ちません。


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もうすぐの季節ですね。

 
   
Posted at 14:35 / 部首7画 / この記事のURL
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(8)「鯰」国字説の誤りを是正した漢和辞典 / 2005年11月26日(土)


「鯰」は、『倭名抄』が、漢籍『食経』を引いているにもかかわらず、多くの漢和辞典がいまだに国字としています。


このたび、5月に発売された『学研新漢和大字典』は、この点が是正されて、国字である旨の表記がなくなっています。


今、作成中の書籍版、『和製漢字の辞典』原稿の一部を提供した結果、そのように是正されたというわけです。


ちなみに、JIS漢字にある「なまず」の意の漢字は「鮎・鯰」など、国字は「魚偏に片」の字のみです。

 

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Posted at 10:36 / 部首11画(魚部) / この記事のURL
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(7)鰯と鰮の違い / 2005年11月23日(水)
7回目


 「鰯」は、弱い魚という意味で、日本人が作った国字だけど、「鰮」は漢字だと言うんだろう。


 それでは、70点ぐらいだな。


 「鰮」も「いわし」と読むけれど国訓だろ。


 これで、80点というところ。


 「鰮」は、中国では、2・3寸の小魚ということは、辞典に載っているけれど、どんな魚かわからなかったから、日本で使っている「いわし」の意味を移入して使ったというんだろ。


 90点、もう一息。


 もうギブアップ。


 イワシ鯨は、日本では「鰯鯨・鰮鯨」のどちらでもいいけれど、中国では「鰮鯨」と書く。


 今日は、人名地名研究家の丹羽基二先生風に書いてみました。


 

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Posted at 11:16 / 部首11画(魚部) / この記事のURL
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(6)国字か否か判断が難しい「塀」の字 / 2005年11月19日(土)
 今まで、「塀」の字は、国字とされることが多く、国字でないとする漢和辞典の出版社には、是正を求めてきましたが、微妙な問題がないでもないのです。


 というのは、『日本語を読むための漢字辞典』の「和製漢字の小辞典」であげている典拠は、中国のものも日本のものも「塀」であって、この字の旧字体のものはないのです。


 よって、典拠主義をとるとすれば、「塀」は国字でないといえても、その旧字体は国字でないといいきれないのです。


 もっとも、より調査を進めて、はっきりさせない限り、「塀」の旧字体についても、国字であると、声高に言い難いという部分が大きいというのも、当然のことであります。


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Posted at 13:10 / 部首3画 / この記事のURL
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(5)国字でないかもしれない「働」の字 / 2005年11月15日(火)
 この字が、日本でできたのではないといっているのではありません。


 中華民国時代に日本から移入されて、中国でも使われました。


 現代の中国の辞典にも載っていることが多く、「動」の異体字としての取り扱いとなっています。


 中国で、「動」の異体字とされても、日本では違うのだから、国字で問題ないといわれる方もあるかもしれません。


 ただ、古くは「自働車」・「自働ドア」などと表記されたことがあり、現在でも「自働」という言葉が使われることもあります。


 これからすると、「動」の異体字のようにも見えます。


 これ以上の議論は、素人向きを考えている当ブログの対象外になりますので、このあたりでおくことにします。


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Posted at 12:45 / 部首1画・2画 / この記事のURL
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(4)畑と畠 / 2005年11月13日(日)
 本当は、国字に関する定義からやったほうがいいのかもしれないが、堅苦しいので、皆さんご存知の「畑」の字と関連で「畠」の字を取り上げることにした。


 国字に関しては、中国などにない字を日本で作ったというレベルの知識でかまわない。


 「畑」は、常用漢字にあり、小学4年生で習うので、皆さんよくご存知ですね。「畠」については、去年の人名用漢字の改定で、新しく人名用漢字になったので、だんだん親しみがもてるようになると思います。


 実は、「畠」の方が古い字で、「はたけ」と読み、水がない乾いた「田」の意で、今、普通に言う「はたけ」のことでした。


 「畑」は、焼畑のことを「火田」といったのを、「火」を上に「田」を下にして作られました。この国字を「火」を左に「田」を右に置いたのが、今の「畑」という字なのです。この字は、「はた」と読み、焼畑のことを表しました。


 その後、二つの字が混同して使われるようになり、「畑」が優勢になり、現在にいたりました。


 なお、「畠」は、日本の古い辞書(9世紀末)が、中国の文献を引く中にありますので、国字でない可能性が高いのですが、この中国の文献が、現在に残っていないので、確定的なことは、いえません。


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Posted at 18:47 / 部首5画 / この記事のURL
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(3)笹原宏之 / 2005年07月14日(木)
3人目

 国字研究の第一人者。「JIS X 0208-1997」などJIS規格の委員。

 JIS漢字の内、5文字が不明な旨、通産省に問い合わせたところ、26文字が不明であるので、逆に教えて欲しいとの回答、担当の手持ちとしてメモを渡したところ、担当が勘違いして、JISの委員に配布し、内容紹介の電話が同氏からあったのが知り合った端緒。

 JIS漢字・異体字・現代表記などにも多くの論著があり、私の国字に関する質問に間発あけずに答えられる唯一の研究者。

 国立国語研究所主任研究員などを経て、現在早稲田大学助教授。中学時代に『大漢和辞典』を小遣いで購入。大学入学時には、並みの研究者クラスの漢字の知識があり、その後JIS漢字に含まれる小地名を追って日本各地を訪れるなど、若くして伝説的なすごさを見せる国語研究者。

 インターネット上の百科事典Wikipediaにも項目があるので、参照していただきたい。
 
   
Posted at 12:34 / お世話になっている方々 / この記事のURL
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