地震モーメント

March 01 [Fri], 2013, 16:04
地震モーメント(じしん-)とは、地震の大きさを示す指標のひとつで、断層運動の力のモーメント(エネルギー)の大きさを表す。



断層面の剛性率を\mu(Pa)、断層面積の合計をA(m2)、断層全体での変位(すべり)量の平均を\bar{D}(m)としたとき、地震モーメントM_0は、

M_0=\mu A\bar{D}

と表される。

単位はニュートンメートル(N・m)である。




地震そのものの大きさを表す指標としては最も的確な指標であり、セントロイド・モーメント・テンソル(CMT解)の算出や、大地震で多用されるモーメントマグニチュード(Mw)の算出に用いられている。



マグニチュードと地震の放出するエネルギー W_0 (J)は以下の関係にある。



\log_{10} W_0 = 1.5 M + 4.8

地震の放出するエネルギーは応力降下量(ストレスドロップ、stress drop) \Delta \sigma と以下の関係にある。



M_0 = \frac{\Delta \sigma}{c} A^{2/3}

また、エネルギーは岩盤の剛性率 \mu と以下の関係にある。



W_0 = \frac{1}{2} \Delta \sigma D A = \frac{\Delta \sigma}{2 \mu} M_0

多くの地震において応力降下量と剛性率の比率はほぼ一定と見做せるから、地震の放出するエネルギーと地震モーメントはほぼ比例するといえる。

この考えから地震モーメントに基づいた地震の規模を定義することが可能でモーメントマグニチュードと呼ばれる。



W_0 = \frac{M_0}{2 \times 10^4}

M_{\rm{W}} = (\log_{10}M_0 - 9.1) / 1.5

Mwの算出に用いることからも分かるように、M_0はマグニチュードと対応している。

このことから経験的に地震の規模と断層長・変位量の目安が分かっている。

断層長、幅、変異量の比率が地震の規模に拘わらずほぼ一定で相似と見做すスケーリング則が成立していると仮定すると以下のようになる。

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Mw3のとき、断層長は約400m、変位量は約2cm
Mw5のとき、断層長は約4km、変位量は約0.2m
Mw6のとき、断層長は約13km、変位量は約0.6m
Mw7のとき、断層長は約40km、変位量は約2m
Mw8のとき、断層長は約130km、変位量は約6m
Mw9のとき、断層長は約400km、変位量は約20m

1960年代後半から地震学に登場した考え方であり、1980年代からモーメントマグニチュードが普及してからは地震観測でも広く使われている指標である。

算出には波形が安定した遠地波形(震源から遠い観測点の波形)を用いる必があり、すぐには算出できないという欠点がある。


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