書き言葉の発達について

July 19 [Fri], 2013, 20:54
五歳になる長男が最近小さいストーリーを書くようになった。見るとそれがちゃんとしたストーリーで結末もきちんとある。文字は間違っているがなかなか面白かった。

彼は、次男に比べると文字や記号を覚えるのがゆっくりで、少し心配もしていた。
だが、ずいぶん小さい頃から絵本を読んでもらいたがり、最初は親の声や響きを楽しむところから、次第に、ストーリーそのものを楽しむようになった。
次第に、ストーリーの始まり方、つながり、といったものがあるのを認識しはじめたのか
はじまりの文をとばしたりすると、初めての本でもわかるらしく、「あれ、最初から読んで」という。

恣意的に文字や記号をその音と結びつけて覚えることが得意なのは幼児期の特徴であるといわれる。たとえば幼児が、国旗やひらがなや数字の順列をいとも簡単に覚えてしまう様子をよく見る。

長男は一方でそういった世界に興味をもたないのか、あまり覚えようともせず、一見いとも簡単に記号を覚え音に結びつけることのできる次男のほうが目立ってしまう。

だが、ストーリーを語れる(語ろうとすること)と正しい文字をつづれるということは別である。どんなに文字を覚えていたとしても、ストーリーを語ろうと思ってもそれが難しい場合もあるのだ。

このようなことから書き言葉の発達について考えるようになった。

幼児期に文字、記号を音と結び付けて学ぶ際に、ただ「あ」という記号を「あ」という音だと覚えるのが得意な子もいれば、そのようなことに関心のない子どももいる。その関心の度合いはグラデーションのように異なっているし、時期も異なってくる問題なので、ただ単純に同じ時期に比べて、どちらか一方だと簡単に片付けられる問題ではないだろう。

しかしながら、大事なことは、記号と音を結びつけた「文字」を覚えることは、ただ覚えることに意義があるのではなく、形態素から文レベル、さらにはストーリーという形での理解につながっていくことではじめて意味があるということだ。文字をとおして、中身をどう理解するか、何を表現するかというところに、書き言葉の発達の本質があるのではないかということである。

いうならば、文字をとおして自分の気持ちや考えを表現したり、文字をとおして、書いていることの意味を理解し、考えていくというところに書き言葉の発達の目標がある。すなわち、文脈にもぐり、文脈を編み出す主体となり、そのプロセスに文字をのせていく行為に意義がある。

では文脈にもぐり、理解し、文脈を編み出す表現主体へと育っていくために重要なのは何か。それは文字の習得ではなく、いろいろな経験(ストーリー)をとおして考えること、ではないか。

だが、身体をとおしての経験は、ことばによる語り(ストーリー)という形になりにくい。そこでそのような実体験で感じたこと、考えたことが、ストーリーと響き合う行為として、本の読み聞かせという行為に注目したい。読み聞かせの醍醐味はここにある。文字を教える、学ぶ前から、さまざまなストーリーを聞き、話し合う。心にそのストーリーが刻まれるとともにさまざまに考えるだろう。そうした経験を小さな頃からしっかりと積んでおきたい。

書き言葉の発達とは、日常の経験からいろいろなストーリーに触れ、それを語ろうとしたときに始まる。そこにはじめて文字に生命が宿るのだ。
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利かん気の強い長男、ほんわかおっとりの次男、2人の男の子を子育て中。
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