腎血管エコーによる腎動脈狭窄症診断の実際

September 12 [Sun], 2010, 9:12
腎血管エコーでは腎動脈血流を計測し,血流速度から動脈狭窄を判断する。
狭窄後の収縮期最高流速(PSV)が180cm/秒以上,または腎動脈PSV/大動脈PSV比(RAR)が3.5以上のとき,血行動態的に有意な狭窄があると判定する。
なお,血行動態的に有意な狭窄とは,
(1)形態的に狭窄率が50〜70%で,かつ収縮期圧較差が20mmHg以上(あるいは平均圧較差が10mmHg以上)
(2)形態的に狭窄率が70%以上
―の場合を指す。
 
PSV 180cm/秒以上を指標とした際の腎動脈狭窄症(狭窄度60%以上)診断の感度は100%,特異度は81%,RAR 3.5以上を指標とした際の感度は79%,特異度は93%,PSV 180cm/秒以上かつRAR 3.5以上を指標とした際の感度は79%,特異度は97%と報告されている。腎サイズや腎内動脈血流波形パターン(RI)も腎障害の指標となる。
腎サイズは長径が7.5cm未満であれば,腎萎縮ありと判断される。
RIはPSV−末期拡張期流速(EDV)/PSVで表され,0.8以上であれば腎実質障害が高度と判定される(図)。

RIは腎機能予後の評価にも有用で,RIが0.8以上では以下に比べて,腎機能低下や透析導入,死亡率が有意に高いことが報告されている。

PSVやRARは経皮的腎動脈形成術後の再狭窄の評価にも用いられる。
ただし,同形成術後の再狭窄部位では狭窄形態が変化しているので,PSVのカットオフ値を調節する必要がある。
原田主任部長の検討では,再狭窄の評価ではPSV 220cm/秒以上をカットオフ値とすると,最も適切な評価が得られるという。

手技としては,仰臥位・腹部前方アプローチが一般的であるが,複数腎動脈や血管蛇行は苦手で,肥満や腸管ガスによって描出力が影響されるのが弱点だ。
そこで,同主任部長は,側臥位・側方アプローチを試みているという(図)。



出典 Medical Tribune 2010.8.26
版権 メディカルトリビューン社

  • URL:http://yaplog.jp/hurst/archive/77
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