「アイルトン・セナ 〜音速の彼方へ」
多分、20代以上の人なら聞き覚えがある名前だと思います。
伝説になったF-1ドライバーです。
深夜のフジテレビで、マクラーレンの赤と白の車、ホンダのエンジン、カーナン
バー1、黄色いヘルメットで信じられないような速さで走り、私が応援してい
たナイジェル・マンセルを必ず倒す、悪魔のようなドライバーでした。
そんなセナですが、私が中学生になった頃、事故で亡くなりました。
94年、マクラーレンから移籍したセナは、似合わないウィリアムズカラーをまとっ
て、開幕から不調でした。
サンマリノGP/イモラにあるタンブレロコーナーという、アクセル全開で駆け抜け
る迫力のある場所で、突然コースアウトして…というよりも直進して、コンクリート壁に
激突して、車は粉々に飛び散ってしまいました。
あの当時、テレビ画面からは重大なクラッシュだけれど、コクピットから普通に立ち
上がってピットに向かって、とぼとぼ歩くだろうと思っていました。
なぜなら、以前にパトレーゼが宙を舞って縦回転しても無傷だったことや、このGPでも
バリチェッロが縁石でジャンプしたまま、タイヤバリアに激突、横転して車は大破損し
ていたけれど、軽症だったこともあり、楽観的に眺めていました。
前日にラッツェンバガーが事故死したのは、不運が重なったことだと考えていました。
中学生ながらに、そう考えていたのは私がF1を観はじめてから、重大な事故というの
はなかったからです。
スタート時にもクラッシュがあったけれど、命にかかわることはなかったのです。
ドクターがコクピットで動かなくなったセナの下に駆けつけて、その時あたりにTV画面に
涙を流しているウィリアムズのピットクルーが映り「どうしたんだろ」とか思ってました。
そうこうしているうちにTV画面にはセナの周りにスタッフが集まって、シートかなにかで
セナの顔を隠しているのです。
ヘリが降りて来て、搬送されると、セナが横たわっていた場所には大量の出血痕があ
り、ここでようやくテレビの中で何が起きたか分かり始めました。
最近になって、ちょこちょこネット検索してみたのですが、あの事故には幾つか説があるんですね。
当時、中学生で今のようにネットで速報性のある情報もありませんでしたので、ワールド
チャンピオンがプライドを捨ててまで、自身が批判したハイテクマシンを持ってい
るウィリアムズへ移籍して、ところがリアクティブサスが禁止されてしまって車は不安定極ま
りなく、どうにもならなくなって自殺してしまったのかと…考えてしまいました。
92年、モナコGPは興奮しました。実況も良かった気がします。マンセルが表彰台に向か
う時に力つきてスタッフに支えられている姿も印象的で、いつまでたっても92年のモナコは
忘れません。
あの時、サンマリノGPで普通にリタイアして、以降も走りつけていたら、どうなっ
ていたのでしょうね?音速の貴公子から、音速の王とか言われてたのかな?
今は、ブルーノ・セナがウィリアムズで走っています。ヘルメットのバイザーから覗く顔は
アイルトンに似ています。
次のモナコGP、セナがモナコマイスターと呼ばれていた場所です。チームメイトの
マルドナドが優勝したこともありますし、ブルーノの走りに期待しています。