またもや、なぜこれで直木賞?な作品でした。
ここ最近の直木賞は、受賞1本前の作品がベストのような気がする。
桜庭作品ならば「赤朽葉家の伝説」ね。こちらの方が断然エンターテイメント。
こんな禁じ手だらけの内容でどうして直木賞なのだろう。
ま、それは今に始まったことではないか。。。
私自身の直木賞離れに拍車がかかった1冊になってしまった。
これは近親相姦なのか?それとも性的虐待なのか?はたまた純愛なのだろうか?
大まかに言えば、そういうお話だったのだが、そういう状況に陥る環境や過程はなんとなく理解出来た。
不慮の事故や災害は一瞬にして様々なものを奪っていく。
淳悟の両親も花の育った家庭も。
特殊な環境の中で全ての心の穴を埋めようとするならば、そういう行為に陥ってしまうことも百歩譲って理解するとしよう。そう、これは小説だもの。
ただ、やはり本当の血のつながりがあるならば、こういう行為はいらないのだということを作者は信用していないのだなぁと感じた。
たしか「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」でも父親に虐待される少女がいた。そういうことを書かずにはいられない背景が作者にあるのだろうか・・・。(深読みですな)
タブーやアブノーマルな話しはただそれだけでドラマチックである。
そんなテーマを凌駕する魅力的な登場人物やストーリー展開がなければ、ただの「ズルイ小説」で終わってしまう。
残念ながら、「私の男」には魅力的な要素が足りなかった。
ダークな部分の桜庭作品も嫌いではないが、これがそこまで評価に値するか甚だ疑問。
まぁ、それは、桜庭さんが悪いわけではないのだけれど・・・。