14秋冬プレタポルテコレクション

June 21 [Fri], 2013, 18:09
この女性は誰? どうしてこんな格好しているの?私たちがそう問いかけるのを、ミウッチャ・プラダは待っている。そういう問いを発したくなるような服を、いつも作ってきた。そういう問いが「この服、私に着せて」という願いの裏返しであることも、もちろんミウッチャは承知している今宵の201314年秋冬コレクションもそうだ。猫や鳥、不思議な影がステージの背景に投影される中、ミウッチャが繰り出したのは過去の「プラダ」で見たような、でも明らかにアップデートされたスタイルたち。昨シーズンは「一輪の花」のイメージにこだわり、日本的な美学を強烈に感じさせたけれど、今回はもっといろんな要素を採り入れ、本当に誰もが着たくなるようなスタイルを提案している。それは頭で理解できなくても、なんだか着てみたくなるスタイルだきゅっとベルトで締めたウエスト、大きめのバッグ、厚底の靴、そして暖かそうなオーバーコート。「プラダ」らしさのすべてが詰まっている。昔からのファンならば、どれがいつごろのコレクションのリメイクかを言い当てることができるかもしれない。でも大事なのは、2013年ルイヴィトンバッグ新作単なるリメイクではなく、そこに新しい要素が加わっていること。スカートの裾をわざと不揃いにして豊かな表情を与える趣向などがそうだ。きっちりベルトを締めたスカートスーツがあり、大きめのコートの袖口を大きく折り返したり毛皮で強調していたのも新鮮。とくに飾り立ててはいないのに、すごくゴージャスでモダンな感じがする挑発的と言うか誘惑的と言うべきか、ショウの全体に「ちょっと待ってね、私ってまだ……」感が漂っていた。まだ乾かしてない洗い立ての髪、まだ完成途上みたいな感じのカーディガン、まだ一方の肩を隠していないドレス。どこか未完成で、でも着ているうちに身体に馴染み、進化していきそうな不思議な感じ。だから思わず「この女、誰?」と問いかけたくなるファッションは常に進化する。今回のコレクションも進化の途上(だから次のシーズンが待ち遠しい)。それがミウッチャのメッセージかもしれない。男たちの支配するイタリア政界に進歩が見えないからこそのメッセージ、と言えなくもない。いずれにせよ、今シーズンもミウッチャは私たちの期待を裏切らなかった。
P R
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