依然、子供大人戦争

2006年03月22日(水) 10時27分
月曜と火曜の夜に、全集版の「人間ども集まれ!」(手塚治虫/講談社/1967-8)を読んでいた。水曜の夜は、「ドラえもん のび太の小宇宙戦争」(監督,芝山努/原作,藤子F不二雄/1985)をビデオ鑑賞した。どちらも独裁政権が素材として使われ、人間の愚かさを軸としつつ、豊かなアプローチを魅せていた。手塚イズムの正当な継承者として藤子不二雄は君臨している。ドラえもんの、話に実は厳しい側面があるのはそこであろう。軟弱な浮かれ話は少ない。晩年の ゆるやかテイストでは未確認だが、おそらく最も筆が乗っている頃である、初期の大長編では、それが如実に出ている。特に第六作目の「のび太の小宇宙戦争」と七作目の「のび太と鉄人兵団」(同/1986)は、藤子F自身の、男の子気質が、当時の子供達を取り巻くホビーものをうまく取り込んで合致して大爆発。戦闘シーンと、その存在意義が大きい内容となっている。ドラえもんは武力行使を良いものだと唱えている作品では勿論ないが、戦争という言葉を使って、人間劇を描くことに徹する表現を、藤子不二雄は子供向けだからといってタブー化していたわけではないのだ。これは映画の常でもあるから、間違ったことではないという偽善的ではない確信を、藤子が持っていたことを推察する。僕は密かに両作を「バトルドラシリーズ」として呼び、ここで強く見ることのできる、眉毛を上向きにさせた攻撃的なドラえもんが格好良くて大好きなのである。いま公開中の最新ドラは、どうであるのか興味深い。
 村田 仁
 詩人
 1979年生
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