無色透明。―1話…続き。 

August 24 [Thu], 2006, 22:07
「あっ、えっと、はじめましてっ
 私、今回ファンヴァア国への使者の担当になった
 リング・ザグト・シイクルイガファンです。
 今回は、我が国、シイクとこの国、ファンヴァン国の同盟を結びに…」

リングという者は、此処が入り口だという事を忘れ
無我夢中に話を進める。

「あっ、えと、詳しい話はちゃんとした部屋で…」

そして、レイはリングをその間へと案内した。
王、直々に。


「我が国ファンヴァアとシイク国が同盟を結ぶために お前が来た、ということだな?」
レイは椅子に座り、リングに問う。

「はい、兄のため、国のために同盟を結びに… 理由は、シイク国をマクティナ国が襲いました。
 このままでは、シイク国が危ない、と考え兄は私を使いに出しました。
 なぜ、ファンヴァア国を選んだかというと、
 この国はマクティナ国と敵対していると…」

「わかった、同盟を結ぶことにする…
 リング、といったか。お前、ディクットの妹なのか?」
ディクット、というのはシイク国の王の名前だ。

「はい、私はリング・ザグト・シイクルイガファン。 確かにディクットの妹ですが…」
シイク国の正式名所はシイクルイガファン。

「今日はもう遅い。城に泊まっていくといい」

「すいませんが、兄にはすぐに帰ってくるようにと言われました。 なので、帰らせてもらいます。」
「なら、ウィルク、見送りしてやれ」

ウィルクと呼ばれた若い男はリングを連れ、城を後にする。
ウィルクという人は使用人だ。

「兄さんも随分優しいのね」
陰から見ていたレイの妹、ルディ・バル・ファンヴァアが笑う。
「いつから、其処にいた?」
レイは冷たい目で妹を見る。
「リングさんが来てから。兄さん、あたしには冷たいのに…」
ルディは下を向く。

「気のせいだろっ…。俺は屋敷に戻るからなっ」
レイは城から出る。
屋敷にはレイしか住んでいない…。
妹のルディは城に住んでいるのだ。

「あたしって嫌われてるかも…」
ルディは一言ふふっ、と笑い。自室に戻る。
部屋に行っても何をする、と訳でもないのに。

そういえば、兄さん昔よく言ってたな…
確か、あの時からだったような気がする。
お父さんとお母さん殺されてから。

無色透明。―1話 

August 24 [Thu], 2006, 22:01
無色透明。―The beginning

無色透明…
       それはどんなコトを言うのだろうか?

何も持っていないという

      「無」のコト?

それとも、無色から

     自分を作っていく、と言うコト?

透明、というのは存在が無いってコトなのだろうか?

   それとも


馴染んでる、という意味なのか?


「無色透明……か…」
レイは口に出して言ってみる。
突然、浮かんだ言葉だった。

なぜ、この言葉を深く考えるかというと
幼い頃、目の前で父親、母親が殺され頭の中が真っ白、となったのだった。

無色透明………
それは、この俺、レイ・バル・ファンヴァアにぴったりの言葉だ。
俺は最近、思うようになってきている。


無色透明、それは

      何も無くなり無になると言うコト。


「真実…現実ってなんだろう…なんの為の現実?」
さて、俺はこれから現実逃避ッ、と思っていたところで扉を誰かがノックする。

「レイ様…、シイク国からの使者が来ました。 なので、城へ行って下さい。」

「あぁ、わかった。」

レイが居たのは城の近くにある屋敷。
レイはとても城での生活が大嫌いだったため大臣達が造らせたのだ。
レイ、専用の屋敷を。
なので使者などが来る、と城へと行かなければならないのがとても面倒なことなのである。
それは、レイが望んだことなのだが。

レイが城へ入り、まず、見えたのはその使者だった。
なぜだか、大広の間に行かずに入り口付近にいたのだ。
P R
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