第4話。(1年ぶり) 

2009年02月16日(月) 15時44分
****

彼は話をしに森に頻繁に来てくれるようになった。
そしていろいろな話を聞かせてくれた。
麦畑のこと、街のこと、ママのこと、
そして、森が焼かれること。

私の母親は随分前に亡くなった。
その頃は、もっと遠くの別の森に住んでいた。
その森にはリロリロ鳴く愛らしい鳥などはおらず、
今にも動き出すのじゃないか
私なんぞ容易に溶け込まされるのじゃないか
黒く深い目をした大きな塊、
それを際立たせるような鈍い光、
耳をふさぎたくなるような、劈くような悲鳴。
そんな苦しみや嘆きばかりを取り込んだような森だった。

それでも、夜になると滴るような蜂蜜色の月が上った。

「ここが私たちの居場所なんだよ」
「ここを離れてはいけないよ」

それが母の口癖だった。

でも、私は母を残してその森を離れた。
火に包まれた森に抱かれた母を残して。

第3話。 

2008年03月31日(月) 22時00分
ぼくと彼女は出会って、
2人で約束をするようになった。
約束をするようになって
しばらく経って
ふと気付いたことは
街がまた穏やかな暖かさを
取り戻しつつあることだった。

ぼくが彼女にその話をすると
彼女はゆっくり 
けれどそれに気付かせない程に
口元を緩め笑顔を見せた。
青い瞳が少し揺れたようにみえたが
ぼくはなにも聞かなかった。

彼女は話すことが出来なかった。
こちらの言いたいことは分かるようだが
うまく言葉が出せないようだった。
いや、もっと正確に言うならば
彼女の話していることを
ぼくがうまく理解できないだけのことだった。
分かったふりはしたくないから
彼女のイエス・ノーだけでも理解しようと
ぼくは彼女の瞳をじっとみつめるようになった。
そのたび、ぼくは体も心も
その青に溶かされる幻想を抱いた。
それはある種の快感だった。

第2話。 

2008年03月18日(火) 16時33分
ぼくと彼女が初めて会ったのは
何年前だったか、
草花が長い眠りから起き出そうと
顔を出し始めるころだった。

そのころ街では
森のことが話題になっていた。
大人たちが毎日毎日集まって
恐い顔をしながら話をしていた。
どうやら森が焼かれるらしい。
ぼくがその理由を尋ねようとすると
母親は半分怒鳴られるように
絶対に森に近づくな、と言った。

しかし、とにかくぼくは 
森にお別れを言おう
そう決めて母親にはもちろん内緒で
森へと出かけていった。
少し歩くと、黄緑色の小さな鳥が
リロリロ鳴いてぼくを出迎えてくれた。
小鳥に導かれるように森を進んでいくと
そこに彼女がいた。
空も海も喜びも絶望も
すべて溶かし込んだように
青い瞳をした彼女。

ぼくは思わず声をかけた。
彼女も森にさよならを言いに来たのだと思ったからだ。
しかし、どうやら違うようだった。
ぼくは、この森が焼かれるらしいと教えてあげた。
すると彼女は一瞬驚いたように見えたが
すぐになにか思い当たることでもあるかのように
納得した表情に変わり、こっくりとうなづいて見せた。

それがぼくと彼女の出会いだった。

第1話。 

2008年03月14日(金) 20時32分
ぼくの住んでいる街には
はちみつ色の家が並び
表では大人が麦を作り
子どもが無邪気に笑いあい
夜には、星の瞬く音が聴こえ
朝には、郵便屋の自転車が
石畳を跳ねる音で目が覚める
それはとても素敵なリズム。

ぼくはよく森へ出かけた。
黄緑色のまん丸とした小さな鳥が
ぼくの来るのを待ち構えていたように
リロリロと鳴いてくれる。
それから少し歩いたところに
ぼくのともだちは住んでいた。

ぼくのともだちは見た目という項目に
街の人たちとは違う点をいくつか持っていた。
そのせいでいじめられたのかもしれない
親に捨てられたのかもしれない
とにかく彼女は森に住んでいて
ほとんど街に出てきたことはないようだった。
ぼくはその理由を聞きはしない
彼女が話さないことが分かるからだ。

初めまして。 

2008年03月13日(木) 18時00分
始めましてん。

何書こうかな。

何か高価な、買い物しようかな。

いや、それは妙案とは言えませんな。



だれやねん。っていうか何が。



京都の大学通っています。
ギター弾きで、ピアノ弾きで、ベース弾きです。
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    ・音楽-ピアノ・ベース・アコギ
    ・写真-ニコンのフィルム一眼レフ
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