抗血栓薬による脳内出血

March 23 [Thu], 2017, 22:50
抗血栓薬による脳内出血は超早期死亡が多い
https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0322506744/
抗血栓薬使用中に脳内出血を発症した患者は24時間以内の超早期死亡率が高いと、スペインのグループがNeurology(2017; 88: 885-891)に発表した。
 
同グループは、脳内出血患者を対象とした前向き観察研究を実施。
抗血栓薬の予防的投与が転帰(24時間以内の超早期死亡、発症後3カ月までの死亡および機能的自立)にどのような影響を及ぼすかを検討した。
対象は529例で、抗血栓薬非使用群が293例(55.4%)、抗血小板薬使用群が147例(27.8%)、ビタミンK拮抗薬(VKA)使用群が89例(16.8%)であった。
 
解析の結果、全体の超早期死亡率は13.4%で、抗血栓薬非使用群の6.5%に対し、抗血小板薬使用群とVKA使用群ではそれぞれ19.0%、27.0%と有意に高かった(P<0.0001)。
全体の3カ月死亡率は40.8%で、対応する各群の死亡率はそれぞれ31.1%、49.7%、58.4%だった。
 
抗血栓薬非使用群と比較した超早期死亡と3カ月死亡の補正オッズ比は、抗血小板薬使用群がそれぞれ2.55、1.56、VKA使用群が4.24、2.34であった。
 
3カ月後に機能的自立が維持されていた患者は28.5%で、抗血栓薬非使用群の35.5%に対し、抗血小板薬使用群とVKA使用群ではそれぞれ22.4%、15.7%と有意に低かった。

私的コメント:
抗血栓薬(抗血小板薬、VKA)使用中の患者に対して虚血性脳卒中の発症予防に気をとらわれてしまうのは至極当然のことです。
しかし、こういった患者に出血性脳卒中が起こる可能性は常に考慮して血圧のコントロールをしっかりしておくことは当然のことです。

トーマス・スターツル教授

March 16 [Thu], 2017, 21:37
トーマス・スターツル教授
▼並外れた技量や信念を持つ人は、強いオーラを放っている。1988年、米ピッツバーグ大の付属病院を訪ねた際にもそれを感じた。目立った特徴があるわけでもない一人の男性がこちらに歩いてくる。片手はポケットに突っ込んだまま、ゆっくりとした足取りだった。
▼写真で見たことさえなかったが、その瞬間、この人が臓器移植の父、トーマス・スターツル教授であると確信した。コロラド大で世界初の肝臓移植を手がけ、その後ピッツバーグにやって来ていたのだ。鉄冷えに苦しむかつての工業都市は教授をヒーローとして迎え、移植医療を看板に掲げる新たな街づくりを進めていた。
▼教授が漂わせる空気感と同じくらい驚いたのは、患者に対する情報提供の徹底ぶりだ。病室のベッド脇の壁には、毎日の検査の結果や投与している薬の分量などが張り出されていた。小児病棟では、おなかを開けるとリアルな内臓模型が出てくる「ザディーちゃん人形」を使い、子どもの患者に手術の手順を説明していた。
▼当時、脳死での移植が行われていなかった日本の実情を話すと、病院のスタッフは「大切なのは患者との信頼関係だ」と話した。いまは日本でも脳死移植で多くの命が救われている。だが乳幼児の臓器提供は少なく、募金を頼りに海外へ渡る事例も続く。スターツル教授の訃報を聞き、ピッツバーグの街並みを思い出した。
(引用 日経新聞・朝刊 2017.3.16 「春秋」)

心疾患既往にLDL-C超低値では追加益なし

September 19 [Mon], 2016, 7:43
心疾患既往にLDL-C超低値では追加益なし
https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0914504691/
(MT2016.9.14)
 
虚血性心疾患(IHD)の既往を有する患者ではスタチン療法によりLDLコレステロール(LDL-C)値を100mg/dL以下に下げることで心血管イベントの再発リスクが低下するが、70mg/dL以下に下げてもそれ以上の便益は得られないことを示す研究結果が、イスラエルのグループによりJAMA Intern Med(2016; 176: 1105-1113)に発表された。

「非常に低い目標値の指針は支持されない」
IHD既往患者の心血管イベントの再発予防にスタチン療法が推奨されているが、LDL-Cの目標値はガイドラインによって異なる。
同グループは、スタチン療法によって達成されたLDL-C値と心血管イベントとの関係を検討した。
 
430万人以上の会員を擁するイスラエルの医療提供組織の2009〜13年のデータを用いた。
対象は、スタチン服薬遵守率80%以上の30〜84歳のIHD既往患者。
1年以上のスタチン療法後に達成されたLDL-C値により低値群(70mg/dL以下)、中間値群(70.1〜100mg/dL)、高値群(100.1〜130mg/dL)に分類した。
主要エンドポイントは急性心筋梗塞、不安定狭心症、脳卒中、冠血行再建術または全死亡を含む有害転帰の発生とした。
 
スタチン服薬遵守率80%以上のIHD既往患者は3万1,619例で、LDL-C値は29%が低値群、53%が中間値群、18%が高値群だった。
平均1.6年間の追跡で9,035例に有害転帰が発生した。
 
解析の結果、中間値群と比べた低値群の有害転帰発生ハザード比(HR)は1.02と有意差はなかった。
一方、中間値群は高値群と比べ有害転帰の発生が有意に少なかった。
 
この結果を踏まえ、同グループは「心疾患既往患者に対して、非常に低いLDL-C目標値を推奨しているガイドラインは支持されない」としている。

循環器クリニカルパール 2016.9.5

September 05 [Mon], 2016, 23:12
βブロッカーがレニン活性を下げる理由
http://www.jmedj.co.jp/article/detail.php?article_id=14559
・β1受容体はレニン分泌を促進し,AT1受容体は分泌を抑制する。
そのため,βブロッカーはレニン活性を下げるのに対し,ACE阻害薬,ARBはレニン活性を上げる。

・交感神経系が活性化されている場合,傍糸球体細胞に存在するβ1受容体の刺激が亢進し,レニン活性は上昇する。
しかし,βブロッカーはこのβ1受容体刺激を介したレニン分泌を抑制するため,レニン活性は低下する。

(多くの降圧剤がレニンを上昇させる中でβブロッカーはレニンもアルドステロンも低下させる)

心臓原発悪性リンパ腫

September 01 [Thu], 2016, 6:04
心臓原発悪性リンパ腫に対して内視鏡下腫瘍生検が 有効であった1例
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shinzo/42/3/42_3_365/_pdf
・心臓原発悪性リンパ腫は非常に稀な疾患である.。
さらに同疾患は特異的な臨床症状に乏しく,かつ非 観血的に診断することが非常に困難な疾患である。
・悪性リンパ腫は心臓原発腫瘍の1 ~ 2 %に認められる 。
全リンパ腫中では0 . 5 %に認められる 。
右心系に多く認められるが,特徴的な臨床症状はない。

心臓腫瘍: 心血管疾患: メルクマニュアル18版 日本語版
http://merckmanual.jp/mmpej/sec07/ch083/ch083a.html
・原発性リンパ腫はきわめてまれであり,通常AIDS患者をはじめとする免疫不全患者に生じる。
・この腫瘍は急速に成長し,心不全,不整脈,タンポナーデおよび上大静脈(SVC)症候群を引き起こす。


急性腹症を契機として診断された心臓悪性リンパ腫の1 例
http://ci.nii.ac.jp/naid/110004054203
・心病変のある悪性リンパ腫は, 一般的に病変部位が特殊であることや診断が遅れやすいこともあり予後不良である。
・近年心臓原発悪性リンパ腫の定義は, 心臓以外の臓器に転移があっても心に大きな腫瘤があれば心臓原発であるとしている。

心臓腫瘍について

August 31 [Wed], 2016, 13:36
心臓腫瘍について―しっかり取って確実に再建すれば多くは治せる
http://www.shinzougekashujutsu.com/web/2010/11/cardtumor.html

原発性心臓悪性腫瘍
http://www.shinzougekashujutsu.com/web/2013/01/maligcardtumor.html

心臓腫瘍
http://merckmanual.jp/mmpej/sec07/ch083/ch083a.html

人体のミステリー 心臓にガンが出来ない理由
http://matome.naver.jp/odai/2136081671809206601

心臓腫瘍
https://doctors-me.com/doctor/circulatory/57

心臓腫瘍
http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000240.html

心臓原発悪性リンパ腫の 1 例
http://www.jcc.gr.jp/journal/backnumber/bk_jcold/pdf/405-5(L).pdf

リクシアナ

August 31 [Wed], 2016, 7:26

http://blog.goo.ne.jp/stroke_buster/e/c8e465285defb37e198c53f0b69894e7




non HDL-C

August 22 [Mon], 2016, 5:32
日本動脈硬化学会の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版」では「LDL-Cは
フリーデワルド(Friedewald)法で求めることを原則としており、TG ≧ 400mg/d1の場合や食後採血ではnon HDL-Cを指標として用いる」としている。


non HDL-Cは総CからHDL-Cを差し引いたものであり、LDL-C、レムナントリポ蛋白、Lp(a)など動脈硬化惹起性のあるリポ蛋白をすべて含めたものである。non HDL-Cの有用な点は、
@総CおよびHDL-Cから簡便に計算でき、空腹のみならず食後採血でも評価可能であること
Aメタボリックシンドロームのように高TG血症が前面に出てくる脂質異常症の管理に使用できること
BTG 400以上でフリーデワルド(Friedewald)推定式が適用できない高TG血症患者にも使用できること
であり、およそnon HDL-C=LDL-C十30mg/d1の関係がある。

循環器クリニカルパール 2016.8.10 「心原性失神」

August 10 [Wed], 2016, 7:08
●失神の定義
(1) 意識消失があり、
(2)一過性で、
(3 )急激に発症し、
(4) 短時間で、
(5) 自然に完全に回復する
               一症状。

●脳全体の一過性灌流低下により生じ、意識消失のない意識障害や転倒、昏睡、蘇生倒は失神とは言わない。
 
●米フラミンガム研究からの報告によれば、男性の3.0%、女性の3.5%が少なくとも1回の失神を経験していた。

●ガイドラインでは心原性失神、反射性失神、起立性低血圧による失神に分類しているが、脳全体の一過性灌流低下を起こす原因は多岐にわたり、かつ多数の因子が重なるため解明か難しく、原因不明の患者も数多くいる。

●国内のある医療機関の統計では、心原性は33%、反射性は24%、起立性低血圧は7%で、35%は原因不明。
  
●心原性失神と反射性失神が混在しているケースも少なくない。

●頻脈による失神には必ずしも心拍出量が関係するわけではなく、血圧維持のための反射の障害が関与する。

●徐脈による失神で永久的ペースメーカーを植え込んだ患者がその後も失神を繰り返す例、ブルガダ症候群と反射性失神の合併例も報告されている。

●心原性失神者の死因の半数は突然死であり、非心原性失神者に比べ予後不良であることが報告されている。

●心疾患がない人の失神は圧倒的に反射性が多い一方で、心疾患のある患者では約半数が心原性であると報告されている。

●心疾患の経過が長いか短いかも重要なポイント。
経過が4年以内の場合は心原性失神の可能性が高く、それ以上経過していたら反
射性失神を疑う。
 
●反射性失神は起立時や座位、混雑した通勤電車内での強制立位、歯科治療中の緩やかな角度の座位といった状況で起きやすく、不快な光景や音、臭い、長時間の起立、臥床・座位後の急激な起立、脱水、入浴などが誘因になる。

●心原性失神は体位に関係なく、就寝中や起床時、運動中・後によく起こる。
 
●反射性失神では前駆症状として、熱感や口渇、胃部不快感や吐き気、あくび、めまい、頭痛などが生じる。

●前駆症状が10秒以上続く場合は反射性を強く疑う。

●心原性失神では動悸や胸痛などの症状を伴う場合もあるが、一般に前駆症状は乏しく短時間で失神に至る。
 
●若年者の失神では、反射性が半数を占め心原性の割合は少ないのに対し、60歳以上では心原性が半数以上を占めている。
(高齢者の失神では積極的に心原性を疑うことが重要)

●原因不明の失神の中には予後不良の症例が含まれ、神経反射が原疾患に与える影響も無視できない。

●国内では、反射性失神を積極的に診断し得る手段として1990年代に導入されたチルト試験が2012年に保険適用された。

●2009年に保険適用された植え込み型ループ弐心電計(ILR)も最近装着が容易な小型のデバイスが開発され、心原性失神の診断率向上が望めるようになってきた。

アスピリン抵抗性と脳梗塞の重症度

June 12 [Sun], 2016, 19:04
アスピリン抵抗性が脳梗塞の重症度に関係
https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0609503723/
(MT2016.6.9)
脳梗塞発症前にアスピリンを服用していた患者のアスピリンに対する抵抗性は脳梗塞の重症度および梗塞の大きさと関係すると、韓国のグループがNeurology(2016; 86: 1808-1817)に発表した。

NIHSSスコア2.1ポイント上昇、梗塞サイズ2.3cm3増大
脳梗塞のリスクが高い患者には、予防のためにアスピリンが用いられることがある。
同グループは、アスピリン服用中に初回の急性脳梗塞を発症し48時間以内に入院した310例を対象に、アスピリン抵抗性(アスピリン反応単位550以上)と米国立衛生研究所脳卒中スケール(NIHSS)スコアで評価した脳梗塞の重症度、MRI拡散強調画像で測定した梗塞サイズとの関係を検討した。
 
86例(27.7%)がアスピリン抵抗性と判定された。
解析の結果、アスピリン抵抗性群は非抵抗性群と比べNIHSSスコアの中央値が高く、梗塞サイズの中央値も大きかった。
 
多変量中央値回帰分析では、アスピリン抵抗性はNIHSSスコアの2.1ポイント上昇および梗塞サイズの2.3cm3増大と関係していた。
P R
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