スキー教室

January 26 [Tue], 2010, 13:13
今年に入ってから、「散財.com」というweb家計簿をつけています。(名前がどうもアレですが)
以前から紙の家計簿はつけていましたが、現実を直視したくなくて、月末に〆なかったりして後でびっくり、なんてことがあったので、すぐにグラフまで作ってくれる散財.comは非常に便利です。今月の市丸家はファッション費がどえらいことになっております。


さて、雪は少ないものの、寒さ厳しい村上市です。
新潟県の冬のレジャーといえば、やはりスキー。
この頃は子ども達の上達がめざましく、もう放っておいても上級者コースかららくらくと滑ってくるほどです。
ああ、楽だわ… スキー場まで子ども達を連れてさえくれば、あとは一日勝手に楽しんでくる…
… それにしても楽しそうだな… どれ、ちょっと私も …
と、ここまでくれば、飽きるまで突き詰めないと気が済まないのがO型の気質。しかもどうせやるならかっこよく。今までは放任気味のコーチ(夫)に指導を受けていましたが、指導方針などの考え方の違い(主に感情のもつれ)から、師弟関係を解消していたのです。
そんなわけで数年のブランクがありましたので、「えっ、なんで俺も?」と戸惑う息子と一緒に、スキー教室に通うことにしました。


レッスン中はまったく写真を撮る余裕がなくて、リフトに乗ったときにようやく撮った一枚。


レッスン初日。
イケメン先生だったらどうしよう、とドキドキしていましたが、現れたのは父よりもややお若い位の先生。急激にテンションの下がる私の気持ちを知ってか知らずか、物腰やわらかな先生は容赦なくレッスンを繰り返します。

子曰く
ストックを持った両手とおへそを結んで、三角形になるように
斜面に対して体が垂直になっているイメージで
ブーツの後ろに寄りかからないように、かといって前面に寄りかかりすぎないように
テールよりもトップを意識して
ストックは体の真下に刺して、そこを基点に回り込むとターンがスムーズにいく
常に板の上で体を連動させていること
子曰、学如不及、猶恐失之…

あら… ここで不意にデジャヴに襲われるわたくし。
これはすべて、かつて夫に言われていたことではありませんか。
夫に言われると、「わかってるよ、うるさいな! なんでそんな言い方するの!」なのに、スキーの先生に同じことを教わると「そうか〜、そうですよね〜」となぜか胸にストンと落ちるように理解できるから不思議です。
理屈はわかっても体がついていかないのがアラフォーの悲しさ。先生に「うーん、さっきよりいいですよ」と言われて、それってさっきはひどかったけどそれよりはマシってことですか ていうかそんなにヘタならもうどうでもいいってことですか などと心が折れそうになりつつも、なんとか初日は終了。


何かをつかみかけたような気がするのですが、すべては来週のレッスンのときに結果が出るような気がするようなしないような。がんばります。

まゆ玉飾り

January 11 [Mon], 2010, 21:56
新しい年になりました。皆さま良い年をお迎えのことと思います。

自宅からすぐのスキー場へ初滑りに行きましたが、素晴らしくいい雪質で、しかもあまり混んでいなくて(…いいのか?)快適に滑れました。今年はちょっくらレベルアップしようと目論んでいますが、子ども達の上達の早さを目の当たりにして、すでに勢いがそがれております。
子ども達よりも先に、ショートターンができるようになるわ!

毎年小正月にかけて飾っている、まゆ玉飾り(団子の木飾り)を今年も飾りました。
昨年は飾り物がちょっと少なくて、やや淋しい感じでしたが、今年は買い足したので、華やか、にぎやかになりました。


立体になっているものは、すでに細く切った和紙がついていますが、平たい形のは自分で和紙を貼り付けます。丸いのは弊店では枝の先につけていますが、細い和紙に3個くらいずつつけるのもアリだそうです。全部つけるのに1時間くらいかかったでしょうか。


今年は雪が少ないとはいえ、まだまだ寒い村上市。でもこの小正月の飾りをすると、春がすぐそこに来ている気がします。

屏風と国体

October 05 [Mon], 2009, 15:20
第9回 城下町村上 町屋の屏風まつりが絶賛開催中の村上市です。
あら? 屏風まつりって9月30日までじゃないの?というあなた。通ですね。そう、毎年9月10日から30日までの開催ですが、昨年に引き続き、新潟県大観光交流年に協賛しておりますので、今年は10月12日まで期間を延長しての開催となります。あと1週間ほど屏風と村上の町屋風情が楽しめますので、秋の村上にどうぞお出かけください。


新潟県で2回目の開催となる国体「トキめき新潟国体」も残すところあと1日。ええ、実は新潟で国体やっていたんですよ。開催県にとってはどえらいイベントなのに、全国的にはまったくニュースにならないなんて不思議ですね。ちなみに去年は大分県、来年は千葉県での開催だそうです。んー、そういえば大分で国体があったなんて、記憶にありませんねぇ。

時はさかのぼって、9月26日。国体開会式のオープニングセレモニーの1コーナーである「炬火(きょか)集火セレモニー」に、村上市代表として息子、娘とともに、私も東北電力ビッグスワンスタジアムに行ってまいりました。

炬火というと聞きなれないですが、オリンピックの聖火にあたるものです。
新潟県には31市町村ありますが、それぞれの市町村で独自の方法で炬火を採取して、あつまった31の火を国体開会式に行われる炬火点火に先駆けてひとつにしようというのが炬火集火セレモニーなのです。

あつまった各市町村の代表者は、さすがにそこを象徴するような凝った装いをしてきています。ゆるキャラがある阿賀野市、聖籠町、長岡市、加茂市などは当然、ごずっちょ、緑丸、フェニックスくん、カモレンジャーの着ぐるみで参加。天地人でブレイクした上越市と南魚沼市は甲冑姿で。柏崎市、佐渡市は綾子舞や鬼太鼓といった郷土芸能。三条市や小千谷市は、特産の三条六角凧、小千谷縮で地元の特産品をアピールするなど、それぞれ楽しい趣向でした。

さて我らが村上市はというと、村上町屋商人会で主催している人形さま巡り、屏風まつりという2つの催しが、県北の城下町村上市を象徴する催しであるということで、光栄にも私たちに代表の白羽の矢が立ったのでした。


ちび雛さんの足元にあるのが、村上市の炬火が入っているボートランプ。この火を炬火棒に移して (この間いろいろあったので中略) 炬火台へ。 村上市の奥にいるのは小千谷市の皆さんです。その奥は新潟市の皆さん。スタンドが空いてますが、この後選手が着席していました。


人形や屏風そのものを持ち込むのもなんだしということで、子ども達に人形さまのイメージでお雛さまの衣装を着せ、私たち商人会メンバー3人は祭のはっぴを着てセレモニーに臨みました。スタンドの観客に、人形さま、屏風まつり、そして村上大祭の村上市だとアピールできたかしら…

午前からダンスや少林寺拳法の演舞などが行われていたオープニングイベントの一部であった炬火集火セレモニー自体は、20分程度であっという間に終り、後はスタンド席に移動して気楽に開会式の見学です。とはいえ天皇皇后両陛下もご臨席されるので、セキュリティチェックがあったりして、入場口周辺はややものものしい雰囲気です。


開会式がようやく始まり、各県の選手が入場して、いよいよひとつになった炬火の点火。フィールド内でも点火リレーが行われ、最終走者がでっかい炬火台に点火… する前に引火しちゃったみたいで、ちょっとタイミングをはずした感がありましたが、ま、無事に火はついたし、結果オーライということで。いずれにせよ、私たちが関わった炬火があかあかと燃えさかるのを見て、感慨深いものがありました。

この後、炬火台がウィーン!と高く伸びて、会場は一瞬騒然。


村上市でもトライアスロン、相撲、軟式高校野球、銃剣道の大会が行われ、その他にデモンストレーションとしてスケートボード、3B体操、リズム体操が行われました。うちの子たちの学校でも、全校でリズム体操に参加しましたので、応援に行ったり、弊店の目の前の道路がトライアスロンのランコースだったりしたので、店もそこそこに応援したり、ちょっとだけだけど国体競技を見ることができました。

選手や役員はもちろん、県内のスタッフやボランティアなど、ものすごい数の人たちが参加した国体もそろそろ幕が閉じようとしています。関わった全ての人に乾杯です。

明日は大祭

July 06 [Mon], 2009, 13:34
ある日息子がトイレから出るなり、「おかあさんおかあさん、今ね、ぼくね、すっごいながーいのが出たんだよ!」と報告してきました。「まああ、そうだったのー、どんなに長いか、お母さんも見てみたかったわー、残念〜」とやや大げさに言ったところ、翌朝から毎日毎日…(以下自粛)そんな毎日のわたくしですが、みなさんお元気ですか。

さて季節はめぐり、梅雨なのにさっぱり雨が降らない村上市です。明日から村上大祭なのですが、どうにか明日までお天気が持ってほしいところです。
この時期、弊店では村上大祭のはっぴの仕事でてんやわんやになります。祭には19町内のおしゃぎりが巡行され、それを曳き回す町内の人たちが着るはっぴも町内によって柄が異なります。祭の日、町中にはっぴ姿の人たちがあふれる様はとても壮観です。




さてこの帆船のようなもの。これは代紋と腰型を糊置きしたはっぴの生地に、ケタ(張木)をつけて張っているところです。この後ネズ(グレーの染料)を刷毛で引いて、さらにネズ型(グレー部分の柄になる型)を糊置きし、硫化染料で濃紺に染めていきます。

一着ずつ手作業でやっているためなかなかはかどらず、お客様をお待たせしてしまうのですが、弊店で染めたはっぴの後姿をこっそり見るのは、うれしい一瞬でもあります。

遠くから「チャンチャンジキジン」とお囃子の音が近づいてきました。今日は宵祭なのでおしゃぎりの曳き回しは午後のわずかな時間。明日の本祭は、まだ夜が明けないうちから深夜まで続きます。子どもも大人もヨレヨレなのですが(特に大人が)それでも祭に関わるのは、村上の町衆にとって最大の喜びなのです。

7日の夕方は弊店前の道路に帰り屋台がズラリと勢ぞろいします。ちょうちんに灯りが入り、盆歌も最高潮になって祭のクライマックスの舞台になります。いつも7日になると、「この場所に店をつくってくれてありがとう…」と初代に手を合わせる私。それほど見ごたえがありますのでどうぞお見逃しなく。1年で一番熱い日の村上市にどうぞお越しください。

えちごの風 6 「町屋の人形さま巡り」

April 21 [Tue], 2009, 13:24
昨日発売の「デジタル写真生活 vol.19」の「ふぉっとサロン」という投稿コーナーに、なんとわたくしの作品を掲載していただきました。写真が写真なので、ちょっと拙ブログに載せるのははばかられますし、掲載にあたっては子どもたちから大ブーイングでしたが、私としては大変うれしく思っています。まえの先生にも「インパクトありますね〜」ってほめられちゃったし♪
「市丸」名で掲載されていますので、もし機会があったらご覧下されば幸いです。


さて、昨年の5月から6回にわたって、朝日新聞新潟版のリレーエッセイ「えちごの風」で連載をしておりました。自分の備忘録がてら、掲載分を再録します。今回で最終回となります。校正時に語尾や言い回しなどを変更したものが掲載されていましたが、今回再録するものは、変更していない文章になります。なお、タイトルは担当の方がつけたものです。



リレーエッセイ えちごの風
町屋の人形さま巡り  暮らしと人情に触れる

春の気配がし始める頃、村上で楽しんでいただきたいのが「町屋の人形さま巡り」です。村上には「町屋」と呼ばれる古建築が数多く残っていますが、その町屋の中に飾られた、その家伝来の人形を巡って楽しむ催しです。今年は70軒の参加店があり、それぞれのお家の人形を巡るだけでも、1日では回りきれないほどです。

人形さま巡りを、スタンプラリー的に急いで回るのはあまりおすすめできません。村上にせっかくいらしたのなら、ぜひゆっくりと村上の町屋風情にふれていただきたいからです。城下町の面影を残した町並み、村上ならではのおいしいものとも出会っていただきたいところです。それらを、人形を巡りながら楽しむことができるのが、人形さま巡りなのです。

参加店の店先には「開催中」と書かれた辻看板が立っているので、気軽に入ってみてください。その際、お店の方にあいさつをするのをどうぞお忘れなく。多くの参加店では、人形を店先ではなく、プライベートの場である内部に飾ってあります。お互いに気持ちよくいられるよう、ぜひ一声かけてくださるようお願いします

町屋の中に一歩足を踏み入れると、吹き抜けの天井にむきだしの太い梁、大きな神棚、囲炉裏でいぶされた土壁など、まるで江戸時代にタイムスリップしたかような空間が広がっています。

 しかし、村上の本当の魅力は「村上人」。地元の人の人情こそが宝なのです。「人形さま巡りは人巡り」ともいわれるように、村上名物な人がそれぞれの参加店にいるのです。人形を見るだけなら、博物館などでも見ることができますが、実際に生活している町屋で、その家の人に説明をしていただきながら人形を見られるというのは、村上ならではだと思います。

村上の名物は、三面川を遡上する鮭、地酒、村上人の人情ということから、「鮭・酒・情け」ともいわれています。ぜひ村上の「さけ」に出会いにいらしてください。

第10回 城下町村上 町屋の人形さま巡り
3月1日〜4月3日まで開催

(2009年4月1日掲載分)

えちごの風 5 「誂え」

April 20 [Mon], 2009, 11:20
昨年から夫が自転車通勤をしております。とは言っても、冬期間はお休みしていたのですが、ようやく村上市も春真っ盛りになってきたので、先週からやっと再開したのです。
きっかけは昨年のガソリン価格の高騰だったのですが、夫が乗っているロードバイクとかいう自転車が、ガソリン代よりもえらく高い。どう考えても節約じゃなくて浪費です。
自宅から夫の仕事場までは、自転車で行くというとびっくりされる距離なのですが、今のところ何とか楽しく通勤しているようです。いつまで続くのか、そしてメタボは解消されるのか、夫の周辺は夫を生温かく見守っています。


さて、昨年の5月から6回にわたって、朝日新聞新潟版のリレーエッセイ「えちごの風」で連載をしておりました。自分の備忘録がてら、掲載分を再録します。校正時に語尾や言い回しなどを変更したものが掲載されていましたが、今回再録するものは、変更していない文章になります。なお、タイトルは担当の方がつけたものです。



リレーエッセイ えちごの風
誂え  記念の品に大人の贅沢

「オーダーメイド」や「誂え」と聞くと、高そう、敷居が高い、というようなイメージを持つ方は多いと思います。でも特別なときに使うものや、いつも使える身の回りのものを誂えるのは、記念になりますし、お店の方と納得行くまで話し合ってつくるので、出来上がったものに対して満足度が高いものです。
そもそも誂えるようなものがないと思う方でも、身近なものの誂えは可能なのです。呉服関係は誂えものをよく取り扱いますが、その他にもアクセサリー、革製品、オリジナルのポストカード、大きいものでは家具と、誂えられるものは本当にたくさんあるのです。小物や身の回りのものを誂えるのは、大人ならではの贅沢な楽しみといえるでしょう。

弊店でもお誂えを承っていますが、中でも手ぬぐいのお誂えは、それぞれ個性的なデザインになり、関わる私にとってもとても楽しい仕事になります。どのような目的で使うか、柄のイメージ、色目などのお話を十分にうかがい、デザインを決めていきます。手ぬぐいらしからぬポップな柄やかわいい色を提案すると、最初はびっくりされますが、思っていたよりも自由にデザインを遊んでいいのだと、気に入ってくださいます。
時にはまったくのおまかせで、というお客様もおられますが、そんな場合でもお客様との会話の中から求めるものを引き出すのも私どもの仕事なのです。

値段がわからなくて心配なときは、お店の方に予算とイメージを伝えれば、それに合わせて提案をしてくれるはずです。思っていたよりも安い値段で、市販のものよりも品質が良くて、イメージ通りのものができるのに驚かれると思います。

また誂えものは、注文してから出来上がるまで時間がかかってしまうもの。特別に思いを込めて細かく注文したものならばなおさらです。しかし手元に届くまで、わくわくしながら待つのも誂えの醍醐味です。

市販の安価なものがあふれる現代だからこそ、これから買うものはよく吟味して、長く使えるいいものを選ぶということは、美しい姿勢だと思います。思い切ってのれんをくぐってみたら、お誂えの新しい世界が広がるかもしれません。

(2009年1月16日掲載分)

えちごの風 4 「村上の町並み」

April 15 [Wed], 2009, 14:14
昨夜久しぶりに加藤克巳の初期の作品集を読みましたが、いつ読み返してみても言葉のひとつひとつが新鮮に響きます。これが大正生まれの人の歌とは。

まっ白い腕が空からのびてくる抜かれゆく脳髄のけさの快感

は有名な一首ですが、この歌にはじめてふれたときの衝撃は忘れられません。その他の歌も、みずみずしい感性がほとばしる感じ。言葉の力強さが圧倒的です。埼玉にお住まいだそうですが、いつまでもお元気でいてほしいと思います。


さて、昨年の5月から6回にわたって、朝日新聞新潟版のリレーエッセイ「えちごの風」で連載をしておりました。自分の備忘録がてら、掲載分を再録します。校正時に語尾や言い回しなどを変更したものが掲載されていましたが、今回再録するものは、変更していない文章になります。なお、タイトルは担当の方がつけたものです。


リレーエッセイ えちごの風
村上の町並み 古地図携え歩くのも一興


村上市は新潟県でも最も古い城下町として知られていますが、江戸時代に作られた中心市街地の古地図を見ると、現在の町の姿とほとんど変わりないことに驚かされます。

 堀や枡形こそ姿を消したものの、敵から姿を隠すためにある、道がカギ状に曲がっている「武者隠し」や、町なかに無数にある小路の名前などは当時のままです。

 古地図は万が一地図が敵の手に渡ったとき、町の全貌が容易に明らかになることを防ぐために、わざと通りの規模を偽って表示することがあったようです。現に弊店の脇を通る「紺屋小路」という小路は、実際には車一台がやっと通れるほどの道幅なのですが、古地図では大通りと同じ幅で表記されています。古地図を頼りに紺屋小路を探した人は、さぞかし迷ったことだろうと思うと、地図を描いた人のしてやったりという顔が思い浮かんで、ニヤリとさせられます。

また、かつて村上城は中心市街地の東側に位置する臥牛山の山頂にあって、現在は石垣のみが城址として残っていますが、町なかの道によっては山がまったく見えなくなるところがあります。道が湾曲していて、角度によって見えなくなるためなのですが、これも城へ攻め入られるのを防ぐための工夫だったのでしょうか。古来の町割り(都市計画)では「山当て」といって、山が目印になるように、町なかのどこからでも山が見えるような道路計画をしていたようですが、町の規模がコンパクトな村上なので、実際よりも町を大きく見せるためだったのかもしれません。

初めて村上を訪れた方は、よく「村上の町の中はわかりにくい」とおっしゃいます。わざわざわかりにくいように都市計画されているので、そのように思われて当然なのですが、なぜそんな町割りになっているのかということに目を向ければ、城下町の町並みについてさらに興味が深くなるはずです。

「村上城下絵図」という名の古地図の複製版は、郷土資料館で入手できるそうですので、古地図を携えて村上の町を歩いてみるのも一興でしょう。

(2008年11月21日 掲載分)

えちごの風 3 「村上 町屋の屏風まつり」

April 13 [Mon], 2009, 15:22
ようやく村上市の桜も咲き始めてきました。
ちょっと寄り道をして、大きな桜の木があるところを通りながら町なかを移動しています。


さて、昨年の5月から6回にわたって、朝日新聞新潟版のリレーエッセイ「えちごの風」で連載をしておりました。自分の備忘録がてら、掲載分を再録します。校正時に語尾や言い回しなどを変更したものが掲載されていましたが、今回再録するものは、変更していない文章になります。なお、タイトルは担当の方がつけたものです。
 


リレーエッセイ えちごの風
村上 町屋の屏風まつり  地元の人と交流深める

秋めいてくると、どこかに出かけたくなるものですが、そんな時は村上市の旧町人町へ出かけられてはいかがでしょうか。

9月10日から「城下町村上 町屋の屏風まつり」という催しがはじまります。これは3月の人形さま巡りと同じく、町屋巡りをしながら、家々に伝わる屏風やお道具などを訪ねて楽しむ催しです。ふだんは入ることのできない町屋の内部までも見学でき、貴重な屏風などを見たり、そぞろ歩きを楽しんだりと、秋の1日を楽しめる催しとして人気を集めています。

 屏風や人形を巡るイベントは全国各地にありますが、村上がとりわけ出色なのは、村上人との温かい交流があるからなのです。来られたかたおひとりおひとりに屏風の由来や町屋の造りなどをていねいに説明し、時にはよもやま話にまで発展するという、それがふれあいを大切にしている村上人ならではのおもてなしです。

 さらに町屋造りの建物にも目を向けていただきたいところです。表から裏まで突き抜けている通り土間、神棚の上に広がる吹き抜けの空間には、太い梁がむき出しになっていて、建物全体に重厚感を与えています。うなぎの寝床などと言われるほど、間口が狭くて奥行きの長い町屋は、江戸時代の間口銭と呼ばれた、間口の広さで税額が変わる税金対策のための建て方なのだそうですが、現在の住宅ではありえない、細長すぎる敷地を体感するのも一興かと思います。

 ところで、この屏風まつりのポスターですが、毎回村上の風景の切り絵がモチーフになっています。第1回から私が切り絵を担当していますが、切り絵は染め物に使う型紙を作るのと同じ技術で作るものなのです。屏風まつりのポスターをご覧になると、村上への旅情がかき立てられるようで、楽しみにしてくださっている方も多いので、ありがたいことだと思います。
 城下町村上に秋を呼ぶ、屏風まつりにぜひお越しください。

開催期間
 9月10日から30日まで
新潟ディスティネーションキャンペーン協賛による特別開催期間
 10月1日から13日まで

(2008年10月1日 掲載分)

えちごの風 2 「村上大祭」

April 11 [Sat], 2009, 16:17
先日、ひょんなことから、娘と好みの男性のタイプが一致することに気づき、がく然としたわたくしですが、皆さんいかがお過ごしですか。そんなわけで、三浦春馬くん、かっこいいですよね。


さて、昨年の5月から6回にわたって、朝日新聞新潟版のリレーエッセイ「えちごの風」で連載をしておりました。自分の備忘録がてら、掲載分を再録します。校正時に語尾や言い回しなどを変更したものが掲載されていましたが、今回再録するものは、変更していない文章になります。ディレクターズカット版ですね。
なお、タイトルは担当の方がつけたものです。


リレーエッセイ えちごの風
村上大祭 男ぶりあげる「はっぴ」

村上の町衆の1年は、祭りを中心に回っていると言っても過言ではありません。正月やお盆に帰省しなくても祭りにだけは帰ってくる人、祭りの日が平日であれば「お祭りらすけ」と会社を休み、6月の衣替えの頃になると、そろそろだとそわそわし始める… そんな村上人たちの誇り、村上大祭はもうすぐです。

村上大祭は370余年もの歴史を持つ、新潟県三大祭のひとつとしても数えられる豪壮なお祭りです。2階ほどの高さのある、堆朱堆黒や精緻な彫刻で装飾された「おしゃぎり」と呼ばれる山車が、御神輿や荒馬とともに町人町の中心部を巡行する「御旅神事」なのです。

おしゃぎりは1町内に1台、全部で19台あり、すべてが揃う朝と夕方はそれは壮観な眺めです。そのおしゃぎりを曳くときに着る装束が「はっぴ」です。19町内それぞれに柄が異なり、町名やおしゃぎりの乗せものに由来する意匠を取り入れています。

弊店では伝統的な手法で1枚1枚染め上げていますが、村上のはっぴは衿に個人名が入り、寸法も人それぞれなため、全てのはっぴが特注品扱いになります。生地の裁断から型紙の糊置き、染めや仕立てにいたるまで大変に神経を使う仕事です。

村上では膝丈くらいの長はっぴが流行りですが、いなせに着こなした男性のはっぴ姿は、いつもより5割増しで男振りが上がって見えるようです。

 はっぴを着ない者はおしゃぎりを曳くことはできません。みんなが揃いのはっぴを身につけると、町内への帰属意識が自然と高まります。仲間として認められているという誇らしさを感じるのです。

 私たち染物職人は、はっぴを通して祭りを支える裏方です。祭りに参加する人が一際引き立つようにと思いを込めて染めています。不思議と弊店で染めたはっぴは、人混みの中でもすぐにそれとわかるものです。着ている方が一層かっこよく見えるのはひいき目でしょうか。

チャンチャンジキジンと、乗り子が練習するお囃子の音色が夜風に乗って聞こえてくると、お祭りが待ち遠しくて胸がおどります。

(2008年7月4日掲載分)

えちごの風 1 「北限の茶染」

April 09 [Thu], 2009, 13:43
ようやく日本でも「デスパレートな妻たち シーズン4」がはじまりましたね。シーズン3は、ブリー役のマーシア・クロスの妊娠が影響しているのか、後半グダグダでしたが、シーズン4は評判がいいので期待してます。私がなにげに気になっているのが、フェリシアとポールなのですが、登場するのかしら。


さて、昨年の5月から6回にわたって、朝日新聞新潟版のリレーエッセイ「えちごの風」で連載をしておりました。今回から自分の備忘録がてら、掲載分を再録します。校正時に語尾や言い回しなどを変更したものが掲載されていましたが、今回再録するものは、変更していない文章になります。
なお、タイトルは担当の方がつけたものです。



リレーエッセイ えちごの風
北限の茶染  深くて渋い色合い特徴

新潟県で最も古い歴史をもつ城下町、村上市。4月1日の市町村合併により県内で1番広い面積の市となりましたが、私はその村上市で染物の仕事をしています。主に「印染」といって、はっぴ、のれん、手ぬぐいなどを染めています。

その他に村上市特産の村上茶を使った「北限の茶染」という草木染も展開しています。
村上に茶が栽培されたのは江戸の初めの頃だそうですが、日照時間が短いため、まろやかな味わいが特徴です。その村上茶の粉茶を煎じて染料にした染物が北限の茶染です。茶染め独特の深くて渋い色合いが特徴です。

お茶を煎じている時には、仕事場いっぱいに濃厚なお茶の香りが満ちています。飲むものよりもかなり濃く煎じているので、煎じ液はにごり、なめてみると口が曲がるほど苦いものです。それほど濃いので、深みのある色が出せるのでしょう。

お茶を飲んだ後には茶がらが残りますが、染料としてお茶を煎じた後にももちろん茶がらが残ります。茶染めに使うには細かいほうがたくさん色素が得られるので、マッコという粉茶を使っているので茶がらはペースト状になります。これを捨てれば産業廃棄物として処理されるのでしょうが、弊店では近くにある有機栽培をしている茶畑に撒かせていただいています。茶がらが土に還り、その土で育ったお茶がふたたび茶染めの原料となるのです。まさにお茶の産地ならではの染物、リサイクルの方法だと思います。

お茶で染めるというと、緑色になるイメージがありますが、植物の緑色を作る葉緑素は、光の反射によって人間の目には緑色に見えるだけなので、緑の葉っぱで染めたからといって緑色になるわけではないのです。
また草木染の場合、媒染剤で発色と色の定着をさせます。媒染剤とは水溶性の金属塩のことですが、鉄、銅、アルミ、チタンなど多くの種類があります。この媒染剤の種類によって、同じお茶で染めたものでも発色がまったく違うものになります。鉄媒染ではグレー系、銅媒染では茶系の色になりますが、いずれも深みのある色になります。

化学染料で草木染や藍の色を再現しようとしてもなかなかうまくいきません。草木染が持つ色の深みは、植物が持っている力の結晶なのかもしれません。

(2008年5月23日掲載分)
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プロフィール
■代替テキスト■
名前:市丸(いちまる)
新潟県の城下町で染物職人をしています。和もの、着物が大好きです。
自分が町屋と呼ばれる古民家で暮らしているためか、情緒ある町並、風情のある佇まいの家、そんな家で息づく民具などが大好きです。
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