歯科って・・・ 
2007.05.20 [Sun] 13:53

まず最初にお伝えしなければならない事があります。それは、“ほとんどの治療は歯のリペアー(修理)をしている”という事です。
「リペアー」と聞いてみなさんはどのようなことが思い浮かびますか?私は車の修理がすぐに思い浮かびました。
 新車はいいですよねぇ。ボディーはピカピカだし、車内にはチリひとつ無く、ガラスも透明ですみきってる。また、新車特有のいい香り(?)も漂い、買った当初は歩いていけるちょっとした距離でもわざわざ車で行っちゃう程、ワクワクしますよね。
 でも5〜6年経って、どこか1つ、例えばバッテリーだったり、タイヤだったり、あるいはエアコンだったりしますが、何か1つでも問題が出始める、とその時点からは思いもよらない問題が次々に発生し始めます。その度に車の持ち主は修理やパーツの交換をしなければならない訳ですが、もちろん新車に戻ることはありません。また、修理・交換を繰り返すうちに段々と難しい問題が発生するようになり、修理する間隔も短くなり、そのうちに修理自体ができなくなった時はいよいよ応急処置、そしてとうとう廃車となってしまいます。さみしいですね。

でも、ここで考えてみてください。このパターンって、歯とその治療と同じだと思いませんか?
 永久歯であれば例えば虫歯によって悪くなったところは削り取られ、代わりに歯の色と同色に近い硬質のプラスチックをつめて固め、見た目・形は一見元に戻ったかのように見えますが、しかし1度削ってしまった歯の質は実際には絶対に戻ってくることはあません。
“それは分かるけど、治療して治したところがまた悪くならなければいいわけでしょう?”
そうなんです。しかし残念ながらそうならない理由が少なくとも2つあります。

@ 虫歯になったところはもともとよごれやすく、磨きにくいところという事実

→ 治療が終わればもう安心、と思っている人が、治療後に反省し、予防を徹底するなんて事はよほど歯医者や歯科衛生士に強く言われなければ起こらない。だから、再発は同じ場所に数年で起こってくる

A 虫歯を治したところは削った歯の面に人工の材料を接着しているだけという事実

→ つめた材料はもちろん、つめ物を歯につける時には必ず歯と材料をくっつけるための接着材料を使いますが、この両者とも時間とともに劣化していきます。また、接着したということは接着した境界がもともと虫歯になりやすい磨きにくいところにあるわけですから、順番としては 材料・接着剤の劣化→虫歯の接着界面へのしみ込み・定着
 →内部での虫歯の再発 となる訳です。
このパターンは材料・接着剤の種類により差はありますが、一般的なもので3〜5年でそうなっていくものと考えています。しかし、材料の周りに虫歯菌がたくさんいる状態では虫歯菌が出す酸などの影響で材料の劣化が急速に進み、1〜2年で破壊に至るのではないかと思います。
 逆に、歯ブラシの仕方が見違えるように良くなった場合、たとえ接着界面が何らかの外力で壊れてしまっていても、その中にしみ込むものが例えば唾液中のカルシウムや歯磨き粉の中のフッ素成分などが主なものになるため、再石灰化など、歯にとって有利な現象が起こっていると考えられます。この場合、3〜5年で寿命の材料でも場合によっては10年〜20年という長期間、そのまま問題なく経過することもまれではありません。そして、たとえ取れてしまっても中はきれいに保たれていることが多いので、ほとんど削ることなく再治療が終わることが多い、という事を毎日の診療をしていて感じます。

まあ、専門的に言えばまだいろいろな要素が考えられるんですが、特別覚えても意味の無いことなのでここではこれ以上触れないでおきますが、要するに、
後からつけた物(材料)は、口の中という過酷な状況下では、
年々必ず劣化する。それは、たとえつめようが、かぶせようが、
つなげようが、入れ歯であろうが、同じことである。
しかも、手入れ(歯磨き)が不十分な場合はその劣化がさらに
加速してしまう。
ということを知っておくべきなんです。しかし、なぜかこのことがみなさん理解できない。車のたとえでは当然と思えることも、なぜか(歯)のことになると“そんなはずはない!”になっちゃう。多分、いやでも我慢して治療したので、何事も無くずっとそのままでいてほしいという願いがそう思わせてしまうんでしょうね。

宇都宮市 歯科医院 なら
 

歯科医院?
2007.05.20 [Sun] 13:51

ここで、患者さんの言葉の内容と、その意味を考えてみます。

「悪いところがありましたら、全てお任せしますのでよく治療してください」
→自分の歯の状態がかなり悪いということは、漠然とではあるが感じていて、しかし、話し合っているうちに(こんなことは出来ません。こうするとこれくらいの費用がかかるのですが)という事を言われたくない。また現時点では治療さえすれば完全に治るとかたくなに信じている状態。

=治療内容については聞いたところでよく分からないし、それが自分にとっていいかどうかも判断できない(だろう)から、任せておけば悪いようにはしないだろう。もちろん治療費については何も言ってないので、まず保険のきく範囲でそれなりにいい治療をしてくれるに違いない。

≒あなた(歯医者)の判断で、私(患者さん)の納得のいく程度に、出来るだけ安く、早く、痛くなく、長持ちするように治療してほしい。もちろん、そういう結果になることを前提に、治療に対する説明は、頭を使いたくないのでしないでほしい。
 でも、何かあったら責任は取ってほしい。だって、あなたの判断に全てゆだねたのだから。

まあ、すべてがこのパターンである訳ではないと思いますが、こうやってお任せされた歯医者は言葉の裏側にある患者さんのそんな期待をなんとなく察してしまうために、できるだけ早く、この状態を切り抜けたいと思ってしまう訳です。だって、神様ではないんですから、なにも聞かないで患者さんの希望どおりにできるわけがないんです。

また、こういった感じで治療方法を丸投げされた歯医者が、もし言葉そのままの意味で受け取ってしまった場合、どうなるのか考えてみました。多分次のような意味合いになるでしょう。
歯医者にすべて任せるので、よく治療してください。

=できる限りよい状態を将来にわたって保ち続けられるように、時間と費用の制限をはずし、とにかく徹底的に自分の今の持てる力を出し切って対応する。もちろん、その結果も患者さんの期待に十分応えられる内容である。

どうでしょう?両者とも全く違う解釈になりますよね。
しかし、このように依頼してくる患者さんが、そんな風には考えてはいない事を我々歯医者はよく知っています。なぜかというと、後々クレームをいただかないように聞いてみる事が多いからです。たとえば、

「私にすべて任せられるんですか?まあ、やって出来ないことはないんですが、そういうことになりますと今考えられる私の最高と思える技術でお応えしなければなりませんが、時間も期間も、費用も最高にかかりますよ、よろしいんですか?」

「えっ?あ、いや…それは困るんで。保険はきかないんですか?」

「もちろん、保険内でもできますが、私の考える理想的な治療ということになりますと、保険内という制限下ではとてもできませんが、どうしますか?」

「あぁ、じゃあ保険でお願いします。」


と、だいたいこのようなパターンで落ち着きます。しかし、丸投げしているにもかか  わらず念のために確認すると、いろいろと細かい希望が次から次へと出てくる場合もかなりの割合であり、しかも希望の種類によっては保険ではできないような内容となることも多いのです。
ですから、時間の許す範囲でいろいろと質問をし、患者さんの希望を明確にしていかなければいけない訳ですが、前にも説明したとおり通常歯医者はかなり時間に追われていることが多いため、そうしたくてもなかなか思うようにはいかず、またたとえ出来たとしても患者さん側に前もって十分な情報が与えられていない情況では、なにか押し売りしているような、妙な雰囲気になってしまうことも多いのです
そんな理由で、本当に患者さんが望んでいる治療と、言われている内容とが一致しない場合は、トラブルを避けるためにあたらず触らずクレームいらずの治療となってしまうのです。


宇都宮市 歯科医院 なら
 

歯科に行かねば…
2007.04.08 [Sun] 21:13

確かに歯医者は歯の治療のプロです。特に腕のいい歯医者であれば日々勉強し、新しい進んだ技術を自分のものにしているはずですから、1つの状況に対してたくさんの治療方法を提案することが出来ます。しかし、ここで困ってしまうことは、どんな方法を選んだとしても必ずその優れた面と、そうではない面があるということです。
どういう事かといいますと、まず1つの方法を仮に候補に上げたとして、その方法と他の方法を何を基準に比較するか、ということです。
 たとえば、痛みがあるのか無いのか、簡単に短期間で治療できるのか、見た目に影響はあるのか、違和感が強いか、長持ちするのか、費用が多くかかるのか、後々問題が出た時に対処しやすいのか…などなど。これらのたくさんの項目について、さらに“どの程度”と言う事まで考えると、たとえ1本の歯を治療するにしても、もう、これは直接患者さんの希望を聞いてみるしかないということがお分かりでしょう。
 しかし、治療方法はすでに歯医者に丸投げされてしまっているので、普通の歯医者であればこんな時どのように処理するとみなさんは想像しますか?例えば、出来るだけ長持ちする、後にトラブルの少ない、見た目にも最大限の配慮をした、しかし時間も費用もかなりかかる治療をいきなり始めると思いますか?
 いいえ、まずそんなことはしません。なぜなら、治療が進んでから出始める患者さんからのクレームを歯医者は何よりも心配しているからです。その中でも、費用に対するクレームは聞きたくないのです。
 だから、こんな場合は普通どのようになるかというと、実は次のような治療が自動的に選択されていきます。

・ できるだけ費用がかからないもの
・ 治療期間もできるだけ短期間
・ 現時点で症状や問題があり、患者さん自身がそれをよく分かっている部分のみ
・ 後々クレーム(余計な治療をしてるんじゃないの?なんていうたぐいの)が出ないであろう場所のみ

なせ、こうなってしまうのか?
宇都宮市 歯科医院 なら