第八話「ありがとう」 

October 29 [Sun], 2006, 9:37
第八話「ありがとう」

それから小学校のころからの友達だった大谷真美に家でおこってることを話した。

真美「なんで千佳(私の名前)はさぁ、母親にそういうこと言うの?死ねとか最低だよ。

   それでなんで川本先生だっけ?とかに相談するの?塾の先生なんかに言っても意味ないでしょ」

私が先生に相談したことは特に意味はなかった。

助けて欲しかった。どうやってかは分からないけど。

真美に責められるのは分かっていたけど実際に責められるとやっぱり凹んだ。

そして先生から「とりあえず塾においで」と言われた。

友達の家から塾に行った。

塾で先生の顔を見たら涙がとまらなくなった。

自分の身に起こった事件があまりにもショックすぎて

なぜかずっと冷静だったけど先生に会って

そういう張り詰めてたものが全部切れた気がした。

塾が終わるまで待って帰りに先生と2人で話した。

母親が手首を切ってる間何も思わないでただ「見てた」だけだったこと

シュッって切った音が今もまだ耳に残っていて気持ち悪いこと

本当はこのまま死んでくれないかなって思ったこと

いろんな事が堰を切ったように出てきた。

言葉が嗚咽でとぎれとぎれだったけど

先生はちゃんと聞いてくれた。

私「それで・・・友達の・・・真美にね・・・相談したら・・・「先生にね・・・言って・・・何の・・・意味が・・・あるの?」・・・って言われて・・・」

タオルで涙を抑えながら話した。

先生「そんなの話聞いてほしいからに決まってるよなぁ?」

先生はあっけなく答えてしまった。

先生「でも千佳もものすごいな。俺はお前のメールで相談されたとき泣いたぞ。お前のメール見て。」

そんなこと知らなかったから慌てて謝った。

先生「いや謝ることないよ?てか俺もあるよ。そこまでじゃないけど大学入って親とケンカなって

   大学生の男がだよ?ボロ泣きすんの。ありえんやろ?」

そうやって普通の会話をしていたらだんだん落ち着いた。時計をみると12時前。

私「先生本当にありがとう。ちょっと立ち直った。遅く間でごめんね・・・」

先生「よかよ。んじゃ最後に抱きしめちゃる」

そう言って先生はぎゅうって抱きしめてくれた。

先生「川本マジック★俺にこうされた子はみんな元気になるって言うからね〜」

私「あ、マジで?マジで?なんか元気パワーが伝わってきたかも」

なんて冗談を言いながら先生にひっついてた。

本当はまた泣きそうだったけど笑いながら話をしてた。

先生は友達の家の近くまで送ってくれて最後別れ際にまた話をした。

先生「またいつでも頼っていいからな。もう俺のこと好きになってもいいぜ((笑))」

私「マジで、ありがとう、でもそれは遠慮かな((笑))」

それからバイバイって言って別れた。

この日こんな風に先生を話をしていなかったら

今の私はいなかったと思う。

第七話「親子」 

October 27 [Fri], 2006, 23:23
第七話「親子」

季節は変わって冬になった。

受験が間近になったということもあって私はイライラしていた。

そしてある日

母親が私の書いている日記を見ていることが分かった。

その事が私の怒りに火をつけた。

以前にも同じことがあった。

そして私は母親を本気で憎んだ。

なんで前と同じことをするの?

なんで嫌って言ったことを繰り返すの?

そこまで私の事を知ってどうしたいの?

「いい加減にして!!!!アンタ何を考えてんの!?」

怒鳴り散らした。

そして父はそれを見て私を怒った。

母親に向かってなんて口をきくんだ、って。

娘の日記を読むことが母親の行動なのか?

私は親への不信感を日に日に募らせていった。

そして父親が行った。

「お前はなんで母親にそんなにエラそうなんだ!!

塾だって行かせてもらってる立場のくせに!!」

エラそうになんかしてるつもりはなかった。

ただ反省をして欲しかっただけ。

塾に行かせてもらってるなんて言われるぐらいなら・・・と思って

塾にも行かなくなった。

何日かしてしびれを切らした母親がどうしたら塾に行くのかって聞いてきた。

「あんたが死んだら行くかもね?」

冗談でもなかった。本気でもなかった。

でも本当に消えて欲しかったから割りと本気だったのかもしれない・・・。

母親は果物ナイフを持ってきて自分の手首にあてた。

そして私の目の前で手首を切った。

母親が本気で死ぬ気がないことなんて分かってた。

私の家はマンションの8階。飛び降りたらいっぱつで死ねる。

そこであえて手首をきるってことで

私の怒りはさらに増した。

それからは母親をさけて友達の家に泊まったりして家にあまりいなかった。

どうしようもなくて川本先生に相談をした。

相談をしていいか聞いてみて、いいよって言われて

それまでのことを全部話した。

先生からの返事は遅くて引かれたかな?って思った。

もうそれでもいいやって思った。

誰かに話して楽になりたかっただけだったのかもしれない。

だけどそれから10分以上して先生からものすごく長いメールが来た。

私が言った言葉について怒られてそして励まされた。

そして最後の一文に

「長いメールだと時間の間隔あいちゃうから短いメールになるけど

それでもいいならいつまででもメールしちゃるけん、頼っていいよ?」

と書かれていた。

そして私は甘えた。泣きながらメールを打った。

第六話「彼女の姉」 

September 25 [Mon], 2006, 20:40
第六話「彼女の姉」

先生は怖いってことを知った私だったけど

それでも今までどおり絡んだり一緒に笑ったりしていた。

そして先生は彼女と別れた。

理由は彼女の姉が反対だったようで

彼女が姉と先生の板ばさみになったみたいだった。

先生は授業のたびに話をしてきた。

私は話を聞いた。

メールでも・・・。

彼女はまだ塾にいるせいで気まずい空気ができていた。

塾にいる先生の塾長や、数人の先生をのぞいて

先生と彼女のことをほとんどは知っていたからだ。

先生は自分のせいで塾の空気が変なのを気にしていた。

気を使われれば気を使われるほど辛いみたいだった。

元彼女のときは別れてからすぐに元彼女が塾を辞めたから

こんなことはなかったみたいだけど

今回はそんなわけには行かないみたいだ。

別れてからも先生は時々電話やメールをしていたみたいだった。

私は正直姉に言われて別れるってどういうことだろう?って思った。

好きで付き合ったのに?

それを先生に言った。

先生は

「それは俺も思った。彼女の姉が本気でムカツク。

けどさ、俺が彼女の姉憎んだら彼女は余計辛いやん?

俺はアイツが悲しむとこ見たくないし、アイツ苦しませたくないから

別れないかんっちゃろね」

分からないようで分かる。

そりゃぁそうだ、

だけどそれで先生はいいの?

自分を犠牲にできる先生が

すごく素敵に思えた。

第五話「言葉がきつい・・・」 

September 14 [Thu], 2006, 21:10
第五話「言葉がきつい・・・」

川本先生はよく生徒を泣かせていた。

私にはおもしろい先生としか見えていなかったので初めて見たときは驚いた。

口調が変わっていた。

一番印象深かったのは小学生の男の子だ。

宿題の答えを写してやってきたみたいだ。それも3日連続で。

川本先生「お前もう塾こんでいいよ。やる気ないっちゃろ?

      いいとよ。無理せんで。帰れば?ほら帰れって。ほら。早く。」

そう言っても男の子は帰らなかったみたいで(席の一つ一つに仕切りがあるから見えなかった)

川本先生は後ろの席の私の方に来た。

「前のやつがさー宿題3日連続で写してくるとかふざけた事しやがるけんさぁ」

とわざと前の男の子に聞こえるように言った。

「先生、怖いよ・・・」

私がビビりながら言った。

ら「小島に怒ってるんやないよ」と言って笑った。

前から泣き声が聞こえる。

「先生、前の子フォローせんでいいと?まじ泣きようやん」

泣き声が気になってこっそり聞いた。

「や、まだ言い足りんくらいやし。本部のえらい人が来てるからあんま怒れんかったけん」

いいのかな?と思いつつやっぱ怖くてそれ以上は何も言わなかった。

他にも私と同じ年の男の子が泣かされていたこともあったけど

やっぱり泣いても気が済むまでとことん相手を追い詰める言い方は怖かった。

第四話「新カノ」 

September 13 [Wed], 2006, 19:31
第四話「新カノ」

夏の終わり。

私が川本先生とメールをしだしてからすぐに

川本先生に新しい彼女ができた。なんと塾の生徒。私の2つ上。

メールはほとんどノロケ話ばかりだっし塾の授業中もときどきノロケるほどラブラブだった。

でも川本先生は大学3年生で就職も視野に入れてたみたいだ。

何の話をしていてこう言われたのかは覚えていないけど確か私が

「ラブラブだね」って言ったら川本先生が

「でもね〜。再来年、俺が県外に就職したら別れるやろうね。」って言った。

私は以外ですごくビックリしたけど「へぇ・・・なんか冷めてるね」って言った。

そんなに簡単に割り切ってるんだ・・・。

そしてのちに分かったことは

彼女と別れた理由は今の彼女のせいだってこと。

川本先生はまだ彼女と付き合っていたときに今の彼女に告白され

2・3度メールをしているのを彼女に見つかって、そのたびに

「メールをやめて」と言われてたみたいだった。

それでもメール続けていたのがバレて別れたそうだ。

塾に同じ講師の彼女がいて生徒に手を出したと言ったら聞こえは悪いけど

実際はその通りだ。

同じ空間に彼女がいたのに・・・?

疑問はいくつも浮かんだ

けど私はそれでも川本先生を嫌いになったりはしなかった。

他の人がこんなことをしたって聞いたら絶対引くのに

今までにないほど好きだったんだと思う。

ここらへんでやめておけばよかったのにって

今更だけど今更だから

最近よく思う・・・。

第三話「メール」 

September 08 [Fri], 2006, 18:38
第三話「メール」

夏期講座が終わろうとしたとき、つまり夏休みが終わろうとしたとき。

私の親がいきなり

「個別指導で成績上がらなかったら2学期から普通の団体の塾に行かせる」

と言い出した。

要約すると夏休みが始まる前に受けた塾のテストよりもいい結果を出せ、ということだ。

私は個別指導をやめたくなかった。

川本先生と会えなくなると思ったからだ。

このとき自分が川本先生のこと好きなんだなって実感した。

夏の終わりのテストがある前日の理科の授業で私は川本先生に

塾を辞めなくちゃいけないかもしれない事を打ち明けた。

「辞めたくないのに・・・マジテストの点数悪かったらホントどうしよう・・・」

真剣に辞めたくないって連発してたら先生が

「ん〜・・・。しょうがないなぁ〜」

と言いながらテストに出るところを教えてくれた。

「こことね〜ここね。火山のとこは出らんけど地震は出るよ。あとはここ覚えとき。」

びっくりして「え?いいんですか?」と聞いたら

「俺も辞めてほしくないけんね。でももしお前が辞めることになったらメアドくらい教えてあげる」

「え、辞めなくても教えてくださいよ。」

「じゃぁ、メアド紙に書いとき。あとで送るけん。」

私はノートの端っこに自分のメアドを携帯を見ながら一文字一文字丁寧に書き写して

川本先生に渡した。

本当は私の塾は先生と生徒の恋愛は絶対タブーで

塾を辞めた人とメールをするのでさえも本部にバレたらクビになる。

このとき丁度、塾の先生が生徒を包丁で刺し殺したこともあって塾側も敏感になっていたからだ。

そのことを知ったのはずっと後だけど。

その日、塾から帰って数時間してもメールが来なかった。

私は鳴らない携帯を握り締めていた。

そのとき登録していない人から用の着歌が鳴った。

開いてみると

「川本健二です。登録よろしくね(^^)」

そっけない文章だけど川本先生らしい文章でもあった。

すぐに登録して返事をした。

第二話「数学」 

September 07 [Thu], 2006, 19:25
第二話「数学」

その日の授業中は先生の失恋話をずっと聞いていた。

「先生一途だね」なんて言いながら。

「でもお前最初俺見て引いてたやろ」と言われたときはドキっとした。

図星だった。おもいっきりオタクっぽいって思っていたし、ダサイって思った。

その場は笑って誤魔化したけど川本先生はすごい鋭い人だった。

授業中先生は眼鏡をはずしていた。

私は「目、そんなに悪くないの??」と聞いた。

「うんにゃ、めっちゃ悪い。けどアイツの顔もう見れんけん。」

それでまた私は笑った。

小さい子供がエッチな話を聞くと照れて笑うソレと同じものだと思う。

先生の話には元カノが好きだったってことがビシビシ伝わってきた。

笑っていたけど別れてもここまで思われているの元カノが羨ましいと思った。

その日の午後、私は一旦家に帰ってお昼ご飯を食べてまた塾に行った。

座る席を確認しようとしたら私の名前が見当たらなかった。

塾長に聞いたらファイルで確認をして、あからさまにしまったという顔をした。

「ごめん、入れ忘れてたみたい。でも席ないし・・・どうしよ・・・」

塾長は明らかに困っていた。

本当はちょっとムカついたけど長期休みの講習が大変なのは私も分かってたから

「別にいいですよ〜。1回家に帰るから。」と笑って言った。

私がこう言う以外にどうしようもなかったと思ったから。

そのとき後ろから声がした。

「小島さぁ、次の教科何??」

後ろを振り返ったら川本先生がいた。

私は多分なんで??って顔をしてたんだと思う。

「いや、ほら理系だったら俺教えてあげれるし。」

川本先生はそう付け加えた。

「次は数学だけど・・・でも席ないみたいですよ」

私はそう言って塾長の方に向きなおった。

そうしたら川本先生は

「塾長、コイツ、PCの席使っていいなら俺教えますよ。」と言った。

驚いて振り返った。その瞬間、塾長が言った。

「本当??それは助かるよ〜。」

なんだか決まってしまったみたいだ。

「PCの席いて。すぐ行くから。」

そう言って先生は授業に使う資料を取りに行った。

PCの席についてキーボードをズラしてノートを置けるスペースを作ったとき先生が戻ってきた。

「先生、ありがとう」

私は素直に感謝した。

授業の時間は1時間半という微妙な時間で1度家に帰るには短いけど

ずっと塾にいるには長い時間だったから、授業をしてくれるのはありがたかった。

川本先生が教えてくれる数学は分かりやすかった。

第一話「出会い」 

September 06 [Wed], 2006, 21:26
第一話「出会い」


彼と初めて出会ったのは中3の夏、塾の講師と生徒として。

「彼」こと川本健二。

その塾は個別指導制で先生1人につき生徒が3・4人というものだった。


私は授業が始まる前に自分の座る席と先生を確認した。

次の理科の授業は知らない先生が担当になっていた。

それが川本健二だった。

知らない先生が担当になることはあまり嬉しいことではなかった。

慣れている先生じゃないと質問がしにくいし話もできなくて楽しくなかったから。

とりあえず友達のところへ行こうと思って鞄を置きに自分の席へと行った。

そこにはすでに先生がいて目が合った。

パッと見て、ダサいという印象が強かった。

小さい背、赤茶色のゴツイ眼鏡、ポッチャリした体系。

彼は私の視線に対して笑顔で返した。そして

「え〜と。小島さん??俺の授業初めてだよね。川本です。よろしく。」

講師の名札を見せながらにこやかに挨拶をした。

私もよろしく御願いしますと言った。

話すこともなくて沈黙が流れたとき、急に彼が言った一言。

「ちなみに俺、今日カラゲンキだから。」

さっぱり意味が分からなかった。

生まれて初めて話してから数分後にカラゲンキをアピールされることは

私の人生でこれが最初で最後だと思う。

空気が和んだ。

私は笑いながら理由を聞いた。

川本先生は彼女にふられたのだと小さく言った。

そしてそれが同じ塾にいるという「オチ」付き。

茶髪で背が小さくて赤色の先生の眼鏡と似たような眼鏡をかけている女の先生を指差して

「あれが元カノ」と言った。

塾の先生が生徒に恋愛の話を話すことはないと思ってたのに

あまりにも普通に話すから私は笑ってしまった。

先生は泣きそうになりながら言った。

「お前はね、俺がどんなにアイツを好きだったか知らないからそんな風に笑えるんだよ」

今なら分かる。けど当時の私には分かるだけの恋愛経験はなかった。

でもそのとき笑ってよかったのかもしれない。

そのせいで川本先生と仲良くなかったから。

本当の言葉 

September 06 [Wed], 2006, 21:04
『本当の言葉』
という題名で私が実際に経験した恋愛の話を小説にしたものです。
名前以外は全部本当のことを書きます。
初めて書くので変な文章になるかもしれないので
そのときは指摘をよろしく御願いします^^
P R
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