坂の上の庭園 

2007年03月11日(日) 13時03分
30年前に死んだ猫が
我が家の最後の飼い猫となった

それから10年後
僕は地上に舞い降りた
地べたを這い
外の世界を目指した
20年後
僕は土手にたどり着いた
この土手は――――

この土手で猫は死んだ
毒まみれの鼠を食べ
苦しみながら蹲り
陽射しをを浴びながら
呼吸を止めた

数時間後
祖母は絶望の縁に立たされた
     これが最後よ
     永遠の別れは
     これが最後よ
草に覆われた敷地と
木造二階建ての家で
祖母は独りきりになった
犬も猫も家族も
数年のうちに消え去った
     永遠の別れは
     これが最後よ
それ以来二度とペットは飼わなくなった

時代は巡り
真新しい生命として
僕は歩き出した
あの土手に横たわる
空を眺め
徐々に視線を下げると
一輪車を引いた祖母が
坂道を登ってくる
忘れえぬ場所へやってくる
つい昨日の事のように
30年前と同じ場所へやってくる
土手の近く
坂道を登りきった場所
ここに猫は眠っている
草花が生い繁る
苦しみの無い安息の地
坂の上の庭園


 

十字路 

2007年03月07日(水) 7時12分
走りたい欲求
書きたい欲求
食欲よりも遥かに強い
自己実現の欲求
我々は何処へ向かうのか

窓の向こう
張り巡らされたネット世界の
窓の向こうで
走り出そうとしている人達
行き詰っている人達
挫折してしまった人達
彼らは何処へ向かうのか

窓の向こう
庭の池
鯉が餌を欲している
勢いよく餌を放り投げる
鯉は再び泳ぎ始める
浅くて狭い
池の中を

窓の向こうで
我々は歩き続ける
我々は何処へ向かうのか
浅くて広い世界で
深さを追求し続けている
それぞれの道で

それぞれの道
我々はそれぞれの道を歩いている
我々は餌を与えられ
生かされている鯉の如く
無名の民衆の一人として
深呼吸をし
完成からは程遠い道を
少しづつ歩いている

冷凍保存(2) 

2007年02月09日(金) 22時23分
或る政治家は
インターネットだからこそ可能な情報伝達を行っている
自分の心情(或いは信条)を最新の時事に絡めて表現するのだ
そしてそれは一瞬にして世界に発信される
その時の新鮮な言葉が
日々積み重なっていく
新鮮な情報
新鮮な分析
我々は鮮度の高い分析を認識する



問題意識を持ち
何かを感じたら
我々は何かを書く
何でもいいから
忘れないうちに
醒めないうちに

文章を書く事で
我々は生きている
ネット上の広い世界の中で
書き続ける事で生きている


MR.クロコダイル 

2007年02月06日(火) 1時05分
MR.クロコダイル
金のなる木の下に生まれた
気まぐれに理想を語る
「私の世界へようこそ」
精神世界紀行
昨日の夕暮れは
今日の朝
自由と平和の進歩主義
新秩序の構築へ前進

スクラップ&ビルド
失われた10年を取り戻そうと
必死になっていた
MR.クロコダイル
国家権力に背く暇も無く
愚痴も溢さず
ネクタイが汗まみれ
高級な肌は値を下げた
右へ左へ
今日行く道は
昨日の出口
さあ
どこへ行こうか
MR.クロコダイル
すっかり汚い親父になってしまった
無意味な年月はお前の肌を傷つけた
「私の世界へようこそ 破滅の瞬間を 乞うご期待」
壊れろ 壊れろ 壊れろ 壊れろ
汚い油が体から溢れ出ている
金の臭いが体から漏れている
湯気に覆われ 髪は湿っている
テカテカな顔は丸みを帯びている
メタボリックシンドロームで内部破壊が進んでいる
MR.クロコダイル 
破壊のエネルギーを解き放て
内部から外部へ
油ぎった肌が光を放つ 





貴方の怒り私の奢り 

2007年01月21日(日) 19時13分
貴方の表情が物語っていた
貴方は怒りに満ちていた

貴方は昔
見せ物にされた
生命の危機を迎えた
貴方は昔
見せ物にされた
貴方を見続けた人は
貴方と同じ世界の人だった
一歩外に出れば
事務的な会話が耳に入る
会話は
貴方を沈めた
成すすべなく声を曇らせた
貴方は怒りに満ちていた

朝起きたら必ず貴方の目の前には手足の無い人がいた
貴方の目の前で空間を自由に移動していた
貴方の世界は私を驚嘆させた
貴方の世界に入るのは容易い事だと
私は思っていた
貴方の事を私は自分勝手に解釈した
貴方の生き様を否定して
貴方の死に様を提案した
貴方の怒りは増大した
貴方は再び口を閉ざし
私の前から消えていった

貴方が私を睨みつけた表情は
貴方の半生を物語っていた
鏡の前に立ち 貴方の表情を思い浮かべた
    これは悲しみか
    否、怒りだ
貴方の表情は私の中に残り続ける
鏡の前で 私は叫んだ
    貴方を理解出来なかったのは
    この私だけでは無く
    この世界の全ての人間だった
    私に貴方の行き先は分からないし
    貴方の未来は計れない
    誰も貴方を救えないけど
    貴方自身が全ての可能性を否定してはならない
    どんなに貴方が過去に苦しんでも
    時代は貴方を変えるんだ

星の裏の声 

2007年01月21日(日) 19時01分
<幻覚>
俺の方へやってくる
お茶でも飲んでいくのか
俺には理解出来ない
俺に何か語りかけている

<幻聴>
重金属無機質
メランコリィ
中断
打楽器

<UFO>
少年はチョコレートを買い
山を眺めた
夕焼けの空に
アダムスキー型の発光体が動いていた
少年は直ぐに家に戻り
布団に入った

<鬱>
いつでも彼らが見ている
いつでも彼らが見ている
いつでも彼らが見ている
いつでも彼らが見ている

<星の裏の声>
英知の限りを尽くす
我々は前進する
一寸先は闇
いつでも彼らが見ている
影の先
我々には届かない
星の裏の声

冷凍保存(1) 

2006年11月10日(金) 4時42分
全てを忘却させる行為が愚かな事にきづいた
炎の絵画を残し世界が冷え切った後
何も成し遂げなかった事を誰も忘れるべきでは無かった
何かにすがるだけで
自分の身を犠牲にした出来事を忘れるべきでは無かった
裏の裏があり表が成立して
くだらない事で時代が過ぎていった事を忘れるべきでは無かった

自分自身の感動を大切にすべきだった
言葉に感動し詩に残す事を忘れるべきでは無かった
良くも悪くも感動は変化する
自分自身が嫌になる事だってある
かつての感動は炎に覆われ塵になる事だってある
退屈な時の流れの中にも感動の一瞬だってある
死ぬまで忘れない程の感動は
真紅の薔薇の純血の赤が鮮やかな絵画となって
俺の眼を紅く染め
紺碧の大地の神秘な青が艶やかな写実となって
俺の心を泣かすのだ

北の空 

2006年10月15日(日) 18時28分
北の空で狩りが始まろうとしている
青空
夕暮れ
どんな空からも
鳥は落ちてくるだろう

灰色の道路には
大量の車
排気ガスの渦
夕闇からアスファルトへ
大量の雨が突き刺さる
車はひたすら走り続ける

傘をさして外に出る
歩行者は皆無
歩道橋に登り絶えることの無い車の流れを見る
一台一台・・・また一台
雨は次第に強くなる
傘を下道に投げ捨てる
傘は車に粉砕される
空を仰ぐ
大量の雨が体に突き刺さる
北の空高く
狩りは始まろうとしている
荒波の日本海に大量の雨が突き刺さる
空を仰ぐ青年は
どんな雨でも粉砕し
どんな鳥でも受け止め
どんな空でも始めは雲一つ無かったと叫び
どんな思想も排気ガスの渦に溶けると信じた

humanist 

2006年10月06日(金) 15時37分
人の後を人は追い
壁と名のつくものは次々と消えていく

限られた時間の中を
我々は生きる







the

destination


我々はよく恋をする
だが時間が足りない

腕時計に大金を費やしても
時の流れを緩めることは出来ない


人生は短い

3 我々はこうやって 
2 いろいろ考えて
1 何もせずに
0 人生の幕を閉じる  
   

再構築 

2006年09月26日(火) 2時45分
同じ時刻
多くの思想が
光を放つ
誰かの死を無駄にしない
詩人達はシャーベットの空気の中を通り抜け
過去に浴びた日の光を地上に戻している
我々は人生の大半を費やし
多くの死者を生き返らせる事になるだろう
人生は夢のようだが
夢では無い
多くの死者は夢を見るようには死んでいかない
過去
我々は多くのものを見捨ててきた
我々は何一つ成し遂げていない
過去 多大な闇の住人が足跡を残す事なく消えていったように

一寸先は闇
現代詩を通じ
我々は闇の存在を把握した
多くの闇に光を灯すにはPCが必要だ
心は此処にある
画面に浮遊する言語
我々は人生の大半を費やし
多くの死者を生き返らせる事になるだろう
2007年03月
« 前の月  |  次の月 »
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
Yapme!一覧
読者になる