砂の孤城 

October 03 [Tue], 2006, 20:20
私はかたくなに守っていたのに・・・・・。

私と彼は都内のとある場所で出会った。
最初から危険な人物だとはわかっていた、わかりきっていた。
でも
惹かれてしまった。もう、どうしようもなかった。どうにもできなかった。
彼は非常に好人物だった。何処にでもいる、何処にでもいそうな。
でも
実際はまったく違っていることが私にはわかった。私にだけは。
もっと脆く、尖って、繊細な、研ぎ澄まされた妖刀のようだという事を。
それは容赦なく私を切りつけ、真っ赤な血を噴き出させた。
そして、その傷が癒えるころには、また新たな傷がそこかしこに出来ているのだ。
危険を省みず飛び込んだはずなのに
危険を承知で開けた扉なのに
私は逃げ出した。
彼の居ない場所へと。
そこは
とても静かで平和なところだった。何もなく、ただ日常が静かに確実に過ぎていくだけ。
でも
私には穴が空いてしまった。埋めても、埋めても、埋まらない穴が。
どだい埋めること自体が不可能な穴が。
そこで私はお城を創った。脆くて崩れやすいけれど頑丈なお城を。
そんな時
彼に会った。偶然にも。
私は愕然とした。あんなに距離をおいて離れていたのに、離れていたのに。
私はいそいで私のお城に逃げ込もうとした。
でもそこにお城はなかった。いくら探しても。
見つからなかった。あの私のお城は。
愛しいお城は無くなっていた。
私の両手の上で、さらさらと美しくも悲しい音をたてて崩れていた。
私には止めることができなかった。無理だった。
私のお城は、砂漠の砂のようにきらきらと光って風に吹かれていった。
私はゆるく両手を抱え込み呆然とした。
私のお城は飛んでいった。
さらさら音をたてながら。
私のお城は飛んでいった。
きらきら綺麗に輝いて。
私のお城は飛んでいき
彼はその場を立ち去った。

アダムの創造 

August 19 [Sat], 2006, 20:28
彼はわたしの事を知らない。
否、知っているが認めない。

彼はわたしの同僚で良き友人だ。
少なくとも、人前では。
よく気がつき、人当たりが良くて、自然と仲間が集まるような
そんな人だ。
でも、人にはそれぞれ「弱点」と言うものがある。
それが食べ物であったり、特定の場所であったり、あるシュチュエーションであったりするのだ。
それによって人は恐怖や興奮、喜びと悲しみを自身の経験、記憶などと織り交ぜて再構築、再確認し現在を過去の追体験と共に実感するのだ。

彼の場合それは「わたし」だった。

彼はそれまで並の人生を送ってきた。
普通に中学、高校、大学と進み現在の会社にもすんなりと入った。両親は健在だし、兄弟関係も親子関係も何も悪くはない。何の不自由なく生きてきたし、恋愛の一つや二つあっただろう。きっと、わたしと出逢わなければ普通に結婚し、家庭を持ってそのまま絵に描いたような平々凡々とした一生を送ったことだと思う。

でも彼はわたしと出逢ってしまった。
それは想像するに衝撃的かつスキャンダラスで驚愕の出来事だったのだろう。彼の価値観や常識を一切合切に打ち砕くくらいに。
彼は男に恋をした。
「男」である「わたし」に。
わたしは彼がどんなに自分を愛し慈しんでくれているか知っている。そしてわたしの事をどう見ているのかも。
わたしは彼を虜にする術を知っている。現に彼はわたしの虜だ。わたしのする些細なしぐさ、言動、視線にどんなに彼が一喜一憂しているのかも。
悶絶の苦しみを心の内に秘め、瞳だけを内なる炎に輝かせてわたしを見る彼。
甘美な灼熱の地獄にその身を落としながらも高潔なる魂は澄んだままの彼。
混ざり合えばきっとあの高潔なる魂は濁り、俗世にまみれてしまう。
彼の気持ちを知りつつもそれを言わせないわたし。
すばらしく素敵だ。
甘く痛い想いにうちしだかれ苦悩し絶望を味わいながら灼熱地獄に身を焼かれてもあの高潔で崇高な魂だけは菫の花のように気高く凛と輝くだろう。
そうでなくてはならない。
わたしが愛した男なのだから・・・・・・。

蛇のそそのかし 私の選択 楽園脱出 

August 19 [Sat], 2006, 20:15
神の御心に導かれ
純白の大理石に
生命の息吹を吹き込む時
永遠の美が生まれ出る
誰も損なうことのできない真実の美が

誇り高く清らかな君よ
あなたは、私にとって純白の大理石
あなたの哀れみと英知に誘われ
わたしの心は感激にゆさぶられる
その美しさに・・・・その光に・・・・・・

たとえ二人が
世界からかき消えても
あなたの美しさと
あなたを慕うわたしの思いは
千年後にも輝くのです
(ミケランジェロがヴィットリア・コロンナに捧げた詩の一部意訳)

わたしが生まれ出た瞬間から
わたしそのものが罪ならば
神はなぜあなたをわたしの前に示したのかしら。
人は生まれ出た瞬間から
魂の片割れを探すというけれど
わたしはあなたのあばら骨かしら。
わたしも何時かそそのかされ
禁断の木の実を口にしてしまうのかしら。
そしてあなたも誘いこみ
重い罪を背負うのかしら。
もしもそうなら
それは忌むべきことではないわ。
あなたと二人なら何処でもいいわ。
かったるい楽園なんか飛び出して
自由な大地へ降り立ちましょう。
たとえそれが
刹那を重ねる瞬間でしかなくとも・・・・・・・。

後朝の桜 

August 19 [Sat], 2006, 0:31
世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし
散ればこそいとど桜はめでたけれうき世になにか久しかるべき

桜吹雪の舞うなかを
あなたとともに歩けたら
なんてことを
思ってしまうわ。

片恋の
つらさはとうに知っている。
けれどやっぱり
想ってしまう。

久しくと
いう言葉自体を信じない。
なぜならそれは
ありえないから。

だから今
刹那の刻をいきていて
桜を愛でるわたしは
一本の桜の木。

桃色の風が吹くなか
あなたは一人そこに居て
桜吹雪に
その身をかくす。

神様に
悪戯心があるのなら
逢うこともまた
できましょうとも。

いつの日か
届けてみたいこの歌は
まだ私の
胸におきつつ。

逢い見てののちの心にくらぶれば昔はものを思はざりけり

Here there where 

August 19 [Sat], 2006, 0:22
あなたとわたしの関係は
分類すると、どのカテゴリーに入るのかしら?
何だかとっても馬鹿らしいわね。
そうは思わない?

いつもの席。
いつもの注文。
いつもの日常。
いつもの、いつもの、いつもの・・・・・。
エンドレスで続く世界にあきあきしてきたわ。
でも此処しかないことも知ってる。
何処にも行けないわ。
何処にも行けないのよ。
あなたは何処かに行きたがってるみたいだけど・・・・。

カナリヤは歌を思い出したのかしら?
どうだったかしら?
あなたは歌を思い出した?
わたしは・・・・・・。

何だかとっても哀しいわ。
どうしてかしら?
ここはこんなに暖かなのに
ここはこんなに柔らかなのに
ここはこんなに優しいのに。
どうして・・・・・・?
ああ、きっとあなたが出てってしまうからなのね。
ああ、きっとあなたが戻ってこないからなのね。
そうなのね。
あなたは思い出してしまったのね。
あの歌を。
カナリヤが歌ったあの歌を。
行ってしまうのね・・・・。
別れの言葉は言わないわ。涙もみせない。
だから
いつものように出て行って。
さりげなく・・・・あのドアから・・・・・・・・・。

Please oh so quaiet 

August 19 [Sat], 2006, 0:15
しーっ、静かに。
静かにして。
何もしゃべらんといて。
俺が感じるから。

なあ、誰でも秘密の一つや二つ持っとるけど
その秘密、君は俺に言える?
でも、ええよ。
言わんでも。
だって、秘密は秘密であったほうが楽しいやん。

俺は君に喋ってへん秘密、持っとるで。
でも君にも誰にも教えへん。
だって、秘密はしゃべってもうたら秘密じゃなくなるやん。
そんなんつまらんわ。

しーっ、静かに。
静かにして。
何もしゃべらんといて。
俺が感じるから。

人間って隠し事するから楽しいんやて。
知っとった?
俺、最近知ったわ。
なんや、今まで知らんかったんちょっと損した気分やわ。
でも、ま、ええか。

しーっ、静かに。
静かにして。
何もしゃべらんといて。
俺が感じるから。

あの時のことは二人の秘密やで。
誰にも言うたらあかんで。
秘密なんやから。
誰にも言うたらあかんで。
しーっ、静かに。
秘密が逃げてしまうやん・・・・。


if if if 

August 18 [Fri], 2006, 23:11
ねえ、もしあたしがファンキーでパンクな女だったら
あなた、どうする?
それも面白そうだけど
でもいいわ。
あなたが充分アナーキーだから
今のまんまがちょうどいいわね。

ねえ、もしあたしがシニカルでロックな女だったら
あなた、どうする?
それもそれで面白そうだけど
いいわ、遠慮しとく。
あなたが充分ロックだから
今のまんまがちょうどいいわね。

ねえ、もしあたしがコケティッシュでジャズな女だったら
あなた、どうする?
それもちょっと良いかもしれないけど
やっぱりやめとくわ。
あなたが充分パンクだから
今のまんまがちょうどいいわね。

ねえ、もしあたしがアナーキーでクラシックな女だったら
あなた、どうする?
それはそれで楽しそうだけど
ううん、やっぱりやめとく。
あなたが充分ジャズだから
今のまんまがちょうどいいわね。

ねえ、もしあたしが何の変哲もないフツーの女だったら
あなた、どうする?
あなた、きっとどうもしないんでしょうね。
あなたが充分クラシックだから
かわらずにあたしを見てくれるんでしょうね。
それもちょっと惹かれるけど
やっぱり今のまんまが一番いいわね。
今のまんまがちょうどいいわ。
今のまんまがちょうどいいわね。

If you an apple 

August 18 [Fri], 2006, 23:04
林檎を手にとってのぞいてみたけど
あなたの面影はちっともしなかった。
しょうがないから口に含んでかじってみたら
不思議ね、あなたの味がしたわ。

もう一回だけキスしましょうか?
そうしたら何かわかるかも。
もう一回だけキスしましょうか?
そうしたら何かわかるかも。

プラムが熟れておいしそうだったから
口に含んでかじってみたら
不思議ね、あなたの味がしなかったの。
でもプラムの中にはあなたの面影があったわ。

もう一回だけキスしましょうか?
そうしたら何かわかるかも。
もう一回だけキスしましょうか?
そうしたら何かわかるかも。

つやつやしたアメリカンチェリー。
でもあなたにはあげないわ。
こんなに、こんなに、おいしそうだけど
意地悪なあなたには絶対あげない!
あげないんだから・・・・。

もう一回だけキスしましょうか?
そうしたら何かわかるかも。
もう一回だけキスしましょうか?
そうしたら何かわかるかも。

林檎もプラムもアメリカンチェリーも食べちゃったわ。
意地悪なあなた。
ゆるしてあげない。
そんなに可愛い顔したってダメよ。
ゆるしてなんかあげないんだから。
だからもう一回だけキスしましょうか?
そうしたら、ちょっとだけ、ゆるしてあげる。

COME ON MY SWEET DARLING 

August 15 [Tue], 2006, 23:40
こっちに来なさいよ、my sweet darling。
いつまでそこにいるつもり?
そこに居たって楽しい事なんてないでしょう?
それとも、そこでがんじがらめになってるのが好きなの?
自由になりたいんでしょ。

こっちに来なさいよ、my sweet darling。
この街はとっても憂鬱。
雨なんか降ったらもう最悪ね。
鬱陶しいし、うるさいし、最低の街だわ。
でも、好きなんでしょ、この街が。
あたしも好きよ、この街。
鬱陶しくて、うるさくて、最低、最悪の街だけど。

こっちに来なさいよ、my sweet darling。
寂しいのはお互いさまよ。
傷を舐めあうのもいいじゃない。
孤高の男を気取ってるつもり?
馬鹿馬鹿しいからやめなさいよ。
あんたには似合わないわよ。

こっちに来なさいよ、my sweet darling。
あたしが助けてあげるから。
あたしがあんたを助けてあげる。
自由になりたいんでしょ。
不安定な思春期のまんまで止まってる
あんたをあたしが助けてあげる。

こっちに来なさいよ、my sweet darling。
眠れない夜が続いてもあたしが傍にいてあげる。
だから安心しておやすみよ。

自信を持ちなさい、my darling。
誰もあんたを傷つけないわ。
だから今夜は家に帰らず外に飛び出して
世の中の汚いとこの急所をおもいっきり蹴っ飛ばしてやりましょ!
だから今夜は家に帰らず外に飛び出して
世の中の汚いとこの急所をおもいっきり蹴っ飛ばしてやりましょ!

SING A SONG 

August 15 [Tue], 2006, 23:31
僕は君の体を借りて歌ってる。
僕は君の感情を借りて歌ってる。
僕は君の魂を借りて歌ってる。
僕は君のすべてを借りて歌ってるんだ。

君の口からこぼれ落ちるすべての音は
僕の音なんだ。
君が感じるすべての感情は
僕の感情なんだ。
君の魂はすべて
僕の魂なんだ。
君は僕で
僕は君なんだ。

僕と君は
他人で
双子で
血縁者で
親子で
兄弟で
恋人で
愛人で
そしてひとつなんだ。

僕はいつも君と共に在る。
君はいつも僕と共に在る。
だから心配なんてしなくていいんだ。
何をそんなに怖がっているんだい?
わかってるよ。わかってる。
大丈夫ここは安全だよ。
何の不安も抱かず僕の腕の中においで。
そしてゆっくり溶けていこう。
ゆっくり、ゆっくり、ゆっくり。

僕は歌ってる。君の体を借りて。
僕は歌ってる。君の感情を借りて。
僕は歌ってる。君の魂を借りて。
僕は歌ってる。君のすべてを借りて。
僕は歌ってる。君のすべてを借りて。
P R
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