愛馬のためなら

May 25 [Sat], 2013, 10:47
友人のブログを見ていると、出張にかこつけて遊びに行く話がしばしば出てきて羨ましく思う。そういう自分も、かつて商社で働いていた頃は、出張を週末に繋げて競馬場で旅打ちしたこともあったのだが、今の仕事は出張が全くないので、それも遠い日の思い出である。

そういえば水沢競馬場へ初めて行ったのは、仙台支社への出張にくっつけたときだった。その日のメインレースがアラブ王冠で勝ったのがシバノアマゾネスなので、あれはもう20年以上前の話である。当時はiチャンネルもなく、ふじポンもいない鉄火場の雰囲気漂う水沢競馬場だった。

などと思っていたら、動画サイトでこんなCMを発見。出張、公務どころか、宮様が国費で競馬に寄り道とは。サラリーマンの百円単位の旅打ちとは、ずいぶんスケールの違う話である。そしてそれを、「馬のためなら」と送り出す英国議会も素敵。私なんぞは、職場で競馬の話をちらりとしただけで、同僚のH女史から「アンタ、ケイバなんかやるの」と罵られたほどである。当時は競馬はまだまだそんな風に見られていたのである。まあ、馬券ではなく、愛馬の出走となれば少し話は違ってくるのだが。

そんな私も、その数年後に一口ながら共同馬主として、競馬を楽しんでいたこともある。いかんせん生涯で最も金のない時期で、愛馬が札幌で特別レースを買ったときには素寒貧で、現地観戦どころか馬券、専門紙すら買えずに日刊紙を見て陰ながら応援するのがやっとだった。でも大川慶次郎氏に◎をつけてもらった記事は、今も大事に保管してある。今なら例え仕事を辞めてでも現地にはせ参じるだろう。

鳴門競艇場

July 21 [Sat], 2012, 11:57
久々の競艇の旅打ちは、鳴門である。大村に似た最果て感のある昔ながらの競艇場の雰囲気を残していて、若かりし頃を思い出すレース場である。まずは正門右に笹川良一の歌碑がある。「母背負い 宮のきざはし数えても 数えつくせぬ母の恩恵」今や競艇はボートレースという呼称が使われ、競艇場はすっかり様変わりしてしまった。今も笹川色が残る場はごく僅かとなった中で、貴重な存在である。


アーチ型の屋根の下の、投票窓口も懐かしい造りだ。二十代前半の頃に足繁く通った多摩川競艇場の穴場が甦ってきた。競輪場で言えば武雄、オートなら飯塚にも似た構造である。90年代までなら、予想屋の声が場内に響き渡っていただろう。そしてコーチ屋やノミ屋などが客に紛れていただろう。そんなことが思い浮かぶ場所である。


スタンド側から競走水面に臨むと、周囲の眺めは下関や徳山を思わせる瀬戸内らしい静かな海面に見える。右側に鳴門大橋があるのが特徴的で、老朽化した施設と近代化された橋とのコントラストも妙である。余談だが、鳴門には量販店のダイレックスやファミレスのジョイフルなど九州資本の店が目立ち、遠くへ来た気分にはなれない一方で親しみも感じる。そんな不思議な鳴門である。

もはや競艇熱もすっかり冷めた今日この頃、ひとレースだけ打って辞したのだが、舟券の方はいつものごとく、絵に描いたような裏目。水面が狭い狭いと書かれる鳴門のコースだが、私には戸田ほどは狭く感じなかった。次に来ることはあるのかわからないが、そのときはリベンジしたいものである。


静かな海面に水しぶきを上げながら競走するのを見ていると、かつてNHKの銀河テレビ小説で放送された「海をわたって」というドラマを思い出した。もう30年以上前のドラマながら、静かな瀬戸内の海の情景が今も鮮明に記憶に残っている。その静かな海を舞台に若者の情熱を燃やす戦いが描かれていたのだが、鳴門の水面からも若い有望な選手がたくさん出て熱い戦いを見せてもらいたいものである。

dj

July 17 [Tue], 2012, 1:38
自分の買ったウマ(ブタ)がしんがり負け。
予想では考えもしなかったくせに、結果が出ると「水色買っとけばよかったね」なんて。
まるではずれ馬券を握りしめ、「4から買っとけばよかった」と呟く馬券オヤジと同じじゃないですか。

自分が買った選手が欲にまみれて負け、いやしいヤツだと思いつつ、自分も欲たっぷりに投票券を買っていて、外れたら結果論でそっちだったかと後悔するという発想は、ずいぶん小さい頃から形成されているもんですね。
レース動画

荒尾競馬の誇り

July 09 [Mon], 2012, 18:10
荒尾競馬場が廃止されて早いもので半年が過ぎた。最後の開催日に入場記念品としてもらった2012年の卓上カレンダーもあと6枚を残すのみとなり、寂しさは募るばかりである。

そんな荒尾競馬のカレンダー、12枚の写真のうち荒尾の写真は10枚しかない。最後の貴重な12枚のうち、2枚も他所の競馬場での写真があるのだ。最後だというのに全て荒尾の写真にすればいいのにと思うところだが、残る2枚を見ると納得できる。荒尾の馬たちの全国の桧舞台での雄姿なのである。

その2枚はいずれも園田競馬場の当時の楠賞全日本アラブ優駿、園田ダービーである。全国から集まったアラブの3才の頂点を決めるレース。当時はアラブ馬の競走だけの競馬場もいくつかあったので、地方競馬場としては事実上の日本一の優駿を決めるレースだったのだ。そのレースを勝つことは全国の地方競馬に携わる人々にとって、本当の名誉であった。

そんな最高峰のレースを、荒尾の馬が勝つなんて大事件だったのである。カレンダーの7月には誇らしくダイメイゴッツが園田の直線を疾走する姿がある。あれは1993年のこと。売上げも好調で荒尾競馬場も常ににぎわいを見せていた頃、当時毎年のようにリーディングジョッキーだった牧野孝光騎手を背に、ダイメイゴッツは全国の強豪たちを抑えて、園田の2300メートルを6馬身差をつけて逃げ切ったのである。


九州所属の馬が楠賞を初めて勝った衝撃は、今でも忘れない。園田の杯が関門海峡を渡るなんて、荒尾びいきの私でも思いもしなかったのである。ファンの私ですらそれだけ鮮烈だったので、関係者は尚更であろう。たった12枚しかない最期の荒尾のカレンダーに、どうしても2枚入れたくなった気持ちが伝わってくる。

あとの1枚は、8月のコウザンハヤヒデ。これも楠賞を優勝した。西村栄喜騎手の大金星である。荒尾からの2頭の馬の優勝により、園田や全国のファンに荒尾の馬に一目置かせたのは間違いなかろう。
もうなくなってしまった荒尾競馬場だが、全国の猛者にその力を誇示した記録は、競馬が続く限り永久に残されるのである。

今年も高知へ

May 07 [Mon], 2012, 23:55
私が地方競馬にのめり込んでいったのは、80年代後半から。今では考えられないことだが、8〜90年代は地方出身の馬が中央入りしてから重賞で活躍することが当たり前にあったのである。そんな風に出世していく馬の後ろ姿を見ることは、まだ希望に満ちた若い私にはこの上ない楽しみだった。

例えば北海道には皐月賞を勝ったドクタースパートがいたし、岩手ではオールカマーで人気になったスイフトセイダイがその名を轟かせていた。牝馬ではユキノビジンも強かった。北関東にはカツノコバン、南関東にはイナリワン、東海にはジュサブロー、九州にはスカイジャイアントと、各公営競馬場には中央の重賞で通用する馬がうようよいたのである。

高知を走った馬で中央の重賞を勝った馬もいた。ゴルデンビューチである。打越初男の騎乗だった。去年の春に高知競馬へ行ったのは、その後調教師になった打越初男が亡くなったと聞き、その弔いもこめてのことである。看板レースの福永洋一記念は、実は二の次だったのである。

しかし二十年ぶりに高知競馬場へ訪問してみて、その変わらぬスローな生き延び方に好感を持ち、馬券は当たり、グッズのスポーツタオルはもらえ、メモリアルイベントの写真展にすっかり気をよくして、訪問を例年の恒例行事にしようと心に決めたのである。また今年も大型連休明けの月曜日、仕事の日程をやりくりして博多から新幹線に飛び乗って岡山から特急南風号に乗り換え、当日高知入りした。


早速2レースから3連単を当てた。打越初男氏の子息で、このほど新規開業したばかりの打越勇児師の管理馬での的中である。この上ない喜びであるし、初男氏への弔いになった気分だが、いかんせん配当は5倍ほど。競艇でも3連単で5倍見当というのはなかなかない。去年はたまたま穴馬券を獲れたのだが、高知競馬の馬券って堅いのね。ということで、馬券ではこの後苦悶するばかりだった。

今年のメインイベントは、福永洋一氏の属した馬事公苑花の15期生同窓会。岡部幸雄氏や柴田政人師などが集まる、長年の競馬ファンにはたまらない顔ぶれである。私は青春時代を東京で過ごし、毎週土日は欠かさず東京競馬場へ通い詰めただけに、岡部や柴田人といったらヒーローである。当時はまだG2以上しか東西での相互場外発売がなく、G1以外で西の騎手が東で乗ることは稀だった。馬券の軸はいつも岡部や柴田人だったのである。


翌日、高知市内のホテルでテレビを見ていると、前夜の高知競馬の様子が夕方のローカルニュースのトップで報じられていた。高知や岩手の競馬は、地域ぐるみでこうして盛り上げているのが伝わってきて喜ばしい。荒尾などはずっとお荷物扱いで、報道されることすら滅多になかった。交流戦で来場した武豊などには一切触れず、福永洋一氏や15期生の話題に終始していた内容にも好感を持てた。そして来年もまた、福永洋一記念に行こうと心に決めたのである。
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