一部の商品だけ、HPに載せている

May 07 [Thu], 2015, 17:19


「画像も今は、ミイサちゃんが撮っているのよね?」
ミサコはワンデーアキュビューディファインと、あと一部の商品だけ、HPに載せていると答えた。
「で、お客さんのリクエストとしては、カラコン通販に合わせて、私がコーディネイトした服もUPしてほしいって。でも、うちの商品は一点ものが売り出し、他の通販みたいに
大量仕入れとかしたくないんだよね」
「じゃあ、このセット、1点限りとか、この小物3点限りとかでUPすればいいよ」
「でもそんな頻繁にUPするのも大変だし、そんなのUPしたら、お店にくるお客さんが
白けちゃいそうで」
あおいはビールを飲みながらくすっと笑った。
「もう、ミイサちゃん、まじめなんだから。ネット通販はネット通販、店頭は店頭。
商品をある程度線引きしてしまえばいいのよ。店にだけあってネット通販にはないものや、
ネット通販も1点限りと書いておいて、実は5点くらいは用意しておくとか。もちろん店頭では1点しかないことが売りだから、店頭にあるものは本当に1点しか仕入ない。」
「でも近所の人でネット通販した人同士が、ばったり出会ったりしないかしら」
「じゃあ、5点あれば、5都道県を分けて通販したりすることね。」
あおいは、ミサコの取り越し苦労を笑いながら、そう提案する。
「でも、お客さんを選ぶのは、なんだか申し訳なくて」
「じゃぁ、最初から1点のものは1点、5点のものは5点と言いきってしまえばいい。
私がややこしい提案したから、いけなかったわね」
店頭にあるもの全てを通販に載せるわけではないことで、お店に来るお客さんに満足してもらい、通販では、在庫数を限り、掲載することで内容は決まった。
「ところで、写真とるの、大変じゃない?」
あおいは、少し楽しそうにそう言った。
確かに店をやりながら、入荷してきた新商品をいちいち写真にとって、ネットでUPするのは大変だった。
「でね、たまき、憶えてる?」

誰かの知恵を借りたいな

April 06 [Mon], 2015, 18:03


お客さんから通販の依頼がきて、ミサコは驚いた。
普通、自分から「通販始めました、よろしく〜」と宣伝しなければいけないのかと思っていたからだ。
ミサコは一点ものにこだわっているから、店頭で、それをひとつひとつ丁寧にお客さんに手渡すことをモットーにしている。
が、通販となると、どうなるのだろうか。
今も、カラコン通販にあわせ、その他もメールでの通販をしているが、確かに、オーダーの仕方もお客さんによって違うし、システム化してないだけに、メール通販を不安に思うお客さんは多いと思う。
誰かの知恵を借りたいな、と思ったとき、ミサコはすぐにあおいを思い出した。あおいはミサコの幼馴染、野々山公平の奥さんで、ミサコとも友達だ。そして彼女はコンピューター関連の大手企業に勤めるキャリアウーマンなのである。
ミサコは、平田麻美の手紙の最後にメアドが書かれていて、よかったらメールください、と書いてあったので、手紙のお礼と、検討してみるから、少し待ってほしい旨、メールしておいた。

さっそくその晩、ミサコはあおいの家に行って、相談していた。
バーを経営している公平は不在で、2歳になる娘のすずちゃんは、ちょうど眠ったところだ。
「突然、お邪魔してごめんね、あおいさん」
あおいは、いえいえと、簡単なおつまみとビールを持って来る。ここに来るまでに夕ご飯は食べてきたので、今は、9時半過ぎだった。
「私も、すずがいるから、外出するよりは、うちに来てもらった方が助かるの。で、通販の相談って、いってたよね?」
ミサコは夕方、概要をあおいにメールしていた。
行動の早いあおいは、ネット広告の部署に話を持ちこんで、ある程度、話を進めてくれていた。
「通販の仕組みは、今、ミイサちゃんが作っているHPに組み込むことは簡単みたい。
あとは、決済方法がクレジットカードなのか代引きなのか、選択できるようにして。うちの会社でも請け負えるわよ」
それほど費用もかからないようなので、ミサコはすぐにお願いする。

想像するに、若い女の子

April 03 [Fri], 2015, 16:22


ミサコはいつものように、店をあけ、郵便ポストをのぞく。何通かの広告やチラシが
入っている。その中で、一通の手紙をみつけた。かわいらしい封筒から想像するに、若い女の子からと思われた。が、親戚に思い当たる筋はいない。
店を開ける準備をして、パソコンを開き、昨日の売り上げと今日の予測で、今日発注する分を決める。ミサコは昨日売れた分を丸々発注したりはしない。定番のカラコンをのぞいては、半分ほど、商品を入れ替える。だから、お客さんも、以前に出会った小物や服が後日、手に入る確率が低く、リピートの頻度が高くなる。お客さんはいつでも置いてあるものには安心して興味を持たなくなるが、その日その場所でしかめぐり合えないものがあると知ると、必死でその奇跡の出会いを求めてやってくる。ミサコはそこら辺の計算がとても楽しく、また、上手だった。
ひとしきり、準備ができた頃、平日の午前中は、まだお客さんがいなかった。
平日は、学校や会社が終わる頃がピークに忙しいのだ。
ミサコはふと、パソコンのそばに置いてあった封書を手に取る。
差出人は、兵庫県の平田麻美さんという人だった。
ミサコは手紙を開く。

〈石田ミサコ様

初めまして。私は兵庫県在住の平田麻美という高校生です。いつもミサコさんのHPをみていて、欲しいものがいっぱいです。お店宛てにメールすれば、商品を送っていただけるようですが、本当にお店があるのかどうか不安でお手紙してみました(失礼ですみません)。
時々、HPだけで、お店がないのにあるようなふりをしている所も多いでしょ?
でも、この手紙が届いていれば通販でカラコン買うのも安心です。

HPで、通販のシステムがあれば便利なのですが。それに、カラコン以外は、商品の一部しかディスプレイがなくて、どれくらいの広さのお店で、どれくらいの品数があるのかもっと知りたいです。ミサコさんがコーディネイトしたカラコンと服をセットで買えるような通販もあったらいいのにな、と思います。
勝手なお願いで申し訳ないですが、私の周りの友達も同意見です。
通販の件、どうかご検討ください。           平田麻美 〉
P R
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