September 07 [Tue], 2010, 15:56
物心ついたときから、
私のまわりに親族は誰もいなかった。
町の小さな教会が、
自分の家であった。
そして、私には名前がなかった。

2番目に教会に来たという意味から、
教会では通称セカンドと呼ばれ、
いずれ名前は変わると聞かされた。
正確には、
2番目に教会に捨てられた子供、だが。

「セカンド?」
識別番号みたいな無機質な名前を呼ばれ、
はっと少女は目を覚ます。
そこには、
金髪をきらきらと光らせる、
翡翠色をした瞳の少年が居た。
「あ……ごめん、今何時?」
「12時ちょっと前」
あぁ、もうそんな時間か、と、
少女は目をこすった。
「ファースト……じゃないや……何になるんだっけ?」
「俺?ノクティスだよ。」
ファースト、
いわゆる最初に来た少年は、
引き取り先が決まり、
すでに名前を与えられていた。
「ノクティスか……ファーストには似合わないね」
寂しそうな笑顔を浮かべて、
セカンドは言った。
「なんか今更名前なんか……って思うけど、案外いいもんだよ?」
会話を交わしていると、
礼拝堂の扉が開く。
「ファーストが行く先の方がお見えになったわよ。」
シスターであり、
教会で母親代わりをしている女性、
クレアがファーストを読んだ。
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