人に話してタイムカプセル

November 19 [Sun], 2017, 2:07
毎年恒例のイベントがあって、久しぶりに母校の大学へ行ってきた。

卒業してから3年間は、そのまま事務のお姉さんをしていたので、母校であり、最初の職場。
久しぶりに会った先生方に挨拶し、
顔見知りの卒業生の人たちとも言葉を交わして、
「懐かしい」と感じられる居場所があることがありがたいと思う。

仲良くしてもらってた1学年上の先輩に転職の報告をしたら、
「そういえば、消しゴムはんこ職人になるって言ってたよね」
と返された。
クリエイティブな方向のお仕事できて、ちゃんと夢の方向に進めててよかったね、と。
わー!そんなことも言ってましたね、と汗が出た。
そして、先輩がその話を覚えててくれたことに感動した。
そういえば、前にはゼミの先生も覚えててくださっていた。

今では、言われるまですっかり忘れていたようなことだ。
大学4年生だった私は就職活動で迷走して、何がやりたいかわからなくて、とりあえず適当に目についた消しゴムはんこのワークショップに申し込んだ。
手軽にできて、完成させる手応えも感じられるのがうれしくて、一時期ずっと彫り続けていた。
将来やりたいことはわからないし、どんな会社で働いたらいいかなんて見当もつかないけれど、今この消しゴムを彫るのは自信を持って楽しいと言える。

3年契約の事務の仕事が決まったとき、「消しゴムはんこ職人になりたい」と結構な数の人に話したのだと思う。
本気で作家や職人で食べていくつもりだったわけじゃない。
自分でもバカみたいだと思いながら、それでも、適当に就活するよりは、私にとって実現度が高いように思えた。

あのとき、周りの人たちに宣言した心境をはっきりと覚えているわけではないけれど、それなりに覚悟と勇気が必要だったことは間違いない。
それでも、なんとか自分の人生に向き合いたくて、自分なりに出した答えだった。
思い出しても汗が出るような話だけど、8年経って、思わぬタイミングで聞かせてもらえて、なんだかタイムカプセルを掘り起こしたような気持ちになった。
覚えててもらえるものなんだなぁ。
口に出して伝えるって、そんな効果もあるのだわ、という驚きと感動を味わった。

今の私は、あの頃の自分からはまったく見えてなかった場所にいる。
人生の選択、ちゃんとつながっていくのだな。

あれから毎年、年賀状を手作りの消しゴムはんこでデザインしてて、
途中からはなんとなくの恒例になってたんだけど、
そうだった、あのとき気持ちを忘れたくないって思って始めたんだった、と思い出した。
今年はもういっかって思いかけてたんだけど、やっぱり出さねばだ。
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