中華航空機炎上 機内では一体何が…? 乗務員は避難誘導せず【画像】
観光にビジネスに、沖縄を訪れた160余の人たちが一度に命を落としかねない惨事となった20日の中華航空機の爆発・炎上事故。機内で一人が「何かがおかしい」と感じてからわずか数分。「間一髪」に何があったのか。

■「タイヤの煙」と取り合わず
出発から約1時間たった午前10時27分。乗客と乗員計165人が乗った中華航空120便は、ごくふつうに那覇空港に着陸、駐機場に向かい始めていた。 那覇市で食堂を営む知人を手伝うために、前から7列目の右側に座っていた台湾の崔鄭如(サイ・テイニョ)さん(65)が、右主翼下のエンジンから黒い煙が立ち上るのを見たのは、その時だった。すぐに客室乗務員に知らせたが、「大丈夫」とあしらわれた。 窓の外を見ると、右翼エンジンの周辺に上がる煙が目に入った。しかし、何事もないかのように機体は駐機場で静止し、シートベルト着用サインも消えた。

⇒燃えきってしまった機体【画像】
⇒燃えきってしまった機体【画像2】
■あっという間に両翼とも炎に
突然、女性の悲鳴が機内を貫いた。
「煙が出ている!」
那覇市の実家に帰省するため妻(26)と一緒にやや前方にいた渡部修帆(しゅほ)さん(28)が意味を理解した直後には、右翼エンジンからの煙はもう炎に変わっていた。左側の窓の向こうにも火柱が見えた。あっという間に両翼とも炎に包まれていた。
「早く降りろ。降りないと危ない!」
それでも乗務員は「大丈夫です、大丈夫です」と繰り返していた。機長からは席を立たないようアナウンスがあった。 「落ち着いて」「大丈夫」――。だが、「炎」が一変させた。
■事故機振り返らずひたすら走った
「早く進め!」「早く開けろ!」。
怒声ばかりになった。沖縄県糸満市の小学教諭、篠原恵子さん(53)も後ろからぐいぐい押され始めた。沖縄県豊見城市の中山賢さん(50)は「閉じ込められた」とさえ感じた。
ようやく前方のドアが開いた。乗客はそれぞれの居場所から近い脱出用のシュートを目がけて駆けだした。
中山さんも滑り落ちた。ターミナルビルに向かって歩き出すと、後ろから爆発音が3回聞こえた。「怖い、怖い」という叫び声も。美容室経営松田裕子さん(34)は、一度も振り返らずにひたすら走った。
軽症の2人だけが病院に搬送された。

「すべて燃えてしまった」
エンジンの煙をいち早く乗務員に知らせた崔さんは、途方に暮れていた。
【動画】逃げ惑う乗客、機内の画像【動画】
ぐにゃりと溶けて折れ曲がった機体。その惨状から、事故がどれだけ酷いものだったかが分かる。
●映像●
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