
14回
ホームページ「和製漢字の辞典」には、次のように書いてある。これは、地名例以外は、省略していない全文である。
ホームページは、5年以上更新しておらず、その間に国字の定義も精密化した。当然、国字か否かの判断が変わっているものも幾つかある。
「杁」についても再検討してみた。その結果は、ホームページ版の解説の次に入れてあるので、ホームページ版を読んでから、見ていただきたい。
『新撰字鏡天治本』(農業調度)に「江夫利」、『名義抄(観智院本)』に「[村−寸+旦]正(中略)杁俗」、『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』に「エフリ ハツ」、『玉篇要略集』に「ヱフリ シウ」、『弘治二年本倭玉篇』に「ハツ エフリ [村−寸+(豚−月)]同」、『増刊下学集』・『永禄二年本節用集』・『易林本小山板節用集』などに「エブリ」、『堯空本節用集』に「エブリ [村−寸+八]歟」、『天正十七年本節用集』に「杁入(こみいる)」とある。[村−寸+八]の異体字として発生した文字が「圦」・「込」の影響を受け、訓義・用法を広げていったものか。国字とするのは疑問がある。
「杁」が「木偏に八」の異体字としてできたことには、異論がないだろう。形音義のうち、形が違うだけで、音義が同じなのであるから、そう判断できる。
その後、「圦」・「込」等の影響を受けて、訓義を広げていったのである。
異体字は、音義が同じであることが、条件であるから、人名・地名の特殊訓は、判断の埒外とするにしても、異体字とすることができなくなっている。
よって、「杁」と同形の文字が、中国などにない限り、国字とすべきであろうと考える。
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