愛の花A 

2012年05月09日(水) 0時16分
俺の両親は、大分昔に離婚した




そして俺は母親について行った訳だけど

離婚の理由が、母親の男遊びだったから

“彼氏”を作るのも早かったし

家に帰って来ない事もしばしばだった



そんな母親の事を、いい意味でも悪い意味でも何とも思ってなかったし

只生きていくお金だけ渡してもらえればいいと思っていた




お世辞にも幸せな家庭とはいえない環境で育った割には

道を大幅に逸れずに小・中・高と無事に卒業し

大学でもなんとなく好きだったグラフィックを選考し

運よくデザイナーとして職にもつけた





其れなりの人生を其れなりに今まで生きてきたが、




28歳の春




めでたく大きく崩れました














ホント、自分の親と思う事が恥ずかしいくらい

母親の男遊びは激しかった



その結果、良い歳して子どもが出来たのが今から8年前

俺はその頃とっくに家は出ていたので

弟がいた事すら知らなかった




そして、今から2年前

どうしようもなかった母親が死んだ





原因は分からない

知りたいとも思わない



今更どうでもいい事だったから

葬儀も簡単に済ませてもらった





母親が死んだ後、弟‐奏‐は身寄りをなくし施設に預けられていたわけだが、

今回どういうわけか俺のところへ連絡が入った







初めは、冗談じゃないと思った


何で俺が母親の尻ぬぐいをしなければいけないのかと






しかし、奏にはもう俺しかいないと気付いた時

奏と一緒に暮らそうと決心出来た













決心した後の行動は速かった


都心から大分離れた片田舎にある施設へと奏を迎えに行った





初対面の第一印象は


兎に角小さかった



本当に8歳の子どもかと思うくらい小さくて

とても弱弱しく

今にも壊れてしまいそうだった





あぁ、この子は俺が守ってあげなければいけないんだ

そう強く思えた




「行くか。」


そっと手を差し出すと

小さい手がぎゅっと、強く

とても強く握られた



この手は放してはいけない

俺も強く、優しく

その小さな手を握り返したんだ






プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:じゃじゃまる
  • アイコン画像 性別:女性
  • アイコン画像 血液型:O型
読者になる
最新コメント