アンカリング効果と国土強靱化計画と税理士

May 10 [Fri], 2013, 9:36
「アンカリング効果」という言葉を、「国土強靱化計画」に絡めて話をしていきたい。

アンカリングとは「アンカー」、すなわち「錨(いかり)」からくる言葉で、用は「錨を降ろす」ということである。「アンカリング効果」とは駆動経済学や心理学で主に用いられる用語で、「ある基準点を示すと、その数値が後の判断にも影響を及ぼす」という意味になる。

ここでは「基準点=錨を降ろした位置」とでもイメージを持ってもらえればよい。

たとえば、あるパンが最初は1つ300円という価格に設定されていて、後に100円に値下げされたとする。この場合、「300円」という最初の価格が「アンカー」として消費者の心理に打ち込まれているので、100円という新しい価格が「基準点に比べて割安である」と感じるようになるのである。

最初から100円であるよりも、300円から100円になった方がなんだか得をしたように感じる、というわけである。

さて、ここで話を「国土強靱化計画」に移したい。この計画においては「10年間で総額200兆円」という予算規模が提示されている。この金額が妥当かどうかは意見の分かれるところであるが、「アンカリング効果」という観点からすると、金額をあまりはっきりと提示するのは決して好ましいことではない、とも言えるのである。

たとえば、インフレ率が年2%だとすると、10年後には物価は約1.22倍になっている。ということは、10年前と同じ規模の国土強靱化事業を維持するためには、予算も1.22倍必要ということになる。

しかし、一度「1年あたり20兆円」というアンカーが打たれた場合、必要だからといって予算を増やしてしまうと、その増えた分が割高に感じられるようになり、批判のマトになる可能性が高いのである。

あくまで理論的な視点で考えた場合、「アンカーを打つなら物価上昇率で示した方が良い」と言えるだろう。

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