02:俯いた君の目蓋にキスを
2004年01月29日(木) 22時27分
D灰ノアラビュー
02:俯いた君の目蓋にキスを
初雪が地上を汚す。
降りしきる粉雪の中、独り横たわる身体は荒い息を吐きながら血を戻す。
土の上に、雪が、彼の吐いた生命の証が、散る。
乱れた髪、薄く開かれた唇。
人形のような、その身体。
虫の息で、俺を睨み付けるその不遜な眼差し。
いつも見惚れていた、彼の全てが。
俺に汚されている。
「ユウ」
彼の名を呼ぶ。
すると彼は一瞬顔を顰め、俺に向かってその綺麗な顔を歪ませた。
「死んじまえ」
動かないその身体で唾を、血反吐を、吐き出す。
最期まで虚勢を張る彼に。
その行為に涙が出た。
「ユウ」
宝物のような名前を、呟く。
ぶち壊したのは自分。
彼が俺を信じた瞬間に。
その全てを根本から否定した。
「ユウ」
彼の名前は甘い。
空気の漏れる音が彼の喉から聞こえてくる。
何時もは流れるような髪が、雪でぬかるんだ土へ這っていた。
彼の髪。
彼の瞳。
彼の唇。
彼の腕。
彼の足。
彼の身体。
彼の存在。
その全てを手に入れることが出来たのなら、なんて幸福だろう。
仮初の満足感に浸って、彼を手に入れようとしている自分は、何て愚かだろうか。
02:俯いた君の目蓋にキスを
初雪が地上を汚す。
降りしきる粉雪の中、独り横たわる身体は荒い息を吐きながら血を戻す。
土の上に、雪が、彼の吐いた生命の証が、散る。
乱れた髪、薄く開かれた唇。
人形のような、その身体。
虫の息で、俺を睨み付けるその不遜な眼差し。
いつも見惚れていた、彼の全てが。
俺に汚されている。
「ユウ」
彼の名を呼ぶ。
すると彼は一瞬顔を顰め、俺に向かってその綺麗な顔を歪ませた。
「死んじまえ」
動かないその身体で唾を、血反吐を、吐き出す。
最期まで虚勢を張る彼に。
その行為に涙が出た。
「ユウ」
宝物のような名前を、呟く。
ぶち壊したのは自分。
彼が俺を信じた瞬間に。
その全てを根本から否定した。
「ユウ」
彼の名前は甘い。
空気の漏れる音が彼の喉から聞こえてくる。
何時もは流れるような髪が、雪でぬかるんだ土へ這っていた。
彼の髪。
彼の瞳。
彼の唇。
彼の腕。
彼の足。
彼の身体。
彼の存在。
その全てを手に入れることが出来たのなら、なんて幸福だろう。
仮初の満足感に浸って、彼を手に入れようとしている自分は、何て愚かだろうか。







