昭和22年、夏。
第2次世界大戦後の日本では、まだ敗戦後の混乱が続いていた。
青空の下、神社の境内。
貧しい子供達に話をしている18歳の純子(酒井美紀)。
「先生」と呼び慕う子供達に、純子は笑顔で説く。
「生まれてこなくていい命なんてない」と。
子供達の中に座り、ジャンヌ・ダルクの話を始めた純子。
そこに通りかかった青年・道也(山口馬木也)が口を挟んだ。
「女闘士の話は戦後の平和の時代にはふさわしくないのでは?」
純子は尋ねる。
「ジャンヌ・ダルクの偉人伝を読んだ事がありますか?」
「ない」と答える道也。
純子は言う。
「未来に希望を持っている子供達に、未来を信じられる話をしたい」。
その話を聞こうと生徒達の中に座り込む道也に、純子は言う。
「お引き取りください。そしてもう二度とここへは来ないで下さい」
なんと不躾な人だろうと憤慨する純子。
まさか、彼が自分の人生に深く関わっていくようになるとは、
この時まだ純子は思っていなかった。
遊郭「バタフライ」。
同じ日の夜、純子はその一部屋で唇に紅を引いていた。
遊郭の女将と主人が金を数えながら話をする。
足の不自由な父親の借金を返すため、
そして妹の玲子をお嬢さん学校に通わせるため、
純子は自ら女郎屋に来たと。
純子が働き始めて半年、「バタフライ」に客が増えたと喜ぶ二人。
純子は引き出しから紅い石のブローチを取り出す。
それを見つめて思い出すのは、入院していた母の死に際の言葉。
「私は純子の母親じゃない。
純子の実の母は、自分の命と引き換えに貴女を産んだの」
母はブローチを純子に手渡して言う。
「これは、本当の母親・・・三枝八重さんの形見。
貴女のお父さんは・・・」
そう言いかけ、母は息を引き取った・・・
純子は客として訪れた相川(眞島秀和)に勺をする。
相川は薬や衛生サックを遊郭「バタフライ」に卸しており、
偶然そこで純子に再会したのだった。
女学校時代から高嶺の花だった純子に想いを寄せていた相川。
「今では会いたいときに会えるし、酒の相手もしてもらえる。
そしてもっと凄いことまで・・・」
そう言って喜ぶ相川に、純子は言う。
家庭があるんだからこんな所に来ない方がいいのではと。
幼馴染である相川の、毎回の指名を苦痛に感じる純子。
そんな純子の肩を抱き、相川は言う。
「約束通り、ここで君が働いていることは誰にも喋ってない。
困ったことがあったら何でも言ってくれ」
純子は女郎達の共同宿舎に住んでいた。
朝から新聞を読む純子に同僚の女郎・コウ(野口かおる)が言う。
「あんたのおかげで平仮名と片仮名が読めるようになった。
今度は漢字も教えて」。
笑顔で「はい」と返事をする純子。
純子の実家。
セーラー服姿の玲子(小嶺麗奈)が、
純子から届けられた封を開けて父親に言う。
「お姉ちゃん、お客さんからのご祝儀、全部送ってくれてるのね」
「すまないな。純子にばかり苦労をかけて」
父親はそう言いながら封の中の金を数え、
そしてその金を全部持ち、博打をしに出かけてしまう。
困り果てる玲子。
数日後、神社の境内。
純子が子供達と遊んでいると、
その中の一人・信男が高熱を出してしまう。
信男をおぶって診療所に向かう純子。
しかし中から顔を見せたのは、道也。
彼は新しくそこに赴任してきた医師だった。
信男の診療が終わると、
純子は道也の机の上にジャンヌ・ダルクの偉人伝を見つけた。
道也は本を読み、ジャンヌ・ダルクを誤解していたことを告げ、
先日純子に言ったことを謝る。
夜。
道也の診療所に、父親の薬をもらう為に玲子が訪れた。
若くしっかりした印象の道也にときめく玲子。
後日、純子は信男のことで道也にお礼を言う為、再び診療所を訪れた。
しかし、道也は留守。
純子は途中の道で咲いていた可愛らしい花を棚に飾り、掃除を始めた。
窓の外には、雨。
その頃信男が雨の中、子犬を拾っていた。
道也が診療所に帰って来る。
すっかりきれいになった部屋を見て喜ぶ道也。
その時、けが人が運ばれて来た。
慌しく処置をする道也を手伝う純子。
手当てが終わり、一息をつく純子に、道也は言う。
「時間のある時、診療所を手伝って欲しい」
そしてまたそこに、雨の中で倒れていた信男が担ぎこまれて来た。
道也と純子は懸命に信男の看病をするが、
その様子を窓から玲子が見ていた。
「何故、お姉ちゃんが?」
玲子の目に嫉妬が浮かぶ。
夜9時。
店に戻らない純子に、女将が、そして相川が苛立っている。
純子は時間を気にしながら信男の診療を手伝っていた・・・
傑作の後とはいえ、あの始まり方では
視聴者が逃げるのは仕方ないのではと思ってしまいました。
魅力、今のところナッスィングです(苦笑)