小さな約束とそして・・・・・ 第一話 

2008年09月01日(月) 23時46分
自分が愛してくれる人がいた。
支えてくれる人たちがいた。
自分たちは二人で一つの存在だった。
だから、世界で生きていられた。


人間の寿命なんて短い。
すぐに途切れてしまう。
脆くて、弱くてガラスのように扱わないと、ガラガラと音を立てて壊れていってしまう。
どの人間も同じだ。
弱くても、強くても同じだ。
それが、人間だからだ。

生まれてから、この18年間ずっと一緒に育ってきたんだ。俺たちは生まれてからずっと一緒に、離れることなく生きてきた。それが運命だったからだ。人間は誰しも運命を背負って生まれてくるんだ。それが、二つに分けられてしまっただけ。俺たちは、ずっとこのままも結婚しても老人になっても、このままだろう。そんなことを簡単な考えで思っていた。自分たちのどちらかが死ぬなんて考えたこともなかっただろう。誰が考えただろうか、二つの片方が壊れてしまえば、バランスさえ失うのに……。
今でも不思議に思う。

どうして、あの時考えなかったんだろう。片方が死んでしまったら自分がどうなるんだろうかということを……


 きっと、今は何も言わなくても死というものを理解できるだろう。それは、きっと兄さんだってわかっていると思う。空の上から……

『ずっと一緒だよ』

約束した。
小さな指を絡ませて、小さな約束。
いつも、一緒にいようと笑いながら約束した。
だけど、それは願い。絶対的ではない。そんなことも考えてなかった。
永遠なんてありはしない。
それは、人間や動物の特権だ。
木や花ではないのだから、人間は機能が停止してしまえば動かなくなってしまうのだから。
約束……小さな小さな約束。
それさえ、人間は叶えることはできない。


 一日の始まりが、まるでどんよりとした曇り空のようだった。まるで、今日の命日を知っているようだった。早い年月、早い時間。すべてが猛スピードで流れ続ける。それはきっと兄さんのせいだろう。

「よっと」

妙に静かで気だるい朝。
鳥の鳴き声もしない。
兄さんは静かな人だからだろう。

「早く行かなきゃ」

白と黒の服。
静かな家に電話が鳴り響く。
たぶん、アイツらからだ。
電話を取る。

「もしもし」
「あっ、早瀬?」
「あぁ」
「もう、家でたけど……」
「こっちに来てくれ」
「桜井も連れてこようか」
「あぁ頼む」

電話が切れてから、ツゥーツゥーという効果音に少しだけ耳を傾ける。
音を立てずに受話器を置くと、二階にあがって着替える。
冷たいYシャツ。
着なれない黒いスーツ。
雨の降りそうな空を反射する窓から見つめる。

「兄さん、笑ってよ」

ひんやりとした窓に触れ、少しだけ隙間を空ける。
冷たい風が頬を掠めて、体を冷やす。

「おぉい!早瀬!」
「津森……」
「おはよう」
「桜井……」

窓をしっかりとしめて、下に降りた。
玄関を開けて。
二人の顔を見つめた。

「よぉ」

片手を上げて、挨拶をする津森鷹也。

「ちゃんと寝れましたか?」

微笑んでいる、桜井渚。

「ちゃんと寝れたよ」

苦笑する自分、早瀬宮。

「いくか……アイツの処に」
「光君のところに」
「あぁ」

曇り空から覗かせる太陽の光。
笑ったんだ。
兄さんが、掌を空にかざして俺は眼を細めた。


続く……。


あとがき

随分長い文章になってしまいましたが、号泣できるような小説を書いていきたいと思っています。
読者の方、コメントよろしくお願いします。




P R
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