★「作者のいない作品」を目指して 

2004年09月05日(日) 2時24分
もちろん、作品を作る上で個性は大切にしたいと思っていますが、出来ることなら、私という個人の人間から切り離した、自立した作品に仕上げたいとも思っています。

これは私にとって、歌だけではなく、絵や詩など他の作品にも言えることです。高校時代、美術で静物画のデッサンをしている時、自分らしい描き方の方向性がつかめず悩んでいました。そんな時、ふと思ったのです。私に出来る限りの、ありのままの姿を描こう、と。私は自分の意志で、この目に見える空間を勝手にいじってはいけない。何も変えずに、私という人間の存在すらも含まない絵を描こう、と…。

歌を作ることも、デッサンとよく似ているかもしれません。何か一つのものにスポットを当てて、見えてくる情景を詞やメロディーに描いてゆく。私の目指す作品の在り方は、きっと「風景画」のようなものなのかもしれません。誰のものでもない、誰のためでもない景色、それでありながら、誰のものでもあり、誰のためでもあるような、そんな風景を切り取っただけの歌…。

単純な発想かもしれませんが、作品達が皆子供なら、私は親です。子供達を育てている時は、間違いなく私だけのもので、私の想いがたっぷり注ぎ込まれている…。けれど、私の内側から、形となって巣立っていった作品達には、もう「私」ではなく、それぞれの意思だけを持って生きていってほしい。そんな、私という作者から独立した「誰のものでもない歌」を、これからも目指し、作っていきたいと思っています。

★実体験をもとに作るかどうか 

2004年09月02日(木) 20時22分
よく、「この作品は、自分の経験をもとに作りました」というコメントに出会います。実際自分の身に起こることというのは、やがて自分にとって最大の強みへと変わっていくと思います。でも私は作品として、それが実際に作者本人の体験したことであるかどうかは、それほど重要だとは思っていません。

例えば、それが友達から聞いた話であったり、もしかすると、電車の中でたまたま聞こえてきた誰かの会話だったとしても、それを聞いたことによって、何らかの影響を受けたのは自分自身。その感情が、少しずつ自分のものになってきて、喜びや、悲しみ、怒り…、そんな気持ちが、だんだん想像出来るようになってくる。そして、それが「作品」になるとしたら…?

…心の中で起こることは、全て自分の経験。私は、そんな風に思っています。いつだって、自分というミキサーにかけられたものだけが、作品となって表れるのですから。そして、そんな風に想像力を働かせることこそ、詞を書く上での楽しみだと思うし、それが個性に繋がっていくのだとも思います。

★私が歌を作り始めたきっかけ 

2004年09月02日(木) 2時41分
私が初めて歌を作ったのは、高校二年生の春のことでしたが、思えば、もうずっとずっと小さな頃から、私の中には音楽があったような気がします。

引っ込み思案だった私は、毎朝幼稚園へ行きたくないと言って泣いてばかりいる子供でした。幼稚園の窓からも、遠くまで続いているいくつもの屋根の景色を眺めながら、「私の家も、このどこかにあるのかな…?」なんて淋しく思ってばかりいました(笑)。

そんな風に、景色を見ながら何かを考えている時、私の中には必ず、いつも何らかの“音”が流れていました。それは、言葉では表せないのですが、私のすごく好きなとある音色であったり、その時の気持ちに合わせて心が勝手に奏でるメロディーであったり…。そういう、常に自分の中に生きていた、得体の知れぬ“音楽”のような存在が、今、こうして私の中から生まれていく音楽の源になっているのではないかと思います。

それからは、今に至るまでの間に、心に響くたくさんの音楽を聴いてきたことが影響していると思います。小さい頃から感じていた、感情を表すかのような心の“音”が、今度は様々なアーティスト達によって形となり、耳に入ってくるようになりました。そして、心の底から感情を持ち上げられるくらいに感動させられた曲にも、いっぱい出会えました。…そんな頃に、私の中で、ちょっとした遊び心が生まれました…。

ある曲を聴いていて、その曲の展開が自分の好みと違っていた時に、すごくがっかりしてしまうことが時々あったのです(笑)。そこで、それなら自分は一体どういうメロディーだったら納得出来たんだろう?と考えて、実際にその曲のサビの部分を、自分なりに想像して作ってみたりしていました(笑)。そこから、だんだんと気持ちが芽生えてきたのだと思います。自分が納得出来る音楽を、自分で作ってみたい、と。

…また、私の歌を聴いて頂ければ分かると思うのですが、私はとても声が低く、それがずっとコンプレックスでした。カラオケへ行っても、女の子の歌が歌えず、歌える歌も限られていてすごく少ないので、友達から「何か歌いなさいよ!」と言われる度にいつも困ってしまいます。それがあまりにも悔しくて、そしてふと思ったのです。そのままのキーでも歌えるような、私だけの、私にしか歌えない歌を作ろう…!と。でも、たった一人の親友以外、誰にも聴かせたことはありません(笑)。
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