熱と激痛が三日前から継続。 続きと改訂。。

September 28 [Wed], 2011, 3:54
前を横切っていく少女を見る。横を抜けていく幼女を見る。後ろから、早足で通り過ぎていく女性を見る。遠くで誰かに手を振っているおおよその年齢すら分からない女を見る。彼にとっても、誰にとっても、別段それは特別な行為ではない。少女を見ることも、幼女を見ることも、女性を見ることも女を見ることも。例えば街に繰り出したとして、一時間も外を歩いていれば自然としているような事だ。そこで、一彼は自分の中で問いを投げかけた。ならば、同じ行為をしている人間の心理は同じだろうか答えは全くの否。そんなことは有り得ないし、そもそも疑問にすらならない。議題としても成立しない。人間は人間でしか無く、人間から逸脱したものではない人間というものであり、ただただ人間だ。けれど、同一存在というものは恐らくほぼ限りなく零に近いだろう。普通に過ごしていれば分かる。思考の違いに思想の違い。時に争いすら生み出す人と人との在り方のずれは決定的なものとしてあまりにも不変だった。そう、だからこそ自分の思いは自分のもので他人との認識の差異は当然。胸に芽生える思いが違うのも言ってしまえば個性でしかない。趣味嗜好と言ってしまえばいいだろうか。少女を好きな人、幼女を好きな人、女性を好きな人、その他、あんな性格こんな性格が好きだというのと変わりない。そこに、他者の共感はいらない。自分が好きであればいい。私は私で、俺は俺で。好みは個人で完結出来る。彼は笑った。そこまで考えて、我ながら下らないと吐き捨てて。実際のところやりたいことは彼の中で既に決まっていて、今更後戻りするもりが無いことも自覚していた。だというのに、自分は簡易な逃げの道を心の何処かに作っていた。馬鹿らしい。狂っているならともかく、自分は正常だ。いや、狂っているのは事実だが狂っているだけのバーサーカーではない。思考は出来る。一般的な論理にだって理解を示せる。だが、彼の心情としてはこうだった。常識など糞食らえ。俺は俺だ。勝手にしてやる。要するに、世間体にも世界の常識にも首を傾げる。どうだっていい。合わせてたら疲れるだろうが。それは、全くもって勝手極まりない言い分で自己中心的な人間にも程がある内心だった。とはいえ、彼としてはそれでいい。そう思っているということはそれが本質であり、それを曲げる気も無いということはそれが自分の在り方だから。子供染みた思考はここまで。後は好き勝手やるだけだ。さぁ、踊ろうか。彼の口元に笑みが刻まれ、一人の少女が急停止――眼が合った。ラッキー、美少女だ。彼は更に頬を綻ばせると少女の正面へ音も無く接近。その綺麗な眼窩へ何の躊躇いも無く二本の指を突き入れた。勿論、少女は反応出来ない。結果、少女の角膜は破れ、虹彩が破壊。瞳孔が崩れて水晶体皮質と水晶体核が共々に砕ける。少女の眼からは血涙。周囲の人々が騒然とする中、彼は少女の体に腕を回すとそっと体を抱き、童話の中のお姫様にするよう、ゆっくりとその唇に自らの唇を重ねた。快晴の空に、照りける太陽。行き交う人々に電車の走り去る姿。ホームでは子供が走り回ったり、仕事帰りの大人が自販機で買った珈琲を飲んでいたりする。そんな中で、金髪に黒いジャケットを着た一人の男――久谷戒ひさやかいは他とは少し違う行動をしていた。女性観賞である。「ふむ」前を横切っていく少女を見る。うん、可愛い。横を抜けていく幼女を見る。あぁ、愛らしい。後ろから、早足で通り過ぎていく女性を見る。ふむ、美しい。遠くで誰かに手を振っているおおおその年齢すら分からない女を見る。はん、きっと彼氏持ちなのだろう。爆ぜろ、とは言わないが置いておこう。そこまで考えて、我ながら下らないことをしているな、と思いも戒は別に構わないかと一溜息。言ってしまえば、独り身の男性には目の保養が必要だ。暇な時、こうして待ち合わせをしている時。待ち合わせ相手が二時間以上の遅れをとっている時などはボルテージの上がっていく怒りを抑えるのに特に必要な事柄だろう。「少し、待たせすぎだな。全く、相変わらず時間にルーズな奴め」文句を垂れも、目線は行き交う人の波へと注がれる。視線の先にはミニスカートを履いた少女がいた。見えそうで見えない。絶対領域と呼ばれる難攻不落の城塞を相手に、戒は集中力を高めていく。恐らく、何処かにきっとチャンスがある筈だ。柔肌をしっとり包む薄いヴェールを捉えられるチャンスが。その時、ふわりと風の感触が戒の体に伝わった。今だ――そう思った瞬間、戒の視界に変化が生じた。スカートの中身が見えそうで見えなかった少女の姿を覆い隠す形で、待ち合わせていた相手が来たのである。「ねぇねぇ、戒ちゃん。何を真剣に見てたのかなっ」無邪気な笑顔で訊ねてくるのは、金髪を左右で結ったセーラー服の女学生。健康そうな体に、幼さの残る顔立ち。溌溂はらとした態度が一部に人気な戒の幼馴染、姫野朱莉だった。因みに、遅れてきたことに対する反省の色は朱莉の表情からは全く窺えない。「君は、その前に俺に言うべきことがあるんじゃないのか」「ぁっ、ごめんごめん。そうだった。まずは、こんにちはからだよね」「間違ってはいないが、それじゃあない。君はここに何時に待ち合わせと言ったか覚えているか」「えっと、十時かな」「そう、十時だ。今は何時だと思う」問いに、朱莉はスカートのポケットから薄桃色の携帯を取り出し表示を確認。映し出された時刻は十二時二十四分。遅刻時間は二時間二十四分となっていた。「時の流れる速さって、とっても恐ろしいものだよねっ。戒ちゃんっ」「あぁ、そうだな。それで、謝罪は無しか」「あっはっはー、ごめんね戒ちゃん」ちろり、と舌を出して自らの頭をこんと叩く朱莉。これを可愛くない女がやると確実に苛立ちが増す所だろうが、幸い朱莉には何故か似合っている。ただ、何となく戒としてはリアクションが古いような気がした。時の流れなのかもしれない。「まぁ、いいだろう。本当ならお詫びの印に、君の小さく可憐な胸の一でも弄らせてもらいたい所だがここでそんなことしたら捕まるからな」「うわー、戒ちゃんのエッチ」「男はみんな獣だってね。それで、これからどうする。予定の時間より随分と朱莉が遅れたわけだが」「うっ。根に持ってるね」別段、そこまで根に持ってはいない。根に持ってはいないが、遅れられた結果貴重な時間を失ったのもこれまた事実。少しくらい悲しい思いをしてもらおうと、意地悪をする意味も込めてあえて戒は質問に答えず無視をした。「あぅぅー。スルーされたよー」涙ぐむ朱莉に、戒は続けて無言を通す。朱莉が再び「あうあう」言い出した。高校生らしさの欠片も無い反応だ。「うーん、そうだねー。戒ちゃんってさ、ご飯食べた」「昼食なら、君のせいでまだだな」「ぁ、やっと喋ってくれた」「」「無言やめてよぅ」やめてと言われるとやめたくなくなる。人間心理とはそういうものだが、戒はそれに従わず「仕方がないな」と言葉を返した。幼馴染としての経験上、あまり意地悪を継続していると朱莉が拗ねるからである。「まぁ、何だ。俺は昼食を食べていない訳だがどう動く」「えっとねー。実は私もまだだから、紘々峰ひろがみねに着いたらその辺の店で食べちゃおうかなって。ストロベリーパフェとか」糖尿病必死。その食生活は確実に死ねる。「何処が昼食だ、何処が。まず、入る店自体を確実に間違えてるだろう」「えー。サンドイッチとかなら置いてるよー」「そういう問題じゃない。少しは乱れすぎた自分の食に気づけ。後、ダイエット中の女性たちに謝れ」迷いなくストロベリーパフェを昼食に選ぼうとする朱莉の体型は、普通に比べて少し細い程度。健康さを保ちながらも、引き締まった体とでも言うべきか。スタイルとしては良い方な辺りが栄養の摂取の仕方と完全に釣り合っていない。「いやいや、ほら。私って痩せてないし太ってるしー」「今、横を通った女性に物凄く睨みけられていたが大丈夫か。夜道には気をけろ」「その時は、えっと守ってね」「面倒なので拒否しよう」即答に、朱莉が悲しい表情になったのを気にすることなく戒は歩みを進める。ホームには既に電車が来ていた。無駄話もいいが、そればかりではいまで経っても動けない。「朱莉は、紘々峰駅周辺の飲食店にはよく行くのか」「美味しいパフェの店なら――」「――仕方ないな。適当でいいか」わかりやすくヒントにならない朱莉の言葉を遮り、戒はすぐさま妥協を選択。目的地までは三駅。一応の要望を朱莉に聞いて、行く店のジャンルを決める程度の時間は十分にあった。尻コキ
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