死神 

October 27 [Thu], 2005, 12:42
3年ぶりに会った親友は、
3年前と比べて大人っぽくなっていた。
身長は、3年前は私の方が高かったのに、
今は私の方が低くなっていた。
顔つきも、随分と大人っぽくなり、
男らしくなっていた。

「昔はよく私に 泣きながら走ってきたくせに・・・」

私がそう言うと、賢治は私の頭の上に手を置いて、
こう言った。

「じゃあ、今度は優が俺に泣きながら走ってきてよ。」

少し俯いて、クスリと笑って
私は言った。

「賢治と違って私は泣き虫じゃないよ。」

そう言うと、笑って賢治は呟いた。

「やっぱり、優は優だな・・・」

「あたりまえじゃない」そう言おうと、
私が頭をあげると、賢治はどこにも居なかった。
私の頭の上に置かれた賢治の手も、
いつのまにか消えていた。

「けん・・・じ・・・っ!?」

すると突然目の前に、
大きな鎌を持った骸骨が現れた。
その骸骨は、黒いマントを着ていて、
目は赤く、持っている大きな鎌は、
奇妙な形をしていた。

「貴方・・・誰?」

怖いとかいう感情は何も無かった。

「ワタシハ[シニガミ]06オマエノパートナーダ。」

「は?」

死神と名のる骸骨は、
カクカクとした声で喋りだした。

「イマ、オマエノメノマエニイタオトコガキエタ。」

「!」

私の目の前にいた男。
賢治だ。

「イマオマエハオマエノユメノナカニイル。
モチロンワタシモオマエノユメノナカニイル。」

「今お前はお前の夢の中にいる?
今私は私の夢の中にいるの?
信じられない・・・だって周りには、
町の人とかお店がたくさん・・・!?」

私は驚いた。
さっきまであったお店や人が、
皆消えて、真っ白の世界になっていた。

「キョウアノオトコハシヌガ、タスケルナ。
オトコガシヌトキ、オマエハオトコノトナリニイル。
ダガ、ゼッタイニタスケテハナラヌ。」

「なっ!!」

大事な親友が死ぬところを、
私は見ておかないといけないのか?
そんなのできるはずがない。

「どういう意味よそれ・・・っ!?」

私が叫ぶと、死神は砂のように消えていった。

「ちょっ・・!待ちなさいよ!」

死神を捕まえようと、手を伸ばしたが
もう消えていた。

死神 

October 29 [Sat], 2005, 13:04
「ん・・・?」

目が覚めた私は、起き上がって耳を澄ました。
窓の外から聞こえる小鳥の声と、
部屋に1つしかない時計の針が動く音しか聞こえなかった。

(夢・・・だよね・・・?)

夢で見た事を少しずつ思い出しながら、
私は部屋から出た。
階段を降りていると、お母さんが台所から私に言った。

「今日賢治君と会うんでしょ?
さっさとご飯食べなさい。」

「はーい」

リビングにあるイスに座って、
私はテレビをつけた。
テーブルにはおいしそうな
目玉焼きと、ご飯がおいてあった。
たまたまつけたテレビは、ニュースをやっていた。

「あ、またスピード出しすぎ運転で事故だってぇ〜」

「物騒ねぇ〜。気をつけるのよ?」

「はーい」

ご飯を食べ終わって、自分の部屋に戻って
私服に着替えた。

(3年ぶりに会うんだからね!)

お出かけ用の鞄の中に、財布・携帯・ハンカチ
を入れて、私は家を出た。

「行ってきまーっす。」


待ち合わせの場所には、先に賢治がついていた。
賢治が私に気づいて、大きく手を振った。

「おーっす」

「久しぶりー!」

最初は簡単な会話をして、
お店に行こうと思い私は賢治を連れて歩き出した。

何分かして信号待ちをしている時、
改めて私は賢治をじっくり見た。
賢治は3年前と比べて大人っぽくなっていた。
身長は、3年前は私の方が高かったのに、
今は私の方が低くなっていた。
顔つきも、随分と大人っぽくなり、
男らしくなっていた。

「昔はよく私に 泣きながら走ってきたくせに・・・」

私がそう言うと、賢治は私の頭の上に手を置いて、
こう言った。

「じゃあ、今度は優が俺に泣きながら走ってきてよ。」

少し俯いて、クスリと笑って
私は言った。

「賢治と違って私は泣き虫じゃないよ。」

そう言うと、笑って賢治は呟いた。

「やっぱり、優は優だな・・・」

その時、賢治の後ろの方から
もの凄いスピードで走っている車が、
賢治に向かって走ってきた。

「賢治・・・っ!!」

私は、賢治に向かって走ってきた車の前に、
立ちはだかった。
私は車に跳ねられ、即死した。

死神 

October 29 [Sat], 2005, 13:53
「アーア。ダカライッタノニ・・・」

目を開けると、夢で見た死神が私を見下ろしていた。
私は横になっていた。
周りは暗く、とても奇妙なところだった。

「ここは・・・?」

「オマエハオトコノカワリニシンダ。」

静かに死神は言う。

「ワタシガイッタコトヲマモラナカッタオマエハ…」

死神は、持っている鎌を大きく振りかぶった。

「シケイダ」

そう言って、死神は私を鎌で切り裂いた。
痛みなんてものは無かった。
変な気分になって、頭が破裂しそうだった。
今にも5体の体がバラバラになりそうな感じがした。

「わあああああああああ!!!!」

「オマエハモウ シニガミダ」

死神がそう言った瞬間、
変な気分は終わった。
が、私の体は死神になっていた。


「ワタシハ[シニガミ]06」


Fin.
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:honne123
読者になる
Yapme!一覧
読者になる