声。 

December 30 [Sun], 2007, 19:06
頭に浮かぶのはたったひとつ

━━━人工中絶

凛音はケンと結婚を決めると同時に、AVの仕事から足を洗った。
学校も仕事も辞めた凛音に子供を生んで育てていく自信などなかった。

…堕ろすしかなかった。

「あら凛音、どこ行くの?」
部屋を出ると母親に声をかけられた。
「ちょっと、ね」
「ケン君の所?」
“ケン”
今一番聞きたくない名前。母親にはケンと別れた事はまだ言ってない。
「まあ…そんなところ」
「そう。気をつけて行ってきなさいよ。」

家を出て、辺りをぶらぶらしていた。もともと行く当てなんかなく、ただ1人になりたいだけだった。

歩き続けてたどり着いたのは小さな公園。
ベンチに腰かけ人っ子一人いない公園内を見回す。

ああ、そういえばここって昔、学校帰りに圭介とよく来てたな。

今頃、どうしてるのかなあ


不意に時間が気になって携帯をひらいた。待ち受けの写真の中では、 今でも
凛音とケンが幸せそうに笑っている。

こいつ、あの後どうなったんだろう

なんだか無性に腹がたったので、
“殺してやる”
と書けるだけ書いたメールをケンに送った。
こんな事して憂さが晴れるわけではないけど。


━━これからどうしよう
子供は生めない。
堕ろすなら早くしないといけない。
だけど、お母さんになんて言えばいいの?
私達の結婚をあんなに喜んでくれたのに
赤ちゃんの服や玩具、買ってくれてたのに

ごめんね、お母さん
ごめんなさい…


再び携帯をひらいた。
自分勝手だとわかっているけど、誰かに話を聞いて欲しくて。
今さら元に戻ろうなんて気は毛頭ないけど、自分一人では支えきれなくて。


「 ━━もしもし」

電話越しに聴こえる、懐かしい声

久しぶり━━━

 圭介。


晴天の霹靂 

December 30 [Sun], 2007, 14:31
妊娠二ヶ月目…。
私は、とうとう学校を辞めた。
勿論、理由は妊娠と梅子たちの嫌がらせだ。

ゴミ箱の中身をぶっかけられた事もあった。教科書をに落書きやカッタ−を仕込まれるなんて日常茶飯事。

でも、ケンが居たから頑張れたんだ。

ある日ケンの家に行くと知らない女と寝ていた。


カッとなって今まで見せた事のない形相で睨みつけ、女とセックスできないように踏みつけ、煙草をケン自慢の箇所に押し付けた。二人で撮った写真も破り棄てお揃いのマグカップも割ってやった。

そして、最後に「もう、使えないよね?そんなんじゃ。」と捨て台詞を吐きすてケンの家を後にした。


勿論、ケンは唸っていたけど、どうなろうと私の知ったこっちゃない。


これから、お腹の子供どうしよう…。

続く。

深い愛A 

December 29 [Sat], 2007, 18:31
凛『ケン…いいの?…』
ケ『何言ってんだ。がんばってふたりで育てようや!ぜってーしあわせにするって!』
凛『うん!うん!…』
ケ『こら!泣くなよ。ママになるんだろ?』
凛音の目からとめどなく涙があふれた。

ケ『オレもパパになるんだな〜』
凛『うん!どっちかなあ〜?楽しみだね!』
ケ『おう!』

順序や、関係がおかしな二人…
だが確かにそこに愛はあった。

問題は、凛音の親が許してくれるかどうか。
二人は凛音の家へ向かう。

ガラガラ

ケ『おおお・お邪魔します!』
凛『あはは!うち母子家庭だから!
そんな緊張しないでよ〜笑』
凛音の家は母子家庭だった。
母親は、水商売をしている。

凛『お母さん〜
ケン連れてきたよ〜』
凛音のお母さんは、ケンのことをよく凛音から聞いていて知っている。
いつもお世話になっていて、凛音の力になっていることも…
母『あらら〜イイ男じゃないの〜
いらっしゃい!』
ケ『ハイ!』
凛音の母親はノリが良く、美人だった。
さすが水商売をしているだけあった。

ケ『凛音とは、友達以上の付き合いをさせてもらっています。』

これには、母親も真剣な顔つきだ。

凛『おかあさん…
私ね、妊娠してるの…!』

母親は、少し驚いているが何も言わずうなずいた。

『オレが、責任もって凛音を支えていきます!
凛音を、子供を、必ず幸せにします!
子供産ませて下さい!
凛音が16になったらオレに凛音を下さい!』

ケンは頭を下げた。
母親は、ケンの目を真っ直ぐに見つめた。
ケンの瞳には迷いはない。
しばらくピリピリした空気が流れた。



母『…凛音のこと頼むわ!』
ケ『ハイ!!任せてください!』
凛『おかあさん!ありがとう!…』

また凛音の目から涙があふれた。
ケンもつられて泣いた。

二人は幸せに向かってゆっくり歩みはじめた。



深い愛@ 

December 29 [Sat], 2007, 18:13
凛『…ッ!なんでそのこと知ってんの?キモいんだけど!』
拓『はあ?当たり前だろ。普通にAV出してりゃ。
でも圭介には内緒にしてやってたのに…
別れる気ないならばらすからな!』
そう言って拓也は走ってどこかに行ってしまった。


♪ピロリロリン
受信メール:圭介
俺たち別れよう
もうムリだ。
幸せになれよ

送信メール:圭介
うん
今までありがとう…!
圭介もね!

二通のメールであっさり終わった二人。
でも今の凛音には後悔はなかった。
ケンの存在の方が大事だった…




圭介のことなど忘れ、最近はケンと毎日一緒に居る。

ケン『凛音…愛してる…』
凛『ケン…私も…』
二人は夢中でキスをし、抱き合った。

凛音はもうケンに夢中だった。
ケンも同じように、凛音が愛おしい。
いつの間にか、本気で愛し合っていた。
ケンには、圭介に無い何かがある。
ケンと一緒に居ると安心する…

二人は、産婦人科へ向かった。
先生『出産を希望されますか?』
二人は顔を見合わせた。

黙っているとケンが口を開いた。
ケ『産みます!』

凛音は一瞬迷った。
私なんかが育てられるの?
だが、ケンの真っ直ぐな目を見て決意した。



氷点 

December 27 [Thu], 2007, 18:21
ケン「ほんとに良かったのか?」
情事が終わった後、凛音はケンの腕枕でねていた
凛音「ん…何が?」
ケ「お前、男いるんだろ?」
ヤってる間、圭介の事など頭を掠めもしなかった
罪悪感も後悔の念もない

凛音は何も言わず、しっとりと汗ばんだケンの胸に顔を埋めた
ケンもそれ以上は追及しなかった
凛「喉乾いたね」
ケ「買ってこようか?コンビニ近いし」
さすが大人、気が利く
凛「じゃ、一緒に行こ!」
二人はシャワーを浴び、服を着替えてコンビニへ向かった
当たり前のように手を繋いで

ケ「何でもいーよ、欲しいモンあったら言って」
凛「はーい」
凛音は、年上の魅力に、ケンにどんどん溺れていった
この人と毎日一緒にいられたらどんなに幸せだろうか。ケンと、ずっと一緒にいたい ━━━


「・・・長谷川?」

突然、聞き覚えのある声がして振り返った

凛「た…くや、君」

━━━最悪だ
よりによって何でこの男が…
拓也「お前、何してんだよ?つか誰だよそいつ」
凛「・・・」
拓「オイ、なんとか言えや」
ケ「・・・(何?)」
拓「聞いてんの?」
凛「・・・ッ!」
凛音は、ケンの手を引いてそこから逃げるように立ち去った
━━━手 繋いでる所ばっちり見られた

ケ「今のって彼氏?」
凛「彼氏のツレ」
ケ「まじで!?…なんか、ごめんな凛音」
凛「なーんでケンが謝るのッ!それよか、お腹すいた!どっか行こ!」
ケ「お…おう」

━━あんな男、どうって事ないし


拓「長谷川、昨日の何だよ?」
学校へ着くと一番に拓也に屋上へと呼び出された
予想どうりの展開。

凛「別に、アンタには関係ないでしょ」
拓「浮気しといて開き直りかよ。 いい根性してんね」
凛「つかお前何なの?何様?」
拓「何様のつもりでもねえし。あえて言うなら圭介のツレ」
凛「圭介圭介って、アンタまさか圭介に気があるの?」
拓「俺は一度もそんな気を起こした事ない
…圭介のツレとして言うが、アイツと別れてくんない?」
凛「は?」

拓「圭介の事遊びなら別れろっつてんだよ。AV女優サン♪」

つづく

ボブコンクリン 

December 27 [Thu], 2007, 17:28
「ねぇ、ケンくん・・・。お願いがあるの。」
「お願い・・って。凛音のお願いなら何でもきいてやるよ。」
「じゃぁ・・・」

さっきの撮影でまだ少し汚れた手で、凛音は誘うようにケンの頬に手を添える。
その姿は中学生の少女とはあまりにもかけはなれていて、ケンは自身が反応しそうになっている事に気付いた。

「あたしの事、抱いてくれない?」

(人は、自分の理屈で動く。
あなたの理屈ではない。
そして、それらの理屈はつねに感情的なものだ。)

(あぁいつかどっかの開発者が言ってたっけ?)


「・・どうなってもしらねぇよ・・・?」
「・・んっ、ケンくんで・・あたしをめちゃくちゃにして?」
「なにそれ・・・今時のAVでもそんな事いわないでしょ」

恥ずかしさを押し殺すみたいに、半ば黙らせるために押し付けたキスに応える様にケンは凛音の口内を荒らす。

(人の舌ってまるでなめくじだ)
唇同士くっつけるたびに入り込んでくるそれに対して、凛音はいつも気持ち悪さを覚える。
しつこく噛み付いて吸われた唇と舌は静かにしびれていて、体の奥は何かを求めてうずいている。それだけで濡れそうなほどに凛音はこの後の期待でむずがゆくなった。


差し出された指を一本一本丁寧に舐めあげて、出し入れさせられているのは考えてみればフェラしてるようだ、と凛音は思う。
口の中でうごめくそれは男根とは違って大きくなるわけでもなければ自ら器用に舌をおいかけて絡める程で、如何わしい行為なところを除けば違うとは思うけど。

「・・ん、もーいいよ」

声と同時に引き抜かれた事によって口の中が寂しくなった。

「・・ね、ぇ」
「・・・ん?」
「慣らさないで・・いーから・・ッ」
「・・でも、慣らさないとキツいのは凛音だし」
「さっきサツエーでヤったもん・・」

(とにかく今は絶対的な快楽をちょうだい)
凛音は浅ましくケンの腰に絡み付いて、誘い込むように脚を開いた。

「・・ッもういれて・・・・?」

本業 

December 25 [Tue], 2007, 12:09
━━ハーイ!撮影終わります!

おつかれさまで−す。



監督の声。

凛音は朝からAVの撮影だった。

ひどいつわりの中、必死に耐えた。



スタッフは全員冷たい人ばかり━━

凛音の妊娠を知る者は一人もいない。



しかしそんな中、凛音に優しく接してくれる男がいた。

名前はケン。20歳。

最近テレビ業界に入ったばっかりで、まだ見習い。

ほとんどが雑用だが、照明係をやっている。



ふたりは気が合い、メールのやりとりもよくしていた。

仕事でくじけそうになったら、励ましあう仲でもあるのだ。

凛音の面倒も見てくれている。

そう友達。

そんな関係だった。

今は━━━━



『凛音ちゃん、ムリすんなよ!』

これがケンの口癖。









凛音がボーとしていると

『わっ(^_^)v』

ケンは缶ジュースをいきなりほっぺに当てた。

『ケンくんかあ!びっくりした!ありがと』

おいしそうに飲む凛音の姿を、ケンは愛しそうな目で見つめる。



無言で二人は目が合った。



『ケンくん…?』



『凛音…』



ケンは凛音を抱きしめた。

表裏。 

December 20 [Thu], 2007, 14:14
里緒菜「なかなか落ちんね…ソレ」

凛音は机の落書きを必死で拭いている。

梅子「凛音、除光液もってこようか?」
凛音「ありがとう。大丈夫だよ!」
泣きそうになるのをこらえて精一杯笑顔を作った。
里緒菜「でも誰がこんな事したんやろ…?」
梅子「ほんと酷いね!」
凛音「ムカつくーッ!犯人わかったらマジ殺す!」

強がってそう言ったが、本当はかなりショックをうけていた。

━━なんでバレてるの?

里緒菜「もしかして、アンドゥーの仕返しとか?前ウチ等でいじめてたし。」
凛音「安東麻衣が?」

凛音達はアンドゥーこと安東麻衣をいじめていた。

━━でも、あり得ない。
アイツが知ってるわけがない。

梅子「凛音を羨ましがってるヤツとか。」
凛音「私をうらやましがってる?」
梅子「凛音、圭介君と付き合ってるじゃん。それを良く思ってない人がしたんじゃない?ほら、圭介君ってモテるし。」
里緒菜「おぉ。さすが梅子。頭イイ〜!」
梅子「想像だけどね 笑」
凛音「私が可愛いからってそんな事されちゃ許せないね!圭介に相談した方がいいかな〜?」
梅子「でも、言わない方がいいんじゃない?責任感じちゃうでしょ。」
凛音「そっか。そうだよね。じゃあ、圭介には黙っとく。」
里緒菜「そうしとけ。ウチ等も黙っとくからよ!」
凛音「里緒菜…ありがとッ じゃあ、雑巾洗ってくるね!」



梅子「…ウッゼェェー!なんなのあの女!」

━━凛音が水道場へ向かうと、梅子は凛音の文句を吐き出す。

里緒菜「“私が可愛いから”ってどんだけナルシスト!?」
梅子「ほんとほんと!でも危なかった〜圭介に言われなくて!」
里緒菜「凛音、完璧ウチ等の事信用しとるよ!ほんま笑えるわ〜」

あははははッ…

梅子「“犯人わかったら殺す”だってさ。マジウケる〜!」
里緒菜「殺せるモンなら殺してみろやって感じ!」

梅子「これだけですむと思うなよ!…アイツだけは絶対許さない」



だって、
私の方が先じゃん。

私の方が先にあの人…圭介の事好きになったのに。

ねぇ、凛音・・・

あんただけは絶対許さないから。

偽善者の賛歌 

December 18 [Tue], 2007, 21:04
妊娠してるって気付いてから、学校に行く気分になれない。
圭介に相談できるならしたい。
でも、もし川元との子供なら・・・・?

  〜♪

「、メール・・?」

そういえばここ最近ずっとケータイを開いてない気がする。
凛音はダルくて重い手を動かしてケータイをとった。

   凛音、最近学校こないね!
   皆心配してるから早く元気になって学校おいでヾ(´∀`●)
 
         梅子


「・・うめこ・・・」

そうだ、梅子なら・・梅子になら相談できる。
だってあたしたちは幼稚園からの親友だもん・・。

凛音は急いで梅子に連絡をいれた。

「うめこ!あたし梅子に相談したい事があるんだけど!」

凛音は川元と圭介、そして自分との事、妊娠の事、その子供が川元と圭介どちらの子供なのかがわからない事全てを梅子に話した。
梅子は凛音の話をする時とても真剣に、すこし驚いてはいたけど冷静に相手をしてくれた。

「暫くは黙っておいたほうがいいんじゃないかな。2人とも落ち着いてきてからゆっくり話しあいなよ。」
「・・ありがと、やっぱ梅子が親友でよかった。」
「ううん、あたしこそ凛音が相談してくれて嬉しかったよ。」
「ほんとありがと!明日からちゃんと学校行くからさ」
「うん、がんばってね。」

投げ出されるケータイ。
梅子は今までに見せた事がないほど、楽しそうに(怪しく)微笑んだ。

「いい情報ありがとう、凛音。ふふっ、明日が楽しみだわ」亜

 

December 17 [Mon], 2007, 20:51
数週間後

昼休みのトイレの中。
こんな会話が飛び交っていた

梅『つーさァ!アイツさっさと圭介と別れちゃえばいいのにー』
幸『ホンマそれ!つーかさァ、凛音って口開くと自慢話ししかしないよね』
那『まじムカつくんだけど!』


自分がこんなことを言われているとも知らず
いつもの様に凛音は圭介にベッタリだった。


凛『圭介ー!明日デートしよ!デート!』

圭『うーん…明日は拓也と約束あんだよ。
オヤジさん亡くしたからここんとこ元気ねぇんだ…
親友のオレが話し聞いてやんねえと
ゴメンな。凛音』

そう。拓也は数週間前交通事故で父を亡くしてしまったのだ。

凛『え!そうだったんだ…私なんにも知らなくて… ゴメンね。』

圭『いや。俺こそ、あーなんか暗い気分にさせちまってゴメンよ。またゆっくりな!』

そう言って、凛音の頭をポンと撫でた。
二人は、授業が別なので分かれた。


・・・なんかキモチワルイ
トイレに行って吐いた

どうしたんだろう…
今朝の果物が当たったんかな?


家に帰っても吐き気はいっこうにおさまらない
食欲もあまり無い

次の日も、体調が優れないので学校を休むことにした。


・・・・やっぱおかしい
吐き気

ふと頭をよぎる


━━妊娠


だとしたらこれはつわり…?
凛音の頭の中をグルグル回る

まさかね・・・?
でも…
圭介の時も川元の時も避妊してない…

凛音は急いで服に着替え、近所の薬局へと向かった。
買ったのは、妊娠検査薬



━━陽性

妊娠してる


凛音の目から涙があふれた

どうしよう私まだ中学生だよ
でも誰の子供なの
どうしよう どうしよう
助けて でも誰にも言えないよ
怖いよ

圭介…

もうろうとする意識の中、凛音は気を失ってしまった。
P R
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:いつめん
読者になる
2007年12月
« 前の月  |  次の月 »
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
Yapme!一覧
読者になる