四号館に父来たる

November 24 [Sat], 2012, 22:44
矢吹の父正之が4号館に来たる。
これもロックアウト生活が安定したころだな。
その知らせをもたらしたのは友人のデンチュウキュウ、以下面倒なのでデンチュウと呼ぶ。
四号館の二階、ベッドルームに手枕で株式会社アルメイダ寝転ぶ、矢吹に、駆け上がってきて、息を切らせたデンチュウが言う。
おい、矢吹、変なおじさんが呼んでるよん誰だオヤジだってよなんだって矢吹は意味が飲み込めない。
ベランに出て、下を見た。
場違いの濃紺のスーツにネクタイのおじさんが、周りをに見渡している。
守衛室の横にいかつい男が立っている、刑事か矢吹の視線のピントがあった。
お、お父さんつい素っ頓狂な声が出た。
その声に太ブチメガネが矢吹を確認した。
おう、明生表情が和らいだ。
突然のことで矢吹は焦った、仕方なく用もないのに、ベランを右往左往した。
それを見た父は忙しいそうだな、おいはそこの旅館富嶽屋にいるから、後で寄れと叫んで、視界から消えた。
なんでオヤジが矢吹はパニックである。
デンチュウのけつを蹴っ飛ばして落ち着きを取り戻してちょっと行って来ると出かけた。
その和風旅館富嶽屋は、三十年後の同窓会の会場である。
その時には洋風ホテルに建て変わっていた。
女将に案内されて、父親の部屋に入った。
当然和室だな。
おい、飯はいらん、どしたんそうか、ちょっと東京で支店長会議だ長崎から汽車に乗って、東京第一ホテルで一泊、会議が終了して三島で途中下車だな。
あっそう長崎の家に刑事が来たぞあ、そうお母さんが心配してるんそれから矢吹は日大闘争の意義について、まくし立てた。
三十分。
オヤジはふん、ふんと黙って聞いていた。
途中で酒を注文していたような。
父は短気な性格なのに黙って聞いている、不気味だった。
けれど、矢吹は懸命に話をした。
たぶんだけど、矢吹は父の自慢の長男だと思う。
今まで、父に逆らったことはほとんどない。
で、長崎の名門南高校に入り、勉学と、部活に集中していた。
そんな真面目な息子の姿しか見せていない。
数ヶ月見ないうちに、変貌した息子。
話し終わった。
矢吹はどう思うと父の意見を問うた。
さあな、元気でやれ、夏休みは帰らんそうか風呂でも入ってゆけよか泊まってゆけよか、帰る矢吹の衝撃の対面は三十分だった、矢吹はバリケード籠城生活に戻った。
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