葵色の空 ―登場人物紹介― 

2005年09月25日(日) 18時59分
葵色の空 ☆登場人物紹介☆

八神俊輔 … 22歳、大阪の大学院1回生。このお話の主人公。


亀山  葵 … 18歳、東京のスーパー勤務。俊輔と出会い系サイトで出会う。


高井兼太 … 22歳、大阪の大学4回生。俊輔とは小学校以来の親友。


鈴川美里 … 19歳、京都の大学2回生。俊輔の元彼女。

葵色の空 第4章 ―返信― 

2005年09月25日(日) 18時24分
どれくらい眠っていたのだろうか…


気が付くと夜中の12時。
計算すると4時間ほど眠っていたようだ…


「風呂にでも入るか…」


と思い、腰をあげると…


携帯の着信音が鳴った。


携帯を見ると…
さっき出会い系サイトを見てメールを送った女の子からの返事だった。



「ハジメマシテ。葵と申します。メールありがとうございます!
私は今年で19になる都内の勤め人です。
いつも不規則な生活しているのでメール遅れるかもしれませんが、
よかったらこれからメールでお話しましょう♪よろしくおねがいします。」



といった感じの内容だった。



せっかく送ってきてくれたのだから、返事しなきゃマズイな…
と思い、早速返事を書いてみることにした…



「返事ありがとうございます。葵さんは18歳なんですね。若いなぁ…」


などと書き、


「メールの遅れなんて気にしないので、よかったらお話してやってください!」


と続けた。



その後、30分くらいそういったメールのやり取りが続く…


初めのメールでは「返事が遅れるかもしれない」と言っていたが、
彼女は割かしすぐに返事を返してくれる。

そういうところからすると、
どうやら彼女もメールが好きなんだな、と思えた。



メールのやり取りの中で、どんどん彼女のことが解ってくる…


「葵」というのが本名だということ。
今は東京に居るが、実家は俺と同じ大阪だと言うこと。
今年の3月まで千葉の高校へ通っていたということ。
勤め先は東京の大手のスーパーだということ。
一ヶ月前に彼氏に好きな人ができ、フラれたということ…

などなど。



このとき既に、俺は彼女を業者ではないか?と疑いもしないでいた。
サイトへの勧誘もしてこないし、話の中に怪しさがなかった。

彼女とのメール交換が楽しく思えていた…

どこか彼女に惹かれていた…




そして、メールでは物足りなく思ってしまい、ついにこんなメールを送ってしまう…



「僕、メール書くの遅いのでよかったら電話でお話しませんか?」



と。



すると彼女からすぐにメールが返ってきた…



「いいですよ!これが私の携帯の番号です。」



と携帯の番号が書かれたメールが届いた。




俺は何の躊躇いもなく、その番号へ電話をかけた…

葵色の空 第3章 ―送信― 

2005年09月24日(土) 23時33分
「暇だから誰かメールしょ♪16歳高校生だょ(≧▽≦)♪♪」


「彼女募集してます!童貞の23歳大学生です!」


「旦那とのマンネリ化したセックスに飽きました…どなたか相手してくれません?」




出会い系サイトというものに行ってみたのは、
考えてみればこれが初めてだった…


だが、ホームページなど、サイト運営をしていると、
このようなサイトがどういうものかは、大体耳に入ってくるものだ。





「世の中、色々な人がいるもんだな…」


などと感心しながら、ページを拝見する…




すると、ある書き込みが目に止まった…





「彼氏と別れて寂しいです。同じような心境の人、メール交換しませんか?」





書き込んでいる人は「葵」という名で、10代の女性らしい。
記事をよく見ると、メールアドレスも張り付いている。


この手の掲示板で、恰も同情を買うような記事を書き、
反応した人を騙して有害サイトへ勧誘する業者が居ると聞いていた。



「怪しいな…」



とは思いつつも、本当だったとしたら、
少しメールで話してみたい気もする…


散々迷った結果、もしも業者だったら、
いずれサイトへ誘導しようとしてくるはず…

そうなったら、即行でメールをやめればいいだけのことだ。
メール拒否ということも出来るし、メールを送ってみても
そんなに大したリスクはないと考えた。



携帯の画面を見ながら、メールを書く俺…




「初めまして。掲示板を見てメールさせてもらいました。」




などと、先ずは律儀な挨拶を書き、



「僕も彼女と別れたばっかで、誰かと話したいと思っていました。よかったらお話しませんか?」



と続けた。




書き終わったものの、送信するかどうかしばらく迷った…
だが決心し、送信ボタンを押す。




あとは返事を待つのみ、と思い、
携帯を気にしながらも、目を閉じて転寝をすることにした…


葵色の空 第2章 ―親友― 

2005年09月24日(土) 17時31分
「八神君、最近どうしたんだい?疲れてるのか?」




バイト先の店長が俺に言った。




彼女との別れから一週間が過ぎた。
いつもと同じように、学校へ行き、バイトへ行き、
特に何も変わらない日々を送っていた…


しかし、違うことが一つ。
いつもは一日中鳴っていた携帯が、静まり返っている…


あいつは三度の飯よりもメールが好きな奴だった。
そのあいつはもう俺の前に居ない…




「忘れよう、あいつのことは。」




そう自分に言い聞かして一週間過ごしてきたが、
やっぱり寂しさや苛立ちを隠せない俺が居る…


飲めないくせに酒を飲んだり、よからぬドラッグにも手を出し始めた…












「いつまで凹んでんだ?!お前には代わりならいくらでも居るだろ?」




俺のここ数日の態度に見かねた友達が言った。
こいつの名前は「高井 兼太」
小学校からの腐れ縁であり、いまだによく連れ添ってる親友だ。


ここはファミレス…
こいつの声は、し〜んとした空気に毒を注ぎ込んだ…




「何て嫌なことを言うやつだ…」




なんて思いつつも、こいつはこいつなりに
俺を思って言ってくれてるんだと解っていた。




飯を食って家に帰る途中、



「お前さ、よかったらこのサイトで女の子見つけろよ。」



と言い、高井がメールで、あるURLを送ってきた。



そのサイトは最近できたばかりの出会い系サイトらしく、
登録とか面倒な契約事項も必要なく、もちろん無料らしい。



「行くだけ行ってみろ。」



そう言って聞かないから、家に着いたら行ってみると約束をした…





ようやく家に着き、一息ついた。
一人の部屋に帰って来ると、妙にもの悲しくなるものだ。



いつも送られてきていたあいつからのメールが、
その寂しさを紛らわせてくれていたことに気付いた。




俺は気晴らしに、高井から教えてもらったサイトへ行ってみることにした…


葵色の空 第1章 ―別れ― 

2005年09月24日(土) 5時45分
「アタシには彼氏というものが必要なくなったんだぁ。」





彼女は突然そう言った。
なんの前触れもなく、突然に。



周りから見ればまだまだラブラブ絶頂期とも言えなくなかったはず。
しかし彼女はそう言った…



俺と彼女が出会ったのは、最近流行りのネット上。
俺の開いているホームページに、彼女が遊びに来るようになったのが切っ掛けだった。


その頃の彼女は、どこか心に深い傷を負っている…
そんな気がした。


実際、予感は的中だった。
過去に経験した恋愛で、心に傷を負っているようだった。


それを感じていた俺は、次第に彼女への想いを友達という枠から外し、
その傷を癒し、守ってあげたい存在へと膨張させていった。


きっと彼女も同じだっただろう…
いや、俺以上に恋愛感情を膨張させていたかも知れない…



やがて俺たちは会うことになった。
ネット上だけでのおままごとに終止符を打ち、
リアルな恋愛を求めて旅立ったんだ。



会っても2人の気持ちは変わることはなかった…
何の躊躇いもなく付き合った。
身体の関係も結んだ。
2人の将来のことも話していた…










そう、2人は恋人になったはずだった…











なのに…












別れの話がまとまり、そっと電源ボタンを押す。
俺は一人、部屋の中で頭の中の彼女との記憶に溺れていた…



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