ブログ移転いたします 

February 26 [Thu], 2009, 20:56
まことに勝手ながら、機能の向上を求めて引越しすることにしました。
今までお越ししていただいた方々、本当に有難うございます。
よろしかったら今後とも、下記のサイトにてお越しくださいませ。

http://sweetappletea.blog49.fc2.com/

そして、このサイトはしばらくそのまましておく所存ですので、同じ内容の文章が二箇所に記載されていることになりますが、それもご了承ください。

どうしても目で追ってしまう 

February 22 [Sun], 2009, 1:17
つくしSideより。
知らないフリ〜の、前あたりの設定で。


いつから惹かれだしたのかなんて、正直言って分からない。

道明寺という恋人がいながら、あたしはなんて不純なんだろう。

遠くにいるあいつとは違って、触れ合える暖かさと、交わされる巧みな会話。どっちがいいとか、そういう単純な理由ではなく、何となく心に沁みた。

あたしが泣きたいときにはさりげなく背中を見せてくれて、寂しいときには美味しいものを食べに連れて行ってくれて、苦しいときには冗談を言って怒らせてくれて。

それに、一週間に一度のレッスンが、あたしのオアシスになっていた。

TOJであんなに苦戦したあたしだけど、ゆっくり向き合ってみるとお茶というのは意外と深くて。静かな場所で、穏やかな気持ちになれるのだ。

あたしはがさつだ、騒がしいとよく言われるけれど、この凛とした雰囲気は好きだ。

喧騒から離れて西門さんと二人、茶室で向き合っているのも好きで。

どうしてか西門さんはあたしの心の一番上を占めるようになってしまった。


―――遊び人なのに。エロ門なのに。住む世界が違うのに。

・・・あ、住む世界が違うのは道明寺の方が上、かな?


とにかく、意識してしまうとそれから先は下り坂のよう。

彼の一挙手一投足が気になり、いちいち気分が変わって、どうしようもなくなってしまうのだ。

三日三晩悩みぬいて、結局道明寺に別れを告げた。

だって、このままだと本当に困る。

この気持ちをなんとかしなきゃ。

西門さんがあたしを、なんてことは予想していないから、もう玉砕覚悟だけれど。

理由を聞かれたけれど、『もうちょっと考えたくなった』としか言えなかった。



嘘がつけないというのが皆からのあたしの評価で、つまりこのままではすぐばれてしまうだろうと思うのだが、本人に直接言うには勇気が足りなすぎて、軽蔑されるのを覚悟して花沢類に相談することにした。

「あのさ、花沢類。聞いて欲しいことがあるんだけど」

あちこちを探し回って、やっと非常階段でぼんやりしているのを見つけた。息を弾ませているあたしを優しく見上げて、花沢類はちょいちょいと隣に座るように促した。少し深呼吸して、傍にしゃがむ。

「どうしたの、あんたが溜め込むのって久しぶり」

柔らかい口調に心がほぐれた。

「あのさ、あたし好きな人が、出来ちゃって」

「え?」

花沢類の驚いた顔が、一瞬道明寺の顔とかぶった。ああ、あたしやっぱり最悪に酷いことしてるのかも。
滑り出した舌も失速して、代わりに嗚咽が出そうになる。
うわ、泣いちゃ駄目じゃんあたし。泣く資格なんてないことしてるのに。

「道明寺のことはちゃんと好きだったし、今も嫌いじゃないよ。でも、それよりもっとすきだって思う人が出来ちゃった。どうしよう、花沢類、あたしどうすればいいのっ?」

言うにつれ感情が高まってしまい涙を落とし始めたあたしの頭を、花沢類は難しい顔をして撫でていてくれた。

「牧野が、思ったようにすればいいよ。俺はいつでも応援してるから」

いつもより少しぎこちない笑みで、でも軽蔑の色はかけらも見せずに花沢類はそう言ってくれた。

ありがとう、花沢類。そして、ゴメンね、迷惑ばっかかけて。



それからそれに後押しされて告白!

・・・・・・という訳にもいかなくて、あたしは臆病に西門さんの様子をこっそり窺いながらしばらく問題を放置していたんだ。


でも。


ほんと、何であんな人好きになったりしたんだろう。

と、何度も後悔するような場面な何度も出くわしてしまった。


携帯ひとつで女の子を調達し、ふらりとどこかへ行ってしまう早業を見せられたり(そう、あくまでもどこか。想像したくないし、ましてや尾行なんてしてないから!)。

歩くだけで、まるでハーメルンの笛吹きがごとく女の子が群がるのに遭遇したり。


それでもやっぱり好きなものは好きで。

恋焦がれる、なんて柄じゃないけれど。

あたしにはどうしても気持ちを伝えられそうになかった。

だって、きっと断られるに決まってるのに。

ああこいつも他の女と同じかと、軽蔑されて、今まで通りには戻れない。


だったらもうこの恋を忘れちゃった方がいいんじゃない?

いつも思考の最後にはこれがくる。

実際に忘れられたら良かったんだけど。



諦めてはいるんです。

このままでいいって思っているんです。

いやそれよりも、さっさと忘れてしまいたいんです。

でもなぜか、気付けばあたしの目の前に彼がいる。


ならせめて、必要以上に会わないようにしよう。

そう決めた。


____________
おまけ・三日後のこと

「おい牧野、今時間空いてるか?」

そう彼が声をかけてくるのは、想定外。

強引な彼に、溢れる気持ちを伝えてしまうのも・・・想定外。

そして彼が今まで見たこともないような奇妙な顔をして、告白を受け入れてくれたのも・・・・・・


__________

終わり、です。
つくしは優しい子ですから、いろんな葛藤があるんじゃないかなー、なんて。
類は・・・原作では大好きなんです。大好きなんですが、何となく書きにくいんです、恋愛になると。相談役になってもらうのが、私の中でのべスポジ。
総二朗の奇妙な顔は、現在考案中(笑
ちなみに類は、つくしが好きな人は誰か分かるまで一日もかかりませんでした。というオチで。

叶わないなら最初から願わない 

February 21 [Sat], 2009, 14:11
『知らないフリしてやり過ごす』の続編。
やり過ごせなかった総二朗はその後、無事に自分の気持ちを自覚して・・・

___________

「仮恋人?・・・なんだそれ?」

「総二朗、何うだうだしてんの?」


その日、情けなくも牧野から告られた俺は、自覚し始めた気持ちをうまく伝えることも出来ないまま、付き合うことを承諾する形でその場を退散した。

だって、障害多すぎないか?

後からよくよく話を聞いてみると、司とは別れたとか言うではないか。

あんなに押せ押せだった司が一年で冷めるはずはないと、恐る恐る電話をかけると、案の定牧野が振って、司は納得していない感じだ。(・・・だから毎日喧嘩?)

司が納得していないということはこれからアプローチしてくることは必須で、門外漢のはずだった俺が牧野を掻っ攫ったとなると、あとの二人も黙っちゃいない。

五つ巴なんて冗談じゃねえぞ!!


というわけで『仮』という逃げ道を作って、あきらと類が本気で邪魔をするのを牽制。司は今は多忙の極みだろうから、脇においておくとして。

そうして準備万端にしてあきらと類に報告をしたのだが・・・


なんで本気で呆れられなくちゃいけないんだ?

憮然としている俺に軽く噴き出しながら、類が言い放つ。

「だって俺たち、総二朗が牧野を好きだって知ってたよ?」

「牧野が司と別れたのだって、もう二週間も前だしな」

知らなかったのは俺だけってか?

「何でお前らが知ってんだよ」

自制できずに不機嫌丸出しの俺。類が自嘲的に笑う。

「牧野が相談してきたんだよ。『どうしよう、西門さんを好きになったみたいなんだけど』って」

あー、類、気の毒に。

俺は本気で類に同情した。牧野の鈍感って罪っていうより悪?

「で、類経由で俺に回ってきたわけだ。お前に知らせなかったのは、せめてもの嫌がらせ?みたいな」

とあきらがいう。

・・・せめてもの?

「じゃあ、お前らは・・・」

ちょっと、いやかなり期待して聞こうとすると、

「諦めてないよ。だって、総二朗が牧野を幸せに出来るとは思えないしね。ま、破局するまで見守っててあげるよ」

「な!」

「だって総二朗、まだ女遊びしてるまんまだもん。きっとすぐに牧野に飽きられるね」

絶句する俺に、あきらも追い討ちをかける。

「司も一ヵ月後に帰ってこれるって言ってたしなぁ。お前、『仮』なんて逃げてる場合じゃねえぞ。牧野は追いかけていかないと逃げられちまうぜ」

「・・・・・・」

確かにそうなんだがな。
破局するまで見守るっていっても、こいつら手を出さないとは一言も言ってねえ!
せっかくタイミングは分かってるんだ、俺だって逃がしたくはないんだよ。

逸る心臓を自覚しながらケータイをとり、牧野に電話をかける。


隠してきた思いはもうさらけ出そう。

プレイボーイのプライドなんてもう知るか。

一期一会、これがすべて。

牧野、俺が幸せを見せてやる。

お前が一度でも俺との幸せを願ったのなら、叶えてみせよう。

俺もお前と同じだ。

願わなければよかったなんて、言わせてやらねーから。

_____________

ヘタレ総二朗から俺様へ。

なかなかうまくいかないのはヘタレの所為にしてはいけませんかね・・・
かっこいい総二朗も好きなので、次回こそは!

知らないフリでやり過ごす 

February 21 [Sat], 2009, 8:59
最近牧野の様子がヘンだ

この頃俺と会うことが極端に減ったのは気のせいではない。

まあ、週一で稽古に来るには来るのだが、会話が減ったのは間違いない。

何でだ?


司との関係は変わっていなさそうだ。

変わらず毎日電話をかけては痴話げんか。

あまりのくだらなさっぷりにはウンザリなのだが、それも離れているゆえのスキンシップの一種なのだと、無理やりに納得している。こじれる様子もないし、安心だろう。

類もあきらも、自分の気持ちをうまく隠したままだし。

・・・実は告ってました、なんてのはねえよな。

何しろ牧野は分かりやすすぎるし?

告られた日には、挙動不審のきわみになること間違いない。

くくっ・・・かんたんに想像できるしマジで笑える。


まあそれはさておき。

何で避けられてるんだ?俺が。

ぐだぐだ考えてんのも(しかも牧野のことで!)性にあわねーし、ここはいっちょ、ストレートに聞いてやるかな。

_______

「おい牧野、今時間空いてるか?」

牧野がラウンジに入る前に呼び止める。まさか俺が待ち伏せをしているとは思わなかったのだろう、飛び上がって驚いた。

「うえっ、に、西門さ・・・!や、あたし忙しいから」

若干すでに腰が引け気味な牧野。今にも回れ右してすっ飛んでいきそうだ。確かに、類の言うとおり、小動物みてえかも。

最近だいぶ伸びて、肩にかかるくらいになった髪を梳きながら、牧野はやたら忙しく目を泳がせている。俺たちの教育がいいのか、ここ一年で見違えるくらいいい女になった牧野だが、それでもうっかりすると昔みたいに戻ってしまう。

だから気を抜くと他の男が無謀にもアプローチしてきたりするから、追い払うのも一苦労だっていうのに。

―――他の男にあんな笑顔見せんなって―――

は?

俺今、何考えた?

とにかくと、今はこれ。

「どうせ食べるのに忙しいんだろ?いいから俺に付き合え」

「はぁっ!?うそ、ちょっと待って!」

抗議はちょっと無視して、手首を握って外に出る。

唖然とした顔の学生と、顔を見合わせた親友とすれ違ったりしながらも、牧野を無事に車に押し込めた。

「なっ、なんで?」

「んー、ちょっと聞きたいことがあってね?」

「・・・・・・」

俺は運転手に、適当な店の名前を言って、牧野の頭をなでた。


到着するのにさほど時間はかからず、微妙に気まずい(と牧野は思ってるはずだ)空気から脱出した俺たちは、個室で向かい合ってパスタをつついていた。

不機嫌そうに黙っていた牧野も、パスタを完食してデザートの取り掛かるときには笑顔になっていた。

単純なやつ。そろそろ言うタイミングかな。

「で、牧野。何で俺を避けてたのかな?」

牧野は口に入れようとしていたケーキと俺を見比べて、ちょっと不満そうな顔でフォークを置いた。

「今、言わなきゃダメ?」

首をかしげて、上目遣い。

・・・なんで今心臓がはねる?

「駄目。俺訳分かんないから、説明してくんない?」

訳わかんないのは俺がこんなに気になることかもしれないな。

にこりと笑いながら、ふと考える。

さっきの考えといい、今のといい。

・・・・・・まさか、な?

いや、ないないない。だってこいつは親友の女で、俺にとってもダチ。それに親友の思い人でもあるし、ボンビーで、勤労処女で。

あわてて打ち消して、牧野の様子を窺う。

百面相はもう終わったようだった。キッと、俺をにらみ上げるようにしてまっすぐ見つめる。

これを聞いたら、俺もすっきりするだろう。

こんなわけわかんない感情とも、さっさとおさらばだ。

「あのね、」



このあと、牧野が俺に告白するなんて毛の先ほども考えなかった俺は、絶対人には見せられないような顔を牧野に晒すことになる。

______________________

御読了ありがとうございます。
総二朗、やり過ごせませんでしたが;

ちなみにつくしは、すでに司と別れていたという設定で。

似ていると気づいた 3 

February 20 [Fri], 2009, 13:44
カウンターに戻った俺たちは、まだそこに残っていたグラスを手に取った。
牧野は少し口に含んで、ぼんやりと天井のライトを見つめている。
4年の間に培ったマナーや作法は身に染み付いているようで、所作もいちいち見惚れるほど綺麗で色っぽい。

「今までどこに行ってたんだ?」

男の話題は避けておこうと、軽い口調で俺から声をかける。牧野は微笑をたたえて俺の方に首を向けた。

「西門さんは忙しそうだったよね。皆の噂も何となく聞いてる。ほんと、あたしとは違うよ。・・・そうだね、あたしは、聞いてるとは思うけどホテルで接客業。外国人が来たときに重宝されたりしちゃってるんだ。芸は身を助く、って感じ?」

「へえ。頑張ってんだ?」

「当然。あんたたちに負けてらんないって思って、ね」

くすりと笑う牧野は高校の時みたいに元気そうに見えて、俺は胸をなでおろした。
よかった、落ち込んで酒に溺れてるんじゃないんだな。

俺たちは夜が深くなるにつれ酔いも深めながら、昔を懐かしむようにぽつぽつと話をした。
牧野は俺より酔いが早く、数杯で潰れたけれど。


「西門さん」

「何だ、酔っ払い」

潤む目で誘うように、上目遣いで俺を見上げて来る牧野に、俺は辟易していた。
どうかすると、いやどうかしなくても俺の理性は今やばい。
アルコールで箍が緩んでいるうえに、目の前にいるのは密かに惚れていた女。
今無事に『先輩』で『ダチ』でいるのがキセキなくらいだ。

「・・・半年前ね、あたしが道明寺と別れたとき」

「・・・・・・」

何を言い出すんだ?

す、とアルコールに浸された脳が冴える。
そして鮮明に、抱きしめたときの牧野の感触やら香りやらも思い出して、仲間の前だったことも失念して抱きしめていたことも思い出して、赤面しそうになる。

「西門さんがあたしを抱きしめてくれて、すごくあったかかった。道明寺が浮気してたのって、意外だったけどそんなにショックじゃなかったんだ。でも皆と一緒にいる理由がなくなっちゃったかなって思ったら寂しくて。それに迷惑がかかるのは目に見えてたしね。だから言ってくれた言葉、今でも心に残ってるんだよ」

「・・・・・・なんでいなくなったんだ?」

声が少し掠れた。正面から、俺の言葉が心に残っているという牧野。俺の心臓は、声音とは裏腹にめちゃくちゃに跳ねていた。

「愛って何かなって思って。永遠じゃないのは、あの時分かったし。だから、あの時、西門さんに包まれたとき、好きになっちゃいそうで怖くって、離れてたんだ。でも意識したらどんどん気になっちゃって、あたしは忘れようって思ったの」

「・・・牧野」

「また愛が冷めちゃうのかなって。あんなに思った好きだって気持ちが、変わってしまうのかなって」

「・・・・・・」

「でも、いろんな人と付き合ってみたけど、やっぱなんか違ったんだよね。こんどは愛せないんだ」


俺を忘れたくて?
牧野がいなくなったのは、俺に恋するのが怖かったからだって?
俺はこんなにお前のことが恋しかったんだぜ?

「それで、牧野。俺への愛は冷めたの?」

「っ・・・!!」

肘をついて、流し目を送る。もちろん、たっぷりの愛情と色香を乗せて。

耳まで真っ赤になった牧野を、俺はあの時と同じように抱きしめた。

そして、ささやく。


「俺は冷めなかったけど?」



するりと力を抜いた牧野は、おずおずと、俺の背に腕を回した。
それでいい。

お互いの心臓が、競争でもしているかのように激しく脈打つ。


なあ牧野。


本気の愛が怖いとか。


一人で溜め込んでしまうところとか。


さびしがりなところとか。


「なんか俺たち、似てるんじゃね?」



ほの暗いライトの下で、俺たちは口付けを交し合う。
―――甘く、深く・・・



__________



御読了ありがとうございます、お粗末でした。

感想とかつけてくだされば光栄です。

プロフィール
  • アイコン画像 ニックネーム:ゆう
  • アイコン画像 性別:女性
  • アイコン画像 誕生日:6月14日
  • アイコン画像 血液型:A型
  • アイコン画像 現住所:熊本県
  • アイコン画像 趣味:
    ・読書-何でも読みますが、有川浩・宮部みゆき・坂木司などがお気に入り
    ・マンガ-花男や悪魔とラブソング・君届が大好き!他にも人気の作品とかを乱読。
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