今回は、3月28日にリリースされた、中森明菜のニューアルバム「バラード・ベスト -25TH ANNIVERSARY SELECTION-」をご紹介します。
デビュー25周年を記念してリリースされた今作は、中森明菜の真骨頂との言える、バラードセレクションによるもの。過去にも、多数のバラードベストをリリースしてきた彼女。正直、「またか・・・。」と思っていたのも事実です。しかし、収録内容を知ってびっくり!「難破船」「SOLITUDE」「帰省〜Never Forget〜」が、2007Versionの新録音で、新たな息吹が吹き込まれているという事で、黙っているわけにはいきません!これは、今までのバラードベストとは、一味違うぞ!と、楽しみにしていました。
そして、リリース日の仕事帰りに、ふとFMから流れてきた音楽が、「難破船」だったんです。「ん?なんとなくボーカルが違うような・・・?あ!もしかして!?」
そうです。なんと、今回のアルバムの特集を組んだ番組が放送されていたんです。思わず、真っ直ぐ帰路に着くのも忘れ、家とは全く反対の方角に車を走らせていました。どうしても、中森明菜の今の歌声をじっくりと聴きたくて・・・。
次に流れてきたのは、「あの夏の日」。なんとも意味深なタイトルで、リリース前から話題沸騰だった未発表曲です。これまでの彼女にはなかったタイプの楽曲で、優しい雰囲気が漂う、今の季節にぴったりな春らしい楽曲でした。この曲は、今のような掠れたボーカルだからこそ生きる楽曲で、1人、散りそうな夜桜を見つめながら、じっくりと浸るにはぴったりといった感じです。
そして、「SOLITUDE」。正直、85年のリリース当時は、あんまり好きじゃなかったんです。小学生だった私には、シティ・ポップスの良さがまだわからなかったんですね。全体的に、非常に地味な印象で、退屈感すら覚えてしまっていました。しかし、この2007Versionでは、美しいストリングスの調べと共に、22年前とは明らかに違った、抜群の存在感と表現力で、見事、素晴らしい楽曲に生まれ変わっていました。40代に突入した彼女が歌う「SOLITUDE」。この雰囲気こそが、この作品の本来の姿だったのでは?と思ってしまうほどの出来栄えで、思わず運転中の車中で、叫んでしまいました。自らの意思で「ぜひシングルに!」という事でリリースされただけあって、かなり思い入れがある曲だったんでしょうね。この曲に対する愛情が、ヒシヒシと伝わってくるボーカルは必聴です。
ここまで聴いて、車中であまりに感動してしまった私でしたが、期待していた「帰省〜Never Forget〜」が、残念ながら放送されなかったんですね。家に帰ってからは、もちろん、その日のうちにCDをオーダーしてしまった事は言うまでもありませんね。
そして、「帰省〜Never Forget〜」ですけど、アレンジとしては、ほぼオリジナルに忠実で、最初のうちは、あまり原曲と変化がなく、少々肩透かしを食らった印象でしたが、後半になるにつれ、オリジナルとの違いがはっきりとわかってきました。彼女のボーカルの深みがさらに増しているんです。ここ数年の彼女のボーカルは、以前のような伸びのあるボーカルはすっかり影を潜め、心の奥底から絞り出すかのような低音の叫びに変化してしまいましたが、年齢を重ねる毎に、そんな低音のボーカルも円熟味を増し、かなり良い味を出すようになったんですよね。この「帰省」は、いまだテレビで披露したことがなく、ライブでの歌唱も商品化されていないので、なかなか熱唱している姿を拝む事が出来ないという、貴重な作品。90年代以降の、彼女の最大の名曲といっても過言ではないと思います。
この他にも、「LIAR」、「水に挿した花」、玉置浩二作曲による「陽炎」、飛鳥涼作曲の「予感」、そして「二人静」など、懐かしい名曲がズラリと並んだ、バラードセレクション。デビュー25周年を迎え、ボーカリストとして、さらに円熟味を増した「中森明菜」の今がギッシリ詰まっていて、1作品1作品が、まるでドラマのように、素敵な世界が繰り広げられています。この掠れたボーカルこそが、彼女の人生・生き様そのもの。「中森のバラードベストは、いっぱり出てるから要らない!」なんて言わずに、騙されたと思って、ぜひ1度聴いてみてください。絶対に損はさせませんよ!
バラード・ベストを家の中で繰り返し繰り返し聴いて感動している私です
「あの夏の日」が私的には特にお気に入りでいつかカラオケでも歌ってみたいと思っています(^o^)