クリード 

2006年08月30日(水) 22時49分
 5月からバイトで小遣いを稼いでいる。学費、生活費は親からの仕送りに頼っている。だから、親には頭があがらないし、意見も強くは言えない。親から電話がかかってくれば、決まって僕の入学した大学への不満をもらす。まあそんなことはどうでもいいや、今後も当分続くことだろうし。それで、5月に始めたバイトのことだけど、始めたのには生活費の足し、というよりは、もう少し個人的な動機があった。同じ高校の同級生だった女の子Rが僕より先に大学進学で上京していたことを浪人中に友人から聞いていた僕は、あの手この手を使って携帯の番号を手に入れた。電話をかけると、高校の頃と変わらぬ明るい彼女の声に、気持ちの高ぶりばかりで、言いたいことが全然伝えられなかった。これから、Rと遊んだりする機会もあるだろう。Rに何か買ってあげられたらいいな、せめて飯くらいは自分の稼いだ金で払いたい。それが動機だった。その後、度々電話したけど、連絡が取れず、結局、あの1年ぶりの数分間の電話が最後だった。そして残ったのは、今も辞めさせてもらえずに続けているビル清掃のバイトの日々と少しの小遣いだけ。気持ちの晴れない毎日が過ぎた。急に思い立って新宿のバーニーズに行き、いきおいで香水を買った。それがこのクリード「ミレジム アンペリアル」。

バイブル 

2006年08月30日(水) 21時47分
 もうページが抜けたりしてボロボロになっちゃってるけど、これは僕の大切な映画ガイド本のひとつです。紙上では、映画監督や俳優はもちろん、作家やミュージシャン、詩人に至るまで、各方面の著名人たちが自らが影響を受けた映画体験を熱く語っています。そこで取り上げられている映画たちは、いわゆるポピュラーなもの、ではなくて、そのひとそのひとの“初体験的”映画とでも呼べばいいんでしょうか、そんな映画たちばかり。深夜、何気なくテレビをつけていて期待もせずに出会った映画が、なんだかんだ言ってその後も心にずっと残っていたりして…。そんな映画との出会い方ってありますよね(たしか、岩井俊二著「トラッシュバスケット・シアター」にも同じような発言が載ってたような)。そして、僕はこの本を手に映画との出会いを拡げていこうとしたのでした。

デンエントシライン 

2006年08月01日(火) 23時23分
 5月からバイトを始めている。朝4時半から5時のあいだに携帯電話のアラームを5回セットしていて目覚めたら始発かまたはその次の電車に乗って渋谷へ向かう。オフィスや専門学校が入っている6階建てのそう古くはないビル、そのビルの関係者専用のごついエレヴェーターで地下に降りていく。ボイラーの扉の中に隠してある鍵で控え室に入り、ロッカーでグレーのユニフォームに着替えて再び地上に戻り、ほうきとちりとりでビルまわりのタイルと道路沿いのゴミを拾ったあと強力な水鉄砲のような柄のついたゴムホースでタイルやアスファルト上に細かく付着しているほこりを丁寧に洗い流す。初めに教わったのはこんな内容の仕事だった。そのうち中のほうの掃除も覚えてもらうから、なぁに、この時間帯だぁれもひといないから、掃除しやすいよ大丈夫、あたしらなんか昼と夕方とだからひとの邪魔んなんないようにやんなきゃいけないんだから大変よぉ、と中柴さんというリーダーのおばちゃんが甲高い声でもって指導してくれた。
 まだ空が白んできたばかりの渋谷の雑居ビルの建ち並ぶ道路で新しい僕のバイトはスタートした。その前を突然、フェラーリとランボルギーニがカーレースでもしてるかのように爆音を轟かせながら走り抜けていった。その後も度々この光景を僕は目撃することとなる。
 接客関係は面倒だと思って自分なりに選択肢を挙げては消去法で減らしていって残ったのが、ビル清掃だった。あくまで僕の狭い頭ん中でイメージする、ひとと関わらなくて済みそうなバイト、というとこれになった訳だ。

何か面白いことねぇーかな 

2006年07月26日(水) 15時18分
 講義を半分だけ受けて抜け出して、大学のいろんなサークルの部屋が入っている建物の中をひとり散策してみた。自分の中では、映画か写真のどちらかにしようと思ってはいるんだけど、あとはサークルのメンバーの雰囲気を見てから決めようとしていた。
 映画研究会、とマジックペンで手書きで書かれたダンボール紙を貼り付けてある部屋を発見した。ドアのすぐ横の壁には、「水の中の八月」という映画のポスターが貼られている。95年、少し古い映画だなあ、邦画はあんまり観ないからなあ…。閉まっているドアを隔ててひとのいる気配を感じたけど、ドアを開けて入る気にまでは至らなかった。
 駅まで行く途中、おんなじクラスの饗庭(あいば)に会った。饗庭のアパートは大学の近くにある。それなのに、大学の最寄り駅から6個目の駅の街に住んでいる僕に、明日1限あるから起こしてくれお願い、などといつも頼んでくる。夕飯の材料を買ったのかスーパーのビニール袋を両手に持っている饗庭と駅まで一緒に歩いた。
「おまえ映画やりたいの?知らんかった、今の時期からサークル入るのって微妙じゃね?ま、いいけど、それにしても最近ほんとおれらの年代あたりのやつらってさ何かとものを作るとか表現したがろうとするよな?あ、別におまえのこと言ってる訳じゃねえよ、でもさ、なんか自分独自の世界観をみせようとする…その…俺は孤独でひととは違うズレた視点から世界を観てるんだ、みたいなスタンスが俺にはどうも鼻について嫌いなんだよね、わりぃせっかくおまえがサークルに入ろうとしてる時に」
 ほんとだよ出端くじこうとすんなよ、と僕はムッとしたふりをして言い、なんだか可笑しくなってふたりで笑った。「脚本出来たら見してね」と饗庭は言い、改札口の手前で饗庭と別れた。
P R
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