超オタクの女子高生とその仲間たちの“ゆるーい”学園生活を描いたテレビアニメ「らき☆すた」が大ブレークしている。角川書店原作と京都アニメーション制作、主演声優もハルヒ役の平野綾さんと、「涼宮ハルヒの憂鬱」と同じ構成で、ネットで盛り上がり、音楽も大ヒット。まさに“ハルヒの再来”といえるヒットぶりを追った。【河村成浩】
■萌えキャラがオタクネタ展開
「らき☆すた」は04年1月から月刊誌「コンプティーク」などで連載されている美水かがみさんの4コママンガが原作。埼玉県に実在する高校をモデルに、バレンタインデーや夏祭りといったお決まりのイベント、思春期の悩み、日常のささやかなできごとを取り上げ、何気ない話を「ゆるーく」「まったり」と描き、秋葉原やコミケやゲームなどのコアなオタクネタを取り上げている。
もう一つの魅力は、萌え系のキャラたちだ。主人公・泉こなたは、運動神経抜群だが、小学生並のちびっ子体系に超インドア派のオタク女子高生。神社の家庭に育った柊(ひいらぎ)家の双子姉妹で、ツッコミ役のツンデレキャラの柊がかみと、何かとトラブルに巻き込まれるおっとり系のつかさ。そして、ナイスバディーのメガネっ子で典型的優等生のお嬢様・高良みゆきの4人のキャラを中心に、オンラインゲーム大好きな担任教師・黒井ななこや、こなたのいとこで病弱な小早川ゆたから個性的な面々が活躍する。
■オープニングから度肝抜く
テレビアニメ放映前までは、「らき☆すた」は、知る人ぞ知るといったマンガだったが、アニメ化が決まると“ハルヒの再来”かと一気に注目が集まった。4月に放送された第1話から、期待を超える驚きが待っていたのだ。
第1話は、「さぁ、はじまるざますよ」「いくでがんす」「フンガー」といきなり「怪物くん」のパロディーで開幕。こなたら主役4人が、激しい動きのダンスを踊きながら、超早口のラップで、歌詞もほとんど聞き取れないオープニング曲「もってけ! セーラー服」を歌い出すという展開で度肝を抜いた。
さらに萌え系キャラたちのゆるい日常を描いた本編の後は、カラオケボックスのドアが映っているだけという画面で、4人が掛け合いをしながら、歌を歌うというエンディング。しかも毎回曲が変わり、「ドラゴンボールZ」のアニソンやZARD「負けないで」などの大ヒット曲が登場するという考えられない演出だった。
■究極のパロに“聖地巡礼”現象も
本編も仕掛けが満載で、人気格闘ゲーム「鉄拳」のようなゲーム機が登場、アニメ「頭文字D」を思わせるレースシーンが展開されるなどパロディーが続々と繰り広げられる。さらに、平野さん演じるこなたが、涼宮ハルヒの“コスプレ”でエンディング曲「ハレ晴レユカイ」を振り付きで踊るという“究極のパロディー”を展開し、ファンをあっと言わせた。
本編以外で大人気なのが、「らっきー☆ちゃんねる」というミニコーナー。自称人気アイドルという小神あきらと、さえないアシスタントのちょい役・白石みのるがパーソナリティーを務めるラジオ番組という設定で作品を紹介する。実際のラジオや連載誌「コンプティーク」の情報コーナーも展開され、みのるは、その“いじられっぷり”が人気となり、雑誌のフィギュアにしたいキャラ投票で、こなたら主要キャラを抑えて堂々の1位を獲得すると、本編であきらに「いい気になるんじゃないわよ!」といじめられるという演出も注目を集めた。
アニメの大ヒットで、単行本の発行部数も放送前の60万部(1〜3巻)から、150万部(1〜4巻)に急増。DSゲーム「真・らき☆すた 萌えドリル」も5月に発売されて即完売し、前作の限定版が中古市場で3万円に高騰した。さらに原作に登場する神社のモデルとなった鷲宮神社(埼玉県北葛飾郡)にファンが集まり、絵を描き込んで奉納する「らき☆すた絵馬」も登場するなど、まるで“聖地巡礼”のような現象まで起こっている。
角川書店の西山洋介さんは「“変なこと”をやっているベクトルとユーザーが欲しているベクトルが一致したのでしょう」と人気の理由を分析する。思いも付かないアイデアだらけの意欲作。最後まで目を離せそうにない。
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