心臓の幹細胞で心不全の再生医療

July 19 [Wed], 2017, 6:13
榊原記念病院、心臓の幹細胞で心不全の再生医療
榊原記念病院(東京都府中市)は、心臓の組織から取り出した幹細胞を心不全の治療に使う再生医療の臨床研究を始める。筋肉や血管に育つとされる幹細胞を患者の心臓に移植して回復を促す。年内に1人目の患者への実施を目指す。治療の安全性や効果を検証し、実用化につなげる。
 臨床研究は、心不全の治療として心臓のバイパス手術を受けたが、心臓のポンプ機能が十分に回復しない重症患者が対象。6人の参加を計画する。
手術時に採取した心臓組織の中から幹細胞を取り出し、6〜8週間ほ
どかけて培養する。
約100万個の細胞をカテーテルを使って心臓の血管に移植する。
 
同病院総合診療部によると、心臓組織に含まれる幹細胞には心臓の筋肉や血管の細胞を作る機能がある。
米国では心不全の患者間20人に対して幹細胞を移植する臨床試験(治験)が実施され、安全性や効果が確認されたという。
現在は第2段階の治験が進んでいる。
日本でも臨床研究を経て治験を実施し、企業と協力して実用化を目指す。

参考・引用
日経新聞・朝刊 2017.7.10

エゼチミブとスタチン系薬剤との配合剤2製剤

July 11 [Tue], 2017, 23:10
エゼチミブとスタチン系薬剤との配合剤2製剤の共同販売契約を締結−バイエル薬品とMSD
http://www.qlifepro.com/news/20170711/compound-2-formulation-of-ezetimibe-and-a-statin-drug.html
(2017年07月11日 PM12:30)
MSDが製造販売承認を取得後、両社で共同販売へ
MSD株式会社とバイエル薬品株式会社は7月7日、MSD関連会社とバイエル薬品が、高脂血症治療剤「ゼチーア(R)錠」の有効成分エゼチミブとアトルバスタチンカルシウム水和物の配合剤、およびエゼチミブとロスバスタチンカルシウムの配合剤の2製剤に関し、日本国内での共同販売契約を締結したことを発表した。

頚動脈狭窄症 治療

June 23 [Fri], 2017, 5:27
頚動脈狭窄症の治療
症候性頸動脈狭窄
頸動脈狭窄では,脳梗塞や一過性脳血発作(TIA)の発症早期の再発率が高いため,軽症であってもただちに専門医療機関に入院し,発症24時間以内に抗血小板薬2剤併用療法を開始することが望ましい。
また,年齢や合併症などと,狭窄血管の形態,脳血流評価をふまえて,血行再建術の適応を検討する。
50%以上の狭窄病変においては頸動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy;CEA)の
有用性が内科治療を上回る.
また,CEA代替治療として頚動脈ステント留置(carotid artery stenting;CAS)も行われる。
抗血小板薬はCEA後には単剤を,CAS後や血行再建未施行例には2剤併用を1〜3か月後に単剤を永続する.
その他の危険因子の管理は無症候性狭窄と同様に行う。

無症候性頚動脈狭窄
同側脳卒中のリスクは高くなく,まずは内科治療により動脈硬化危険因子の十分な管理を
行ったうえで,高度狭窄例や経時的に狭窄が進行する例に対して血行再建術を考慮する
内科治療としては,スタチンを用いた脂質低下療法が重要であり,LDLコレステロール
値を100mg/dL未満にコントロールする。
降圧療法は,著明な脳血流の低下がないかぎり血圧140/90mmHg未満を目標としてコン
トロールする。
糖尿病の管理はHbAlc 7.0%未満を目標とする。
また,禁煙を徹底するべきである。
抗血小板薬の脳卒中一次予防効果は明らかではないが,中等度以上の狭窄では心血管疾患の予防目的として単剤による抗血小板療法を考慮してもよい。

参考・引用
日医会誌 第146巻・特別号(1)P165~167

ファブリー病(Fabry病)

May 18 [Thu], 2017, 5:23
ファブリー病(Fabry病)
http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000647.html
・心臓のみに現れる心ファブリー病も、普通考えられるよりも多く存在していると言われている。

・ファブリー病とは、ファブリー病の亜系で、主に心臓の筋肉に、糖脂質が溜まる病気です。
 最初は、心臓の筋肉が厚くなり、肥大型心筋症のように心肥大がみられるが 、病期の進行とともに一部
 もしくは全体の左室壁運動低下が出現し、拡張型心筋心筋症となり、心不全や不整脈をおこします。

・心ファブリー病は、原因不明の左室肥大の患者さんのなかで、これまで考えられていたよりも高い確率で
 心ファブリー病が存在していることが考えられる。

魚油サプリ、心疾患一次予防に推奨せず

May 03 [Wed], 2017, 11:11
魚油サプリ、心疾患一次予防に推奨せず【米国心臓協会】 AHA、新たに心不全患者への使用を勧告
https://www.m3.com/clinical/news/515748?portalId=mailmag&mmp=EX170503&mc.l=220607745&eml=31ef79e7aaf65fca34f0f116a57fd65d

AHAの科学諮問委員会は医師による処方のもとでのω3を含む魚油サプリメントによる、心筋梗塞発症早期の患者の心血管疾患による死亡ならびに心不全患者の入院を予防できる効果が期待できるが、一般人口の心疾患一次予防への効果を支持するエビデンスはないとの新たな勧告を発表した。
(2017.313 Circulation誌掲載)
 
同学会によると2012年の時点でω3含有の魚油サプリメントを使用する成人の数は1880万人と推計されている。
今回、諮問委員会は魚食ならびにω3含有の魚油サプリメントに関する勧告を発表した2002年以前と、同年以降に発表された同サプリメントの心血管疾患予防効果に関する15件のランダム化比較試験を評価。
新たに心不全患者への低用量ω3サプリメント投与により、死亡または入院リスクが9%低下するとの報告が行われていたことから、心不全患者への同サプリメント使用は妥当との勧告が追加された。
 
一方、その他の複数の試験(多くは約1000mg/日のω3脂肪酸を投与)を評価した結果、諮問委異界は心筋梗塞の既往を有する患者や心不全患者への同サプリメント使用が妥当と結論付けた。
諮問委員の1人は「現時点で一般人口の心血管疾患一次予防を目的としたω3含有魚油サプリメントの使用を推奨することはできない」と話している。

Fish oil supplements may help prevent death after a heart attack but lack evidence of cardiovascular benefit for the general population
American Heart Association Science Advisory
http://newsroom.heart.org/news/fish-oil-supplements-may-help-prevent-death-after-a-heart-attack-but-lack-evidence-of-cardiovascular-benefit-for-the-general-population


私的コメント
1000mg/日は十分量ではありません。
以前から諸外国でにnegative dataには投与量の少なさが指摘されて来ました。
心血管疾患の二次予防には効果が確認されていることを覚えておく必要がありそうです。
一次予防に関しても、E/A比が低い症例に限局すればω3系の投与は有効な可能性があります。

バイエル薬品、医師の論文を「代筆」

April 20 [Thu], 2017, 23:29
バイエル薬品、医師の論文を「代筆」 営業に活用
製薬大手バイエル薬品の血液を固まりにくくする薬をめぐり、会社の患者調査に協力した医師が発表した論文2本を、同社が事実上代筆していたことが19日、関係者への取材でわかった。
論文は2本とも昨年撤回されている。

同社は、患者への調査主体が同社だと明確にされていなかったことや、患者のカルテを社員が不適切に閲覧したことなどが論文撤回の理由だとしている。
この社員によると、同社は営業活動にこの論文の内容を活用していたという。
 
同社は2012年4月に「イグザレルト」を発売。
同年、宮崎県のある診療所の医師に協力してもらい、患者計約180人に抗凝固薬を1日に飲む回数や飲む数などについて好みを調べた。
 
論文は国内の医学誌に12年と13年、診療所の医師の名で発表された。
いずれも患者が「1日1回の服薬」を好む傾向があるなどとする内容。
イグザレルトは1日1回服薬だった。
13年の論文は同社が学術的助言をし、論文作成、投稿の費用を負担したと記されていたが、2本とも筆者に会社関係の名前はない。
 
この医師を担当し、カルテを見た社員によると、同社がデータを集計、原稿を下書きした。社員は「原稿を医師に見せて、数カ所直してもらった。会社が論文を書いていることにあぜんとした」と話す。
 
医師の代理人弁護士は取材に、同社が作った下書きを医師が了承したことを認めたうえで「製薬会社と協力して論文を作るのはこの業界では当たり前。医師は内容はきちんと確認している」と説明した。
 
バイエル広報本部は「事実関係を確認中」「関係者の同意が得られていないのでコメントできない」などと回答した。
 
この社員を含む3人が、調査に応じた患者のカルテを診療所で無断で閲覧していたとして、同社が10日に謝罪している。
社員は取材に「カルテの閲覧は上司の指示だった。やりたくなかったが聞いてもらえなかった」と語った。
カルテの内容は、患者の氏名や持病などの情報を含め自社のパソコンから本社に送ったという。
医師の代理人弁護士は、社員のカルテ閲覧は患者に口頭で同意を取っていたと説明し、「個人が特定される形で情報が持ち出されることを知っていたら、許可しなかった」とした。

私的コメント
現実的にはありえない釈明です。
「アンケート協力患者のカルテ無断閲覧」と他の記事に書かれていますが、「無断」というのは患者に対してなのか医師に対してなのかが記事からはわかりません。

厚生労働省で19日会見した社員の代理人弁護士によると、社員は同社コンプライアンス室に「告発」したが、15年10月、この社員と医師に問題があるとされ、給与の支払いを停止されたという。
現在は休職している。
弁護士は「会社は速やかに調査結果を公表し、厚労省は適正な処分をすべきだ」と訴えた。

私的コメント
この弁護士は医師が被害者という見解のようです。
医師に無断でカルテを閲覧することはあり得ないことですし、患者からカルテ閲覧の閲覧の許可を得ることはもっとあり得ないことです。

     ◇

<桑島巌・臨床研究適正評価教育機構理事長> 
製薬企業が論文作りに関わることは、その企業に有利な結果を導き、真実を反映していない結果になる恐れがあるので問題だ。
さまざまな形でなされているのが実態だろうが、企業主導でできた論文なのに医師が書いた体裁となり、販売促進材料に使われると、医師の処方の動機に影響が及び、患者にとって適切な選択にならない可能性がある。

参考・引用
朝日デジタル 2017.4.20
http://www.asahi.com/articles/ASK4M51VBK4MPLBJ002.html

抗血栓薬による脳内出血

March 23 [Thu], 2017, 22:50
抗血栓薬による脳内出血は超早期死亡が多い
https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0322506744/
抗血栓薬使用中に脳内出血を発症した患者は24時間以内の超早期死亡率が高いと、スペインのグループがNeurology(2017; 88: 885-891)に発表した。
 
同グループは、脳内出血患者を対象とした前向き観察研究を実施。
抗血栓薬の予防的投与が転帰(24時間以内の超早期死亡、発症後3カ月までの死亡および機能的自立)にどのような影響を及ぼすかを検討した。
対象は529例で、抗血栓薬非使用群が293例(55.4%)、抗血小板薬使用群が147例(27.8%)、ビタミンK拮抗薬(VKA)使用群が89例(16.8%)であった。
 
解析の結果、全体の超早期死亡率は13.4%で、抗血栓薬非使用群の6.5%に対し、抗血小板薬使用群とVKA使用群ではそれぞれ19.0%、27.0%と有意に高かった(P<0.0001)。
全体の3カ月死亡率は40.8%で、対応する各群の死亡率はそれぞれ31.1%、49.7%、58.4%だった。
 
抗血栓薬非使用群と比較した超早期死亡と3カ月死亡の補正オッズ比は、抗血小板薬使用群がそれぞれ2.55、1.56、VKA使用群が4.24、2.34であった。
 
3カ月後に機能的自立が維持されていた患者は28.5%で、抗血栓薬非使用群の35.5%に対し、抗血小板薬使用群とVKA使用群ではそれぞれ22.4%、15.7%と有意に低かった。

私的コメント:
抗血栓薬(抗血小板薬、VKA)使用中の患者に対して虚血性脳卒中の発症予防に気をとらわれてしまうのは至極当然のことです。
しかし、こういった患者に出血性脳卒中が起こる可能性は常に考慮して血圧のコントロールをしっかりしておくことは当然のことです。

トーマス・スターツル教授

March 16 [Thu], 2017, 21:37
トーマス・スターツル教授
▼並外れた技量や信念を持つ人は、強いオーラを放っている。1988年、米ピッツバーグ大の付属病院を訪ねた際にもそれを感じた。目立った特徴があるわけでもない一人の男性がこちらに歩いてくる。片手はポケットに突っ込んだまま、ゆっくりとした足取りだった。
▼写真で見たことさえなかったが、その瞬間、この人が臓器移植の父、トーマス・スターツル教授であると確信した。コロラド大で世界初の肝臓移植を手がけ、その後ピッツバーグにやって来ていたのだ。鉄冷えに苦しむかつての工業都市は教授をヒーローとして迎え、移植医療を看板に掲げる新たな街づくりを進めていた。
▼教授が漂わせる空気感と同じくらい驚いたのは、患者に対する情報提供の徹底ぶりだ。病室のベッド脇の壁には、毎日の検査の結果や投与している薬の分量などが張り出されていた。小児病棟では、おなかを開けるとリアルな内臓模型が出てくる「ザディーちゃん人形」を使い、子どもの患者に手術の手順を説明していた。
▼当時、脳死での移植が行われていなかった日本の実情を話すと、病院のスタッフは「大切なのは患者との信頼関係だ」と話した。いまは日本でも脳死移植で多くの命が救われている。だが乳幼児の臓器提供は少なく、募金を頼りに海外へ渡る事例も続く。スターツル教授の訃報を聞き、ピッツバーグの街並みを思い出した。
(引用 日経新聞・朝刊 2017.3.16 「春秋」)

心疾患既往にLDL-C超低値では追加益なし

September 19 [Mon], 2016, 7:43
心疾患既往にLDL-C超低値では追加益なし
https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0914504691/
(MT2016.9.14)
 
虚血性心疾患(IHD)の既往を有する患者ではスタチン療法によりLDLコレステロール(LDL-C)値を100mg/dL以下に下げることで心血管イベントの再発リスクが低下するが、70mg/dL以下に下げてもそれ以上の便益は得られないことを示す研究結果が、イスラエルのグループによりJAMA Intern Med(2016; 176: 1105-1113)に発表された。

「非常に低い目標値の指針は支持されない」
IHD既往患者の心血管イベントの再発予防にスタチン療法が推奨されているが、LDL-Cの目標値はガイドラインによって異なる。
同グループは、スタチン療法によって達成されたLDL-C値と心血管イベントとの関係を検討した。
 
430万人以上の会員を擁するイスラエルの医療提供組織の2009〜13年のデータを用いた。
対象は、スタチン服薬遵守率80%以上の30〜84歳のIHD既往患者。
1年以上のスタチン療法後に達成されたLDL-C値により低値群(70mg/dL以下)、中間値群(70.1〜100mg/dL)、高値群(100.1〜130mg/dL)に分類した。
主要エンドポイントは急性心筋梗塞、不安定狭心症、脳卒中、冠血行再建術または全死亡を含む有害転帰の発生とした。
 
スタチン服薬遵守率80%以上のIHD既往患者は3万1,619例で、LDL-C値は29%が低値群、53%が中間値群、18%が高値群だった。
平均1.6年間の追跡で9,035例に有害転帰が発生した。
 
解析の結果、中間値群と比べた低値群の有害転帰発生ハザード比(HR)は1.02と有意差はなかった。
一方、中間値群は高値群と比べ有害転帰の発生が有意に少なかった。
 
この結果を踏まえ、同グループは「心疾患既往患者に対して、非常に低いLDL-C目標値を推奨しているガイドラインは支持されない」としている。

循環器クリニカルパール 2016.9.5

September 05 [Mon], 2016, 23:12
βブロッカーがレニン活性を下げる理由
http://www.jmedj.co.jp/article/detail.php?article_id=14559
・β1受容体はレニン分泌を促進し,AT1受容体は分泌を抑制する。
そのため,βブロッカーはレニン活性を下げるのに対し,ACE阻害薬,ARBはレニン活性を上げる。

・交感神経系が活性化されている場合,傍糸球体細胞に存在するβ1受容体の刺激が亢進し,レニン活性は上昇する。
しかし,βブロッカーはこのβ1受容体刺激を介したレニン分泌を抑制するため,レニン活性は低下する。

(多くの降圧剤がレニンを上昇させる中でβブロッカーはレニンもアルドステロンも低下させる)
P R
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