乳房温存手術 

March 09 [Tue], 2010, 23:29
腫瘍径3cm以下の場合にお勧めしています(乳頭からの距離は問いません)。この手術のメリットとしては何よりも乳房が残るということです。ただし、癌および癌の周りの正常乳腺組織も取りますので、多少の乳房の変形・乳首の変形などが起こります。欠点として取り残し(癌の広がりを取りきれない場合)が20−30%にありえます。まれに手術後の顕微鏡検査によって、取り残しの量が多いことが予想される場合には再手術(乳腺全摘や、再度の部分切除の追加)をおすすめする場合があります。また原則として、温存した乳房に対して放射線照射を行います(週4回、1〜1.5ヶ月、外来通院で可能)。(閉経後の方で手術で取り切れていると判断される場合には放射線照射をお勧めしない場合があります。)放射線照射による障害として、色素沈着・乳房が硬くなるなどの可能性があります。また、稀に放射性肺炎を起こすことがあります。放射線照射を行っても10年間のうちに7から8%くらいの人は手術した近辺に再発を起こしてくる可能性がありますが、手術で切除できることが多いです。腋窩のリンパ節については、基本的には乳腺全摘手術と同様におこなっています。

重要なことは、乳房をとる手術をしたとしても、乳房温存療法を受けたとしても、 生存率(助かる確率)は同じであるということです。治療が困難な遠隔再発の率も同じです。どちらかの手術をお勧めしますが、それぞれの手術法には利点と欠点があるので、それらを理解して最終的にご自身で判断していただいてかまいません。現在では約50%の患者さんが乳房温存療法を受けています(乳房温存療法をお勧めしていない人も含めての割合です)。

長所
胸筋を残すため、胸筋を切除する手術(ハルステッド法)のように、手術した後にわきの下がへこむことがなく、皮膚に肋骨が浮き出ることもあまりありません。腕や肩の筋力低下や運動障害の程度も少なくなります。

短所
胸筋を切除する手術ほどではありませんが、腋窩リンパ節を郭清した場合は、腕のむくみを生じることがあります。腕や肩の運動障害を回復させるために、術後の十分なリハビリテーションが必要です(センチネルリンパ節生検で腋窩リンパ節郭清を省略できた場合は、このような障害が少なくなります)。また、胸筋への神経が保存されていないと、胸筋を残しても、後になって筋肉の萎縮が起こります。
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