ローマ時代から変わらない石畳は角が丸く、せいぜい5mほどの道幅は、
中世から変わらない建物に光を閉ざされ昼間でも薄暗い。
小さなみやげ物店覗きながら進むと、突然太陽に照らされ白く輝く見事な彫像が
噴水のざわざわとした音と共に目の前に現れる。
「トレビノ泉だア〜」
思わず叫びたくなる劇的に広がる丸い広場はそれほど広くなく、観光客で溢れている。
誰が言ったのか、後ろ向きにコインを投げて、そのまま振り向かずに去ると、
再びこの地に来ることが出来るといわれている。
私は毎回、振り返ってしまうけれど、また訪れているのでこれは迷信かもしれない。
でも、願い事は毎回同じなのに叶っていないということは、当たっているのかもしれない。
そういう言い伝えで、ついついコインを投げるのに気がとられてしまうけれど、
この広場の輝きは確実に私の心に輝きを与えてよみがえらせてくれる。
噴水の端に座って周りを見回すと、中世のままの建物に囲まれ、
中世の時代にすっぽり包まれたような錯覚に落ちる。
とりあえず、トレビの泉を背にコインを投げ
「また来れますように〜・・それから^」と祈った。
隣の外人のコインが後ろに投げるのが難しいのか、コントロールが外れて
私たちの方に飛んできた。
思わず笑い転げる彼は2月だというのに上半身裸、
この地中海性気候はローマの栄光の陰の立役者のような気がした。