セブンスファンタジー

May 21 [Thu], 2009, 5:33
「おとうさん。あさ。」

・・・どこか懐かしいようで、最近慣れてきた声に彼は起こされた。
気付けば、布団の横で彼を起こしに来た(のであろう)自称「娘」の小さい方がちょこんと座っていた。
朝だ。彼は着替えと洗顔を済ませた。

「おとーさーん。ごはんだよー」

彼の部屋から少し離れた台所から声が聞こえてくる。
これまたどこか懐かしいようで、最近慣れてきた声である。
自室のカーテンを開けて、陽光を体に浴びたのちに部屋を出る。


台所に到着した

「おはようっ! 今日もいい朝だねっ」

台所には、彼の為に朝ごはんを作っている自称「娘」の姉の方が配膳をしている。
飯だ。彼は挨拶をすると同時に席についた。
そのまま朝食を摂取する。今日の朝ごはんは鰹飯とはちきん地鶏だ。
いつもながらの流麗な料理に舌鼓を打つ。みんなで食べるご飯は、最初は戸惑ったものだが
慣れてしまえば一人の時よりずっとおいしそうだ。


朝ごはんを終えると今日は嬉しいサプライズが待っていた。

「お待たせ〜。今日のデザート〜」


いつもならば特売で買ってきたのであろうミカンやナシが運ばれてくるのであるが、
本日のデザートはいつもとは違っていた。
アイスクリンだ。

「ちょっと作ってみたんだけど、どうかな?」

いつも料理が上手だと思っていたが、この調理工程が(よくわからないが)難しそうなものまで
作れてしまう愛を、彼は素直に驚いていた。



「一口目はおとうさんから、どうぞ」


愛はセミロングの髪を揺らしながら、期待のまなざしを向けている。これは心してかからねばなるまいと彼は一口食べた。



・・・とてもおいしかった。



このことを愛に告げると、とても喜んでいた。
一箇所だけ結んでいる髪がピョンコピョンコしているのが、見ていてかわいらしかった。


「じゃあこれからは毎日作るね」


流石に毎日食べたらおなかを壊しそうなYOKANだったので、
また気が向いた時に食べたいと告げ、みなはご馳走様をした。

「さて・・・」

今日も学校である。彼は一人の父親である前に学生である。
もちろん、学業を疎かにするわけにはいかない。
用意されていたかばんを手に取り、彼は学校へと出かけた。




「いってらっしゃい」


いってきます。と反応したいところだったが、彼は違和感を感じていた。
皆とデザートを食べている時くらいであろうか、さきほどから妹の方の恋が
ずっと何かを考えているような顔をしていたからだ。
まぁもともと物静かな子で、その頭の良さから色々と思うところもあるのだろうが、
あまり人前に表情を出さない子だったので、彼は気になって問いかけてみた。


「なんでもない。ちょっと考え事。大丈夫、いってらっしゃい」


言葉の端々につたない雰囲気が漂っていたが、
いつものように見送りをされたので、彼はそのまま家を出た・・・




〜がっこう〜(飛ばして読んでもさして問題がないよ)



1時限目は歴史系の授業だ。
講師は、30くらいの若い男の人。
それなりに顔立ちも整っていて話術もあるので、生徒からの人気はなかなか高い。

彼もこの人の授業は好きだった。まあ、歴史の人物とか覚えるのは面倒なんだけれど。
普通に雑談しても面白い先生だし、正直、今回の授業も面白かったようだ。


あとの授業は、憲法についての授業と拳法についての授業と漢方についての授業だった。
何事も用法用量を守るべきだと思った。


昼休みになったので、どこかで弁当を食わねばならない。食はエネルギーなり。
弁当もって食堂に行くのは、なんか気がひけるのか、
彼は自分の属しているサークルの部屋で食べることにした。

「よう! ひとりで寂しく弁当か?」

愛という娘が作ってくれた通称まなむすめ弁当を彼が食べていると、(米ここは笑うところです)
いきなり寄ってくるのは男子生徒。
一応、彼の友人である。
車持ち、オシャレ、ユニーク、金持ち?と三拍子そろっているのに
何故かもてない不思議な人間だ。 (ナレーション氏の主観も含まれています)


「ってお前それはまさか手作り弁とぅじゃないかぁ!?えええええええええええええ。どどどどーゆー?」



彼は家に娘がいることはもちろんのこと誰にもいっていない。
というか言っても信じてもらえそうに無い。つまりは秘密にしている。
が、丁寧に作られた弁当を見られてしまっては弁解するしかない



「ワッツ?どういうことだいダディ?まさかお前、許婚でもいるっていうのかい?WHY?」

「まぁ落ち着け。これはなあ・・・・・実は今母さんが家に泊まりに来ているんだ」

「OH!そういうことだったのか。びっくりしちゃったよ」



適当なうそで友人をはぐらかす。若干の罪悪感はあったものの
仕方の無いことだと自己暗示をする。
いわゆる必要悪だと心に言い聞かせた。






午後、授業もないのでそのままサークルに顔を出す。
本日は後輩が主にやっている団体「劇団しるく」の練習風景を見学する。


響き渡る役者の声、キビキビとしてメリハリのある役者の動き。
彼は自然と練習にのめり込んで行った。

時が過ぎ、解散の時間となった。以前の時分であればみなと一緒にマクドにでも
出かけていたことであろう。しかし、いまや彼には家庭があった。
先ほどと同じ理由で家に帰ることにした






〜いえ〜




帰宅すると、台所からなんだか怪しい匂いがしていた。
興味本位で今日のメニューを探ろうと彼が台所に入ると、
いつもとは違い、恋が料理をしていた。
普段なら愛が料理を作ってくれるのだが、今日はなんだか様相が違っていた。
愛は近くで見守っている。どうしたことかと聞いてみると、


「もうすぐ出来るから、居間で待ってて」


と、愛に唆されたので、居間で待つこと30分。
料理が運ばれてきた。
メニューはカレーライス。もちろん、レトルトとかではない、
正真正銘の手作りカレーである。


「お父さん、食べてみて」


一口食べる。



「おいしい?」



恋に聞かれた彼は、とても嬉しそうな顔で「ああ」と答えた





「恋!おかわり!!」









第2話
「おいしいゆうごはん  〜おもてがわ〜」




おしまい

6th ファンタジー

April 18 [Sat], 2009, 19:12
やぁ、オレの名前は通称たけち。この物語のナレーシィンを買って出た男さ。お初にお目にかかる方ばかりでごった返していると思うので、今後ともよろしく。と、イニエーション挨拶も終わったところでせつめい

この物語は、オレの友人の一人であるTという男を主軸に展開するグローイングアップドーターストーリーだ。このTという男、普通の定義をオレとTの間に成り立たせるあらば、ちょっと変わった奴だが、まぁ一般的な大学生だ。・・・いや、どうだろう。コレは後でいうとして、話を進めよう、OK?イエース、ザッツライート。

Tはオレと同じくH大学に通う学生だ。ガクブの違いはあるとして。・・・え?それじゃあオレがどこでTと知り合ったのかって?いい質問だ。オレがTとであったのは、H大学に所属するとある劇的サークルでのことだ。同じ趣味を持つものとして意気投合し、色々色々色々あって今に至る。しかし、あれはあいつとあって三年くらい経った時の事だろうか。こいつの身にやたらおもしろいことがおこる。一聞、とても信じられるような話ではない。しかし、信じるか信じないかは個人の自由だ。信じるも八卦。信じないも八卦。さてさて、一体どう説明したらいいものか・・・


「う〜ん」



おっとっと、あぶないあぶない。どうやら起こしてしまったやうだ。やっべ〜やっべ〜やんべべやんべべやんべべよ〜。見つかるんばみつかるんば!テラヤバステラテラヤバヤバス。テラヤバンバ!柳場ス!!!



第一話(+5話)
「劇的Re:Start」




そんなわけで時刻はAM八時。新しい朝が来た。希望の朝だ。喜びに胸を誓い、こころが・・・・

JASRACのものですが

わぁ〜、逃げろ逃げろ。テラヤバンバ!柳場ス!!!




恋「ん〜」
愛「あ、恋起きた?おはよう」
恋「ん。おはよう姉さん。あ〜、今日もいい天気」
愛「お洗濯日和ね〜。あ、そろそろ朝ごはんの支度できるから、父さん起こしてきて」
恋「はーい」



恋「おはよう父さん。・・・・・。おはよう父さん!・・・・・・おはよお!父さん!!・・・・・・・・・・・・・・・。お!は!よ!う!父さん」
T「んん、ん〜・・・・ん〜」


・・・彼の名前はT。21歳独身。彼は生まれてこの方未婚であり、もちろんの事ですが子供もいません。独身生活にもすっかり慣れた彼ですが、ある日ふと来客がありました。
「私達はあなたの娘です」
・・・こうして彼は、五話分くらいの紆余曲折を経て、三人で暮らすことになりました。
それでは、本編再開!


「いっただっきまーす」

どこにでもある家族の風景。食卓には小さいテーブルに所狭しと朝ごはんが並べられていた。

愛「さぁ、今日の目玉商品は文字通りの目玉焼き。おいしーよー」
恋「玉子は久々。姉さん、醤油を」
愛「はいお醤油。お父さんは、これだよね」
T「お、サンキュー。分かってるね」
愛「娘だもの。何でも知ってるよ」
T「娘ねぇ・・。未だ受け止めきれんがね」
恋「え、まだ信じてなかったの」
T「あ、いやいや、信じてはいるよ、そりゃああんな確たる証拠を突きつけられたら信じないわけにはいかん。でもなんだろうなぁ、この状況にはまだ慣れないというか」


・・・突然「私はあなたの娘です」といわれて信じる輩はいない。いわんや21歳をや。この風景に至るまで、多くのすれ違いや良心の呵責、葛藤があったのだが、それはまた後日。


愛「お父さん全然信じてくれなかったんだもん。私達一体何泊ブルーシートで寝たことか」
T「悪かったって。けどな、普通どこの誰かもわかんねい奴を家に泊めたりなんかせんぞ」
愛「それはまぁ・・」
恋「ねぇ」
T「そういうことだよ。そんな事よりオレが信じられないのは、オレが世界の命運を握っているとか言う中二的な話の方だ」


・・・こればっかりは説明がめんどくさいので、コチラを見てください


恋「父さんは希望の光」
T「・・本当かねぇ」
愛「大丈夫、全力でサポーするから」
恋「私、全部じゃないけど、父さんの研究の基本的な事とか、大学での勉強なら教えられる」
T「おいおい、よしてくれよ、これでもオレは小学生から教えてもらうことなんてないぜよ」
愛「ちっちっち。父甘い。何を隠そう恋はヨワイ11歳にしてIQは200を超え、更に博士号も取得、更には3歳の時に書いた絵が、町のちびっ子アートギャラリーに飾られたのだ〜」
T「なんだて〜」
愛「そして私は将来のために修行した家事で、楽しいドリームライフを送られるよう勤めるのであった」
恋「何キャラ?」
愛「というわけで父さん、ゴハン食べたら早速べんきょ」
T「ご馳走様でした」
愛「じゃー」
T「よし、学校行くかな」
愛「ちょちょっと父さん、約束はぁ」
T「ふん、オレには無図化しすぎてようわからん。だから、遠い未来の事よりまずは今だ。つーわけで、行ってきまーーーす」


愛「あーあ、行っちゃった。もうぅ、父さんやる気あんの」
恋「大丈夫。「まずは今」って言ってたから、ちゃんと先の事も考えてると思う」
愛「うーん。ま、そっか。」
恋「焦ってもしょうがない、ゆっくりね、ゆっくり」
愛「なるほど、理解しました〜」
恋「じゃあわたしは勉強してます〜」
愛「了解でーす。じゃあ私は〜、・・・・あ!お洗濯でもしーよぉ」


暖かな春の陽気の中、彼らの新しい生活が始まるのでした。


つづく


プロフィール
  • ニックネーム:わたがし
  • 現住所:島根県
読者になる
ハル・ナツ・アキ・フユ

くるくるまわる、めがまわる
2009年05月
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31